「保険薬剤師の時代が始まる」
服薬フォローで変わった患者さんとの関係性

ハート調剤 めいなん調剤薬局

管理薬剤師
近藤 多佳子

開局から約15年、乳児から90代の高齢者まで、幅広い患者さんが来局されるめいなん調剤薬局。
kakariでのかかりつけ登録数は約800名に達し、服薬フォローにも積極的に取り組まれ、患者さんから「選ばれる」薬局として進化していらっしゃいます。
服薬フォローに取り組むきっかけから現在の取組内容、そして今後の展望まで、めいなん調剤薬局の近藤先生にお話を伺いました。

TOPICS 01服薬フォロー義務化で始まった「保険薬剤師の時代」

服薬期間中のフォローアップ、いわゆる服薬フォローが2020年9月に義務化され、薬剤師界隈で「服薬フォローって本当にしなければいけないの?」とざわついたことをよく覚えています。しかし、私はとても良い機会だと思いました。「やっと保険薬剤師の時代が来たか!」と。
そこでまずは、うちの薬剤師たちに「最低2名、フォローしたい患者さんを見つけてみよう」と目標を設定しました。最初はそれがとても難しく感じられたのか、みんな戸惑っていました。しかし、以前から大事にしていた「どうやったら患者さんの助けになれるか、患者さんごとの問題点を見つけて考える」という点に立ち返ることにしたんです。そうすると、3人、4人と徐々にフォロー対象の患者さんが増えていきました。

ハート調剤 めいなん調剤薬局 管理薬剤師 近藤 多佳子先生
ハート調剤 めいなん調剤薬局 管理薬剤師 近藤 多佳子先生

TOPICS 02第一歩は薬剤師と患者さんとのコミュニケーション

服薬フォローの対象を選ぶには、患者さんとの関係性を築かれていることが前提になります。そのため、患者さんごとの判断にはなりますが、普段から時間の許す限り積極的なコミュニケーションを心がけています。体調の変化や服薬状況に関してはもちろんのこと、日常生活やご家族に関することまで、お薬以外についてもお話を伺う事が多いです。こちらから質問すれば、些細なお悩みでも打ち明けてくださいます。
こうした丁寧なコミュニケーションを積み重ねた上で、服薬フォローを実施しています。そして「その患者さんをフォローすべきか」「どんなフォローが必要か」を判断するのは担当の薬剤師です。薬局としては服薬フォローの基準を設けていません。
患者さんの生活背景まで把握している薬剤師に任せることで、些細な異変にも気づくことができます。いざフォローが必要になった際にも、より精度の高いフォローが実現できるんです。

日頃から話しやすい雰囲気を心がけているスタッフの方たち
日頃から話しやすい雰囲気を心がけているスタッフの方たち

TOPICS 03「お薬のQRコードを出してほしい」がkakariを知るきっかけに

kakariを知ったきっかけは患者さんでした。ある時、患者さんから「お薬手帳に登録するからQRコードを出してほしい」とご要望があって。でも、その時QRをコードでお薬手帳を登録できるなんて知らなかったんです。それから調べてみたら、まあ便利な時代になっていると。これは乗り遅れてはいけないと思い、アプリについて色々調べるようになりました。
そうやって私はkakariの存在を知りました。
しかし、最初はkakariとは別のサービスの導入を本部が決めて進めていました。あまり活用が進まず、しばらくして次に社長が持ってきたのがkakariでした。
少し使ったらkakariがいかに使いやすいかがすぐに分かりました。なんといっても機能がシンプルで画面が見やすい。これなら誰でも操作ができると感じました。
分厚いマニュアルもいただきましたが、正直読んでいません。笑
導入した後に使い方説明をしていただき、一通り理解できました。

