2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
無菌製剤処理加算
公開日2026/05/28
最終更新日
無菌製剤処理加算の点数
本加算は、調剤報酬点数表の薬剤調製料「注2」に規定される。注射薬について、施設基準に適合する保険薬局において、中心静脈栄養法用輸液、抗悪性腫瘍剤又は麻薬につき無菌製剤処理を行った場合に算定する。
令和8年度改定では、小児の対象年齢の拡大及び中心静脈栄養法用輸液に係る小児加算の点数引上げが行われた。
| 区分 | 通常 | 15歳未満の小児(令和8年度) | 改定前の小児(令和6年度) | 主な変更点 |
|---|---|---|---|---|
| 中心静脈栄養法用輸液 | 69点 | 237点 | 137点(6歳未満の乳幼児) | 対象を15歳未満に拡大、点数を237点に引上げ(+100点) |
| 抗悪性腫瘍剤 | 79点 | 147点 | 147点(6歳未満の乳幼児) | 対象を15歳未満に拡大(点数は変更なし) |
| 麻薬 | 69点 | 137点 | 137点(6歳未満の乳幼児) | 対象を15歳未満に拡大(点数は変更なし) |
令和8年度改定の重要変更点:15歳未満の小児に対しても無菌製剤処理における投与量調整が発生すること等を踏まえ、評価対象を従来の6歳未満の乳幼児から15歳未満の小児に拡大した。加えて、中心静脈栄養法用輸液の無菌製剤処理に対する評価を137点から237点に引き上げた。抗悪性腫瘍剤(147点)及び麻薬(137点)は点数据置で対象年齢のみ拡大された。
算定上の注意点
- 1日につき1回に限り算定する。同一日の使用のために製剤した場合又は組み合わせて1つの注射剤として製剤した場合も、1日につき1回に限り、主たるものの所定点数のみ算定する。
- 無菌製剤処理を伴わない調剤であって、患者が施用時に混合するものについては算定できない。
当該加算の対象となる点数区分
算定要件の要約
背景
在宅医療の推進に伴い、中心静脈栄養法(TPN)や抗悪性腫瘍剤の在宅療法が広がる中、これらの注射薬を無菌的に調製する技術・体制を有する薬局の役割が重要性を増している。無菌製剤処理は高度な技術と設備を要するため、その体制を評価する加算として設けられている。
令和8年度改定では、小児(特に学童期以降の小児)においても体重に応じた投与量の調整が必要であること、小児がん患者や小児在宅中心静脈栄養法の対象患者が一定数存在することを踏まえ、対象年齢が15歳未満に拡大された。
要点
- 施設基準の届出が必要(無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネット等の設備要件)。
- 対象は中心静脈栄養法用輸液、抗悪性腫瘍剤、麻薬の3区分。
- 15歳未満の小児の場合は加算点数が増額される(令和8年度改定で6歳未満→15歳未満に拡大)。
- 1日につき1回に限り、主たるものの所定点数のみを算定する。
算定要件の詳細
施設基準
無菌製剤処理加算を算定するためには、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局であること。
(1)
2名以上の保険薬剤師(うち1名以上が常勤の保険薬剤師)がいること。
(2)
無菌製剤処理を行うための無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネットを備えていること。ただし、医薬品医療機器等法施行規則第11条の8第1項のただし書の規定に基づき無菌調剤室を共同利用する場合は、この限りでない。
- 届出様式:様式88
施設基準以外の算定要件
「無菌製剤処理」の定義
無菌室・クリーンベンチ・安全キャビネット等の無菌環境の中で、無菌化した器具を使用し、無菌的な製剤を行うことをいう。
算定対象となる注射薬と点数
(イ) 中心静脈栄養法用輸液
2以上の注射薬を混合して中心静脈栄養法用輸液を無菌的に製剤する場合、1日につき69点(15歳未満の小児の場合は237点)を加算する。
(ロ) 抗悪性腫瘍剤
抗悪性腫瘍剤を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)抗悪性腫瘍剤を無菌的に製剤する場合、1日につき79点(15歳未満の小児の場合は147点)を加算する。
抗悪性腫瘍剤として無菌製剤処理加算の対象になる薬剤は、悪性腫瘍等に対して用いる細胞毒性を有する注射剤として独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第4条第6項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が指定した医薬品(医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等)をいう。
(ハ) 麻薬
麻薬を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)無菌的に麻薬を製剤する場合又は麻薬の注射薬を無菌的に充填し製剤する場合、1日につき69点(15歳未満の小児の場合は137点)を加算する。
算定上の留意事項
- 無菌製剤処理加算は、同一日の使用のために製剤した場合又は組み合わせて1つの注射剤として製剤した場合においても、1日につき1回に限り、主たるものの所定点数のみ算定する。
- 無菌製剤処理を伴わない調剤であって、患者が施用時に混合するものについては、無菌製剤処理加算は算定できない。
- 無菌調剤室を共同利用する場合は、「薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(平成24年8月22日薬食発0822第2号)を遵守し適正に実施すること。この場合の費用については両者の合議とする。
無菌製剤処理加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 医師プラットフォームメディア推進部 ドクターエンゲージメントグループ 薬剤師
薬剤師としての実務経験を活かし、かかりつけ薬局アプリ「kakari」の企画/開発を担う。現在は、専門医のための臨床研鑽アプリ「ClinPeer」の普及拡大ならびにコンテンツ企画を担当。各領域の専門医と協力し、集合知を形成することで最新医療が臨床に適用されていくサイクル(プラクティスチェンジ)を促進し、医療への貢献に邁進している。その他、埼玉県薬剤師会青年部部会長や保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
お問い合わせについてのご案内
当サイトでは調剤報酬に関する直接のお問い合わせには対応しておりません。調剤報酬算定に関する詳細な情報や具体的な質問については、厚生労働省またはお近くの地方厚生局に直接お問い合わせいただくようお願い申し上げます。
免責事項:当サイトに掲載されている情報の正確性には万全を期しておりますが、解釈に幅があるもの、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性がございます。利用者が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について、当社は責任を負いません。

