2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
調剤基本料
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。
調剤基本料の点数
- 調剤基本料1
- 42点
- 調剤基本料2
- 26点
- 調剤基本料3
- イ
- 21点
- ロ
- 16点
- ハ
- 32点
- 特別調剤基本料
- 7点
減算となるケース
- 複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合、受付が2回目以降の調剤基本料は、処方箋の受付1回につき所定点数の80/100に相当する点数により算定する。(小数点以下第一位を四捨五入)
- 詳しい施設基準は後述するが、調剤基本料の「注4」のただし書きで規定する薬局の場合、処方箋の受付1回につき所定点数の50/100に相当する点数により算定する。(小数点以下第一位を四捨五入)
関連項目
算定要件の要約
背景
- 令和4年度改定においては、薬局の機能と効率性に応じた評価の見直しがなされた。
- 調剤基本料においては「効率性」の観点からの見直しとなっており、損益率の状況等を踏まえて、店舗数の多いグループ法人に対して新たな評価軸が加わった。
- グループ店舗数が多いほど、損益率が高くなっていることが明らかになっており、これを受けて調剤基本料の点数は低く設定されることとなった。
- また、敷地内薬局においても同様に効率性を考慮して評価の見直しがされている。
要点
算定要件の概要は以下の画像で示す通りである。

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
2022年度改定により、従来の受付枚数・集中率に加え、グループ店舗数が評価軸に加わった。
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が40万回/月以下でも、同一グループの保険薬局の数が300以上ある場合は、「3-ロ」もしくは「3-ハ」を算定できる。

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
算定要件の詳細
施設基準
実績要件
調剤基本料1の施設基準
調剤基本料2、調剤基本料3、特別調剤基本料のいずれにも該当しない保険薬局である。
- ただし、後述の「調剤基本料の注1のただし書きで規定する薬局」は、特例的に調剤基本料1を算定する。
調剤基本料の注1のただし書きで規定する薬局の施設基準
以下の全ての要件を満たす保険薬局であること
1.
「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」(注1)に所在する保険薬局である。
2.
当該保険薬局が所在する「特定の区域内の保険医療機関」(注2)(歯科医療のみを担当するものを除く。)の許可病床数が200床未満であり、その数が10以下である。
- ただし、当該保険薬局が所在する特定の区域外の保険医療機関であっても、当該薬局で当該医療機関の処方箋による調剤の割合が70%以上の場合は、「特定の区域内の保険医療機関」とみなす
3.
処方箋受付回数が1月に2,500回を超えない。
【実績の判定期間】
当年2月末日時点の状況をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日〜翌年3月31日まで所定点数を算定する。
当年4月1日から翌年3月31日までの間に、新たに施設基準に適合した場合は、届出が可能である。届出のあった月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月1日〜翌年3月31日まで所定点数を算定することができる。
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、様式87の2を用いる。
- 当該保険薬局が所在する中学校区の地名がわかる資料を添付する。
調剤基本料2の施設基準
次のいずれかに該当する保険薬局であること
ア
処方箋集中率(注3)と処方箋の受付回数に基づく基準で判定する場合
(イ)
処方箋集中率:70%超 + 処方箋の受付回数:4,000 回超/月
(ロ)
処方箋集中率:85%超 + 処方箋の受付回数:2,000 回超/月
(ハ)
処方箋集中率:95%超 + 処方箋の受付回数:1,800 回超/月
イ
特定の保険医療機関からの処方箋受付回数に基づく基準で判定する場合
(上記の「ア」に該当するものを除く。)(イ)
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(医療モールの内の全ての保険医療機関に係る処方箋の受付回数を合算した数)が4,000回超/月
(ロ)
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループ(注4)かつ処方箋集中率が最も高い保険医療機関が同一である他薬局の処方箋の受付回数を合算した数)が4,000回超/月
調剤基本料3の「イ」の施設基準
次のいずれかに該当する保険薬局であること
ア
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が3万5千回超〜4万回以下/月 + 同一グループの保険薬局の数が300未満であり、以下のいずれかに該当する薬局
(イ)
処方箋集中率が95%を超える
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
イ
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が4万回超〜40万回以下/月 + 同一グループの保険薬局の数が300未満であり、以下のいずれかに該当する薬局
(イ)
処方箋集中率が85%を超える
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
調剤基本料3の「ロ」の施設基準
①と②の要件をどちらも満たすこと。
①
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が40万回超/月、又は同一グループ薬局の数が300以上
②
以下のいずれかに該当する
ア
処方箋集中率が85%を超える
イ
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引があるもの
調剤基本料3の「ハ」の施設基準
①と②の要件をどちらも満たすこと。
①
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が40万回超/月、又は同一グループ薬局の数が300以上
②
処方箋集中率が85%以下
特別調剤基本料の施設基準
次のいずれかに該当する保険薬局であること。
ア
保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局(注5)であって、処方箋集中率が70%超(当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合(注6)を除く)
イ
調剤基本料の施設基準に係る届出を行っていない
調剤基本料の減算対象となる薬局(所定点の50/100に相当する点数を算定する)の施設基準
(1)
以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を50/100に減算する。
(詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和4年3月4日保医発0304第3号)(厚生労働省)を参照)ア
医療用医薬品の取引価格の妥結率が5割以下であること。
イ
医療用医薬品の取引価格の妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況を地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局
ウ
薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局
(2)
当該調剤基本料の減算については、調剤基本料の所定点数を50/100にし、小数点以下第一位を四捨五入して計算する。