kakariをインストールできるQRコードをドアに貼って啓蒙している
kakariをインストールできるQRコードをドアに貼って啓蒙している

TOPICS 04kakariで服薬フォローの効率化と深化が実現

kakariを導入して1年ほど経ちましたが、kakariのおかげでこれまで行っていた服薬フォローをより丁寧に、効率よく実施することができるようになりました。
まず、kakariをインストールしてくださった患者さんには、全員に一度服薬フォローのメッセージをお送りしています。さらに、担当薬剤師の判断でフォロー対象となった患者さんには、来局の3日後にもメッセージをお送りします。これらのメッセージは予約配信ができるので、調剤のスキマ時間に登録することもできるんです。電話でのフォローは患者さんにつながらないことも多く、メッセージの送信で済むのはとても効率が良くて助かっています。
そして効率が良くなっただけじゃなく、患者さんとの距離感も近くなったように思います。以前、薬局の待合室で患者さん同士が「今日はあの薬剤師さんからこんなメッセージがきたわ。おたくは?」と楽しそうに会話しているのを見かけたんです。薬局をより身近に感じてくださっているのかな、と思いました。
また、なかなか会話する機会の持てない患者さんですと、特に距離感の変化が顕著です。普段は会うことができませんが、kakariを通して繋がることができるようになりました。患者さんから「いつも親切に(メッセージを)返してくれてありがとう。感謝しています。」と返信を頂けたときは本当に嬉しかったです。

kakariをタブレットで表示して、いつでも患者さんとつながっている
kakariをタブレットで表示して、いつでも患者さんとつながっている

TOPICS 05お知らせ一斉送信機能でニーズに合わせた情報発信

上記のように、患者さん一人ひとりにチャットでメッセージを送っていますが、それだけではなくkakariのお知らせ一斉送信機能を用いて、薬局からかかりつけ登録患者さんに情報発信を定期的に行っています。
例えば、「チュアブル錠とOD錠の違いは?」「去痰薬の違いは?」「妊婦・授乳婦サポート薬剤師を知ってますか」等、よく処方される薬でお問い合わせの多いものなんかをまとめて、ブログのように発信するようにしています。
これをするようになった背景として、よくいただくご相談をまとめた紙を店舗に貼っていたところ、それを写真で撮ってご自宅で確認しようとされる方がけっこういらして。
みんなにもこの情報をkakariで発信すれば喜ばれるかもしれないと思い、始めました。

薬局の壁いっぱいによくある質問や注意事項が掲載されている
薬局の壁いっぱいによくある質問や注意事項が掲載されている

TOPICS 06「かかりつけ」として、患者さんとも医師とも関係を築く

このように一人ひとりの患者さんと丁寧にコミュニケーションを続けてきました。その結果、約800名の患者さんから「かかりつけ薬局」として選んでいただくことができました。これは約1年で、kakariを通して登録してくださった方だけの人数です。これからもどんどん増やしていきたいと思っています。
またある時、今まで全く関わりのなかった遠方の医院からお電話を頂いたんです。「そちらが(患者さんの)かかりつけ薬局と聞きまして」と、お薬に関するご連絡でした。かかりつけ薬局として機能することができ、地域を超えて認知してもらえた。これは薬局内にとっても、すごく明るいニュースでした。

TOPICS 07場所を問わず患者さんと繋がり、「薬剤師が選ばれる時代」へ

これからはもう「いかに早くお薬をお渡しするか」だけを考えていれば良い時代ではありません。対人業務が重要視されたことで、「この薬剤師さんがいるから」と患者さんに選ばれるようになっていくと思います。これが冒頭でお伝えした「保険薬剤師の時代」です。
ですから、これからも患者さんとのコミュニケーションを大切にしていきたいですね。患者さんに「覚えていてくれたんだ」「気にかけてくれているんだ」と感じていただける、温かみのある心の通った薬局を目指したいです。
kakariを通して薬局の外でした会話の続きを、来局時に当たり前のようにできる薬局が理想です。頼ってもらえる薬剤師として、患者さんに信頼していただけるよう、これからも丁寧なコミュニケーションを心がけていきたいと思います。