2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
自家製剤加算
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。
自家製剤加算の点数
- ● 内服薬
- 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エキス剤
- 7日分につき20点
- 液剤
- 1調剤につき45点
- ● 屯服薬
- 錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エキス剤
- 1調剤につき90点
- 液剤
- 1調剤につき45点
- ● 外用薬
- 錠剤、トローチ剤、軟・硬膏剤、パップ剤、リニメント剤、坐剤
- 1調剤につき90点
- 点眼剤、点鼻・点耳剤、浣腸剤
- 1調剤につき75点
- 液剤
- 1調剤につき45点
減算となるケース
予製剤(注1)による場合か錠剤を分割する場合(注2)は100分の20に相当する点数を算定する。
算定上の注意点
嚥下困難者用製剤加算、計量混合調剤加算は併算定不可である。
関連項目
算定要件の要約
背景
- 患者個々に合わせた処方内容によっては、薬価収載されている剤形・規格では対応できない場合がある。
- この場合に調剤上の特殊な技術工夫によって使用できるようにすることで算定できる加算であり、薬剤師の製剤学に関する知識が活用される項目でもある。
- 令和4年度改定では錠剤の分割において、割線がある錠剤に関する要件が撤廃され、薬剤師の薬学的管理に求められる期待が大きくなってきていることが読み取れる改定だったと言える。
要点
- 自家製剤加算の対象となるのは薬価基準に収載されている医薬品に「存在しない規格・剤形」とした場合。半錠にしたあとの規格がジェネリックで存在することがある等、製剤工程後の規格・剤形が、異なるメーカーでは存在することがあるので注意する。
- 同一の剤においては同様の技術工夫を伴う「嚥下困難者用製剤加算」や「計量混合調剤加算」とは併算定できない。
- 製剤工程については調剤録に記録する必要があるため、算定時は詳細に記録をする。
嚥下困難者用製剤加算と自家製剤加算の違いを解説したガイドブックをご提供しています。是非お手元にダウンロードしてご活用ください。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定条件
自家製剤加算は、薬剤を自家製剤の上調剤した場合に算定可能である。
【自家製剤の定義】
個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫(安定剤、溶解補助剤、懸濁剤等必要と認められる添加剤の使用、ろ過、加温、滅菌等)を行った場合のことである。既製剤を単に小分けする場合は該当しない。自家製剤の具体的な例は以下の通りである。
- 錠剤を粉砕して散剤とすること。
- 主薬を溶解して点眼剤を無菌に製すること。
- 主薬に基剤を加えて坐剤とすること。
薬価基準に収載されている医薬品に溶媒、基剤等の賦形剤を加え、当該医薬品と異なる剤形の医薬品を自家製剤の上調剤した場合に自家製剤加算を算定できる。ただし、次の場合は算定不可なため、注意が必要である。
- 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合
- 液剤を調剤する場合であって、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)上の承認事項において用時溶解して使用することとされている医薬品を交付時に溶解した場合
成人又は6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤を6歳未満の乳幼児に対して調剤する場合、薬剤師が必要性を認め、処方医の了解を得たなら、単に矯味剤等を加えて製剤した場合も算定可能である。
自家製剤を行った場合には、賦形剤の名称、分量等を含め製剤工程を調剤録等に記載すること。
自家製剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行うこと。
注釈
注1 「予製剤」とは
あらかじめ想定される調剤のために、複数回分を製剤し、処方箋受付時に当該製剤を投与すること。
注2 「錠剤を分割する場合」とは
医師の指示に基づき錠剤を分割すること。ただし、分割した医薬品と同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合は算定できない。
自家製剤加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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