寄り添い頼れる「かかりつけ薬局」に、 リアルとオンラインの境目はない ~kakariと共に地元東北の医療をもっと豊かに~

ラッキーバッグ株式会社

教育部 部長
小平 邦彦 様

花城薬局

管理薬剤師
髙橋 昌仁 先生

はやせ薬局

管理薬剤師
谷地 千明 先生

東北4県を中心に、34店舗の保険薬局を展開するラッキーバッグ株式会社さま。kakariは2020年6月に10店舗で先行導入し、2022年2月までに全店舗でのご導入をいただきました。今回は、全店舗でのkakari推進を担って頂いた教育部部長の小平様と花城薬局の髙橋先生、そして同社の中でも特にkakariを活用くださっている、はやせ薬局の谷地先生へお話を伺いました。インタビューを進める中で印象的だったのは、都市部への店舗展開後も創業地である舟形町に本社を置き続けるなど、地域貢献への強い想い。地元の患者さんとの向き合い方や東北という地域の特徴を各所から感じるお話を頂きました。

TOPICS 01東北という枠組みで地元に還元。地域のかかりつけだからこそ、kakariを選択。

ーー 小平

当社は1999年2月、山形県最上郡舟形町で創業しました。25期目にあたる現在では、山形県・岩手県を中心に34店舗を展開する調剤薬局チェーンに成長しました。
私たちは、東北という枠組みの中で、「温もりの薬局を目指し社会に貢献します」という企業理念を掲げ、地域の薬局であること、地域の資源を循環させることを意識して経営しています。

舟形町は、少子高齢化が進んでおり、まさに日本の近い将来の姿を表している様な場所です。
そうした地域だからこそ、地域に密着した薬局が必要とされています。初心を忘れることなく地域に貢献するために都市部への展開を進めながらも本社は舟形町に置き続けています。
地域貢献のため、従業員の雇用はもちろんのこと、医薬品卸さんも東北の企業、医薬品も山形に工場を持つ企業の製品をなるべく採用し、頂いた収益から舟形町に納税しています。

最近では、県立新庄病院の敷地内に薬局を開設することが決まりました。
小さな薬局チェーンが敷地内薬局を出す例はまだ少ないですが、地方でも頑張っているんですよ、ということをお伝えしたいですね。

そんな当社では、人的資源が豊富でない環境だからこそ、少ない人数で効率の良い業務をすることへの課題がありました。
また、在宅医療をはじめ、薬局と患者さんを繋げるツールは導入する必要がある、と考えたことがアプリ検討のきっかけです。

kakariを導入した最大の理由は、店舗に既にいらしている患者さんにアプローチしていく点でした。
「かかりつけ」として患者さんと密に接することができる、ということですね。

「導入している薬局をどこでも選べますよ」という電子お薬手帳や処方せん送信サービスが多い中で、kakariは今うちの店舗を利用している患者さんに直接、「うちの薬局をかかりつけにしてくださいね」と言えるアプリです。
他の薬局をいくつも選べるようなサービスと違い、患者さんが流出することも少なく、患者さんをしっかりかかりつけに出来る点が当社の考えとマッチしていました。

東北に根差した経営をされているラッキーバッグ株式会社さま。取材はまだ雪が続く2月に行われました。
東北に根差した経営をされているラッキーバッグ株式会社さま。取材はまだ雪が続く2月に行われました。

TOPICS 02興味を持つことがkakari浸透への入口。キャンペーンを通して成功体験を積んでもらった。

ーー 小平

kakariを導入したとはいえ、放置していたら店舗には浸透しないものと考えていました。
やはり成功体験を持つことが大事だと思い、社内でキャンペーンを実施しました。

「●月末までに、kakariの登録者数●●人達成した店舗は表彰する」といった形です。
こうして本部の方から、まずは患者さんへkakariのご案内をしましょう、と促していきました。

目標値については促さなくても上手く進んでいる店舗からすると、低すぎるハードルともいえる設定でした。
しかし店舗により温度差はあるので、底上げという部分で最終的には全店達成出来るように成功体験を積み重ねていくことが店舗と従業員個人にとって重要ですので、超えられる目標でキャンペーンを進めていきました。