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋受付1回につき1回算定可能である。
同一患者から同一日に複数の処方箋(リフィル処方箋を含む。)を受け付けた場合
【受付回数1回と数えるケース】
(1)
同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方箋
(2)
同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋
【別受付として数えるケース】
(1)
同一の保険医療機関でも、歯科以外の処方箋と歯科の処方箋が交付された場合
例:A総合病院の耳鼻科、内科、歯科の処方箋3枚を受け付けた場合、受付回数は2となる。
(2)
複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合
- (2)の場合は、処方箋受付1回目は調剤基本料の所定点数を算定し、2回目以降は調剤基本料の所定点数の100分の80の点数を算定する。(ただし、分割調剤に関してはその限りではない。)
注釈
注1 「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」とは
「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについての別添3の別紙2」で規定されている地域のことである。
(参照:「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」 別添3の別紙2 厚生労働省 令和4年3月4日)
注2 「特定の区域内」とは
学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第5条第2項に基づき、就学すべき中学校の指定をする際の判断基準として、市町村(特別区を含む。)の教育委員会があらかじめ設定した区域(中学校区)のことである。
歯科医療のみを担当する保険医療機関は含めないが、医科歯科併設の保険医療機関は含まれる。
(出典:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日))
注3 「処方箋集中率」とは
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合のことである。
(出典:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日))
注4 「同一グループの保険薬局」とは
財務上・営業上・事業上のいずれかにおいて緊密な関係にある範囲の保険薬局のことを指し、次に掲げる者の全ての保険薬局のことである。
①
保険薬局の事業者の最終親会社等
②
保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
③
保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
④
①から③までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者
詳しい定義は「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日)を参照。
注5 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは
次の(1)から(4)までのいずれかに該当するものであること。(当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は該当しない)
(1)
当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
(2)
当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
(3)
当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
(4)
当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
詳しい定義は「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日)を参照。
注6 「当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合」とは
保険薬局と複数の保険医療機関が一つの建築物に所在している場合のこと。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井又は屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなされる。
(出典:「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日))
処方箋受付回数について
実績の判定期間
前年3月1日〜当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当年4月1日〜翌年3月31日まで適用する。
【前年3月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局の扱い】
- 前年3月1日〜前年11月30日までの間に新規に指定された保険薬局
指定の日の属する月の翌月1日〜当年2月末日までの処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当年4月1日〜翌年3月31日まで適用する。 - 前年12月1日以降に新規に指定された保険薬
指定の日の属する月の翌月1日〜3か月間の処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当該3か月の最終月の翌々月1日〜翌年3月31日まで適用する。
- 処方箋受付回数の実績が判断されるまでは、調剤基本料1に該当しているものとして取り扱う。(ただし、特別調剤基本料の施設基準に適合する薬局と調剤基本料3の「イ」、「ロ」、「ハ」の施設基準に適合する薬局は除く)
【開設者の変更又は薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直した場合の取り扱い】
新たな開設許可日までの遡及指定が認められる場合は、遡及指定後も当該許可の日より前の調剤基本料の状況を引き継ぐ。
遡及指定を受けた翌年度の調剤基本料については、当該許可日より前の処方箋受付回数の実績も含めて判定を引き継ぐ。
(ただし、特別調剤基本料の施設基準に適合する薬局と調剤基本料3の「イ」、「ロ」の施設基準に適合する薬局は除く)
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 保医発0304第3号 厚生労働省 令和4年3月4日)
受付回数に数えない処方箋
受付回数に数えない処方箋は以下のとおりとする。
- 薬剤調製料の時間外加算、休日加算、深夜加算又は夜間・休日等加算を算定した処方箋
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は在宅患者緊急時等共同指導料の基となる調剤に係る処方箋。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料を除く。)の処方箋については、単一建物診療患者が1人の場合は受付回数の計算に含める。
- 居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費の基となる調剤に係る処方箋。
- 単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。
調剤基本料の施設基準に該当するか否かの取扱い
処方箋受付回数の合計が、調剤基本料の施設基準で定められている回数に、受付回数を計算した月数を乗じて得た回数を超えるか否かで判定する。
調剤基本料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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