2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
在宅患者調剤加算
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
在宅患者調剤加算の点数
- 在宅患者調剤加算
- 15点
関連項目
算定要件の要約
背景
- 超高齢社会においては慢性疾患が疾病構造の中心になってきた。また、患者は住み慣れた地域・家庭で家族と共に生活することを希望しており、在宅医療のニーズが年々高まっている。
- 在宅医療における診療報酬上の評価は1981年に自己注射に関する項目が新設されて以降、ニーズの高まりとともに評価される領域が拡大してきている。
- 在宅患者調剤加算は2012年に新設され、在宅医療における薬学的管理に加え、患者の生活を支援するうえで不可欠な地域連携や医療材料、衛生材料を供給できる等の体制を有する薬局を評価している。
要点
医薬品の適正使用や供給に留まらず、以下に挙げているような地域連携を踏まえた体制整備が求められる。
- 緊急時にも在宅医療に対応できる体制整備
- 在宅業務実施体制の周知
- 資質の向上のための研修
- 医療材料、衛生材料の供給体制
- 麻薬小売業者の免許
さらに、在宅医療の実績が直近1年で10回以上(医療保険、介護保険)求められる。
算定要件の詳細
施設基準
体制要件
- 地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出
- 緊急時等の開局時間以外の時間における在宅業務に対応できる体制(在宅協力薬局の保険薬剤師と連携して対応する方法を講じている場合も含む)
- 地方公共団体、保険医療機関及び福祉関係者等に対して在宅業務実施体制の周知
- 在宅業務従事者等の資質の向上を図るための研修実施計画を作成・実施。在宅業務に関する外部の学術研修(地域薬剤師会等が行うものを含む。)の受講。
さらに、保健薬剤師が薬学等に関する団体・大学等による研修認定の取得、医学薬学等に関する学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行うことが望ましい。
- 医療材料と衛生材料を供給できる体制
- 保険医療機関からの衛生材料提供指示に応じた衛生材料の供給
- 衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求し、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねる。
- 麻薬及び向精神薬取締法第三条の規定による麻薬小売業者の免許
届出に関する事項
様式89を用いること。
実績要件
- 在宅患者に対する薬学的管理と指導の実績
施設基準の届出時の直近1年間の在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料を除く。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定回数が、合算して計10回以上であること。
- 前年3月1日から当年2月末日までの実績により判定し、当年の4月1日から翌年の3月末日まで所定点数を算定できる。
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
処方箋受付1回につき1回算定可能である。
算定対象患者
以下のいずれかに当てはまる患者に対して算定可能である。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者
- 在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十二年厚生省告示第十九号)に規定する居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者
- 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十八年厚生労働省告示第百二十七号)に規定する介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者
- 上記以外に、「調剤報酬点数表に関する事項」の「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の(4)(厚生労働省 令和4年3月4日)で規定されている在宅協力薬局が処方箋を受け付けて調剤を行った場合も、算定可能である。
在宅患者調剤加算についての原文
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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