ーー 谷地

私たちの店舗は比較的最初から上手く進んでいた店舗だと思います。
導入当初も「面白いものが入ったね」と興味を持って面白がれたのが成功の要因なのではと思います。
興味を持てたことで、「どんなことに使えるだろう」とスタッフと話した記憶があります。

ーー 髙橋

「会社から指示されて導入したシステム」という考えになってしまうと、どうしてもチラシを配るだけに留まってしまいます。
スタッフ自身が実際に使ってみることで、アプリの良さが分かり患者さんに勧めやすくなります。
小児科の前にある私の店舗では、処方箋を送信するだけでなくチャット機能を使ってお子さんのお薬でのお悩み相談ができるため、「アプリで相談できますよ」と使い方を教えるとともに登録してもらう、といったやり方をしていきました。
この様に登録に繋がる方法を覚えていくことで次第に周りに浸透していったと思います。

定期的にkakariのカスタマー担当の方へもご相談をしていたので、上手くいっている薬局さまの事例をアドバイスいただきながら、それを当社に合わせた形にアレンジして、伸び悩んでいる店舗へ紹介していきました。

kakariのチラシ

TOPICS 03患者さんが困ったタイミングが、kakariを勧める最大のチャンス。

ーー 谷地

患者さんがkakariをダウンロードしてくださる工夫ですか。
ただチラシを見るだけではダウンロードしてくださらないんですよね。
患者さんが困ったタイミング、必要としているタイミングを逃さずに、「こういったときにkakariは使えますよ」と紹介すると良い感触がありますね。

当店でkakariの導入が決まった際、真っ先に「この人には紹介しないと!」と思い浮かんだ患者さんがおりまして。
基幹病院に通われていた方なのですが、通院先のFAXコーナーが廃止になってしまったんですね。
病院のスタッフさんに相談したところ、「薬局によっては処方せんを送るアプリがあったり、もしくは近隣のコンビニから送ってください」という回答だったそうです。
結局その際はコンビニからFAXで処方せんを送って頂いたのですが、「はやせ薬局では処方せんを送れるアプリはないの?」と、相談されていたんです。

元々、処方せん送信アプリが欲しくて欲しくてたまらない患者さんでしたので、社長からkakari導入の話が来た時は嬉しかったですね。

他にも、盛岡から帰宅するため、来局が閉局のギリギリになってしまう患者さん。
コンビニからFAXで処方せんを送りそのまま置き忘れてきてしまって、また取りに戻らなければならない患者さん。お辛いですよね。
こういった困ったタイミングは逃さずに、「先に処方せんを送っておけるので、受付時間に間に合いますよ」「もう処方せんを忘れる心配は無くなりますよ」と必ず紹介しています。

チャット機能も、薬の入荷状況を伝えるのに役立っています。
今薬の入荷がとても不安定なので、「今日のお昼は難しいけれど、夕方であればお薬が全部揃いますよ」などと伝えることができて、患者さんも私たちも安心できます。

「患者さんが困ったタイミングを逃さない」が出来るようになると、最大の壁はスマートフォンをお持ちでないときだけ、になるんです。

ーー 髙橋

地域柄といいますか、田舎ならではでしょうか。
アプリを登録すること自体に不信感を持たれる患者さんもいらっしゃるので、そこをご理解いただくことが最初の壁ではありました。

前述のような成功事例が増えてくることで、良いアプリであることが伝わって、登録に繋がるケースが多くみられるようになってきました。

「患者さんが困ったときが、まさにkakariを進めるベストタイミングです」と、谷地先生
「患者さんが困ったときが、まさにkakariを進めるベストタイミングです」と、谷地先生

チャットや服薬フォロー、お知らせ配信で患者さんと双方向にやり取りできる

ーー 谷地

登録しただけで活用してくれない、という患者さんは少数ですね。
登録後は処方せん送信だけでなく、他の機能も面白そうだから色々使ってみようという感じで、大分活用してくださっている印象です。

特にチャットで患者さんと双方向でやり取りできる点が便利です。
例えば受給者証や保険証の期限確認も、チャットに写真で送っていただければ個人情報は保護され、確実に確認ができます。
印刷せずに画面を見ながらすぐ転記出来るので、レセプトPCへの登録や、服薬フォローを書いたり薬歴に転記するのも楽で、患者さんだけでなく私たちもとても便利です。

双方向のやり取りだけを求めるなら電話でもやり取りできますが、かかりつけ対応で店舗の転送携帯を持つと、夜中や日曜に電話が入ることもありますよね。
kakariのチャット機能であれば、チャット受付時間を設定することで、営業時間内のみの対応になるので、心も安らげるんです。

更に、チャットであれば送受信内容を見返せますし、患者さんからの「お子様のお薬の相談」や、飲み忘れ・飲み間違いなどのご相談に気軽に対応できます。
電話での連絡や相談は、患者さんも構えてしまいますし、気持ちのハードルも高いので、患者さんからもチャット機能はとても良いと仰って頂けています。

ーー 小平

kakariで服薬フォローメッセージの配信予約ができますよね。
服薬フォローは目の前の業務が忙しいと、3日後・1週間後に連絡をしようと思っていても、そのときになると対応出来ないこと、忘れてしまうことも多々あります。

服薬フォローメッセージの配信予約機能を使えば、服薬指導が終わったらその流れでメッセージを設定できるので、予定していた日に患者さんから「大丈夫です。気にかけていただいてありがとうございます。」と返事をもらえました。
頂いたお返事の内容を見て、患者さんへ更に連絡出来るので、今後服薬フォローの更なる充実が求められると予想される中で、便利な機能だと思っています。

ーー 谷地

お知らせ一斉配信機能もかなり活用しています。
kakari導入時、社長からの「月1回は配信しましょう」という指示を真面目に続けてきただけなのですが、「今回のネタはどうしようか」とスタッフ同士で話しながら持ち回りで作っています。

記事を作る際は、患者さんに気軽に見て頂けるような、キャッチ―なタイトルを付けるように心がけています。
例えば、コロナ禍なので「待合室で待ちたくない人に朗報です!」とか、「待合室でぎゃんぎゃん泣いちゃうお子さんを抱えているお母さん、困ってませんか」とか。開いてみようかな、と思わせる語り口にしています。

また、患者さんに「この情報欲しかった」と思ってもらえそうな情報を届けています。
コロナの感染が増えてきたら、「抗原検査キットを販売しています。事前にご連絡頂けたら用意します」といった感じです。

谷地先生

TOPICS 04最早薬局とアプリに境目は無い。生活に入り込む、当たり前のツールに。

ーー 髙橋

kakariを導入した当初は、「ただ処方せんを送る、FAXの代わりのツール」という印象でした。
しかし、ここ最近は「患者さんとの会話のツールの1つ」という様に考えが変わってきています。
各店舗スタッフのkakariへの理解も深まってきていて、患者さんのニーズに合わせて様々な機能を使ってみよう、という目線も持てるようになってきました。

ーー 谷地

髙橋が述べた通り、確かに導入当初はFAXの代わりに処方せん送信をメインで使っていました。
次第に「チャットアプリのように使えますよ」とお伝えするようになって患者さんも色々触ってくれるようになり、今ではこちらからの問いかけ以外でもチャット機能を使いこなせるようになりました。

患者さんからチャットで、「経腸栄養のフレーバーがそろそろ欲しいです」とか、写真と一緒に「このウロバッグと同じものを注文できますか?」と送ってくれることもありました。
まるで、薬局に寄って「この商品ありますか?」「そろそろ無くなるから欲しいな」と患者さんが言っている様なやり取りを、チャットで進められています。

薬局とアプリの境目が無いほど、お薬から患者さんの生活・日常にシフトしてきているなと感じています。
地域のかかりつけ薬局として、一番身近で頼れる存在になれているのではと思いました。

ーー 小平

kakariは当社ではもう当たり前の業務になっています。
最初は皆、処方せんが来るのを身構えていたのが、今では毎日来る店舗では身構えることなく通常業務の一環に組み込まれているんです。
今後電子処方箋やオンライン服薬指導が進んできても、当たり前にkakariを使う準備はもう出来ています。

「薬局のカウンターとアプリのチャットで、話していることの違いが無くなりました」と谷地先生。
「薬局のカウンターとアプリのチャットで、話していることの違いが無くなりました」と谷地先生。

TOPICS 05患者さん・薬局・そしてkakari。3者で未来の薬局を作っていく。

ーー 髙橋

「薬局に寄り添ったアプリ」というのが私にとってのkakariの第一印象です。

スマートフォンアプリ、というだけでいささかハードルを感じる部分はあると思いますが、そのハードルさえ乗り越えてしまえば、薬局次第でいくらでも有効活用していけます。
kakariは有効活用すればするほど、雪だるま式にメリットが増えていくアプリだと思います。
kakariのカスタマー担当の方に「患者さんにこんなメリットを伝えたい」と相談すると、案内出来そうなツールやチラシを紹介していただけるのでアプリの推進にも助かっています。

薬局薬剤師である以上、患者さんの一生を見ていける場所でありたいと思っています。
そのためには薬剤師の独りよがりではなく、患者さんと薬局双方がWin-Winな形で寄り添っていきたいと考えているのですが、kakariはそれを実現するためのサポートをしてくれるツールだと私は思っています。

ーー 小平

kakariを、患者さんだけでなく薬局で働く従業員の満足度も上げられるツールに出来たらよいな、と考えることがあります。
というのも、当社が店舗を展開する地域には、すごく雪深く交通の便が非常に悪いエリアもあります。
そんな地域では、病院も「山深い地域の診療はオンラインを推奨しよう」といった話も出てきています。

では診療はオンラインで対応して、薬はどうするのでしょうか。
当社の従業員が、山道の雪をかき分けて薬を届けに行くというのは現実として不可能な場合もあります。
私は立場上、従業員の安全を守ることも考えていかなければならないので、kakariの機能を活用したオンライン服薬指導やオンライン決済、業者に依頼しての配達などを絡めた実現可能なオペレーションを構築し、業務にあたる従業員の満足度を向上したいと考えています。

これからの薬局を想像したとき、分包機やレセプトPCなどの機器類が今ではもう当たり前となっているように、kakariのような患者対応ツールも今後薬局にとって当たり前となっていきます。

電子処方箋への対応や薬剤師の在宅勤務、調剤センターなど、薬剤師の仕事の大きな変化も、kakariの今ある機能を活用して対応していけます。

kakariをはじめとしたデジタルツールの活用、DXを通して出来ることはまだまだ沢山あると思いますし、それらを活用することで会社の発展に繋げていきたいです。
kakariはその実現のために必要な、私たちにとって本当に重要なツールとなっています。

ーー 谷地

冒頭で小平が紹介していたように、当社は本当にローカルで、地域に根差していきたいという薬局です。
「薬局とは関係ないことかもしれないんだけどね」と患者さんが話してくれて、常日頃からコミュニケーションが取れるようになったら、本当に最高な状態だなと思っています。

今からkakariのようなデジタルツールに慣れ親しんでおけば、電子処方箋やオンライン服薬指導・オンライン決済のハードルもすごく下がるし、薬局に行きやすくなるのではないでしょうか。
そうすれば、薬局に来るのが億劫だったり辛い方など、もっと幅広い方と薬剤師として向き合っていけるのではないかなと思っています。

そうした中で、やはりkakariは患者さんと薬局双方向で一緒に歩みを進められるアプリなんです。
さらに、kakariを運営するメドピアさんも運用を後ろから支えてくださっていて、その存在がとても大事だなと改めて思っています。
患者さん・薬局だけでなく、そこにメドピアさんも加わって、3人4脚でより良い生活を目指していけるアプリなのではと思います。

ラッキーバッグ株式会社 はやせ薬局の皆さま
ラッキーバッグ株式会社 はやせ薬局の皆さま