2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠

医療情報・システム基盤整備体制充実加算

公開日2023/07/05

最終更新日

本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。

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医療情報・システム基盤整備体制充実加算の点数

医療情報・システム基盤整備体制充実加算1
3点(6月に1回)※
医療情報・システム基盤整備体制充実加算2
1点(6月に1回)
  • 2023年4月1日~12月31日までは、時限的に4点

関連項目

算定要件の要約

背景

保険医療機関・保険薬局におけるオンライン資格確認の導入が、2023年10月1日より原則義務化された。令和4年度診療報酬改定では、オンライン資格確認の活用に係る点数として「電子的保健医療情報活用加算」が設定されていたが、義務化を踏まえてこれを廃止し新設された加算が「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」である。

要点

下記の施設基準を満たす薬局では、調剤管理料の加算として6月に1回に限り「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を算定することができる。

医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準
医療情報・システム基盤整備体制充実加算の施設基準

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。

「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」は、患者がマイナ保険証を利用した上で薬剤情報等の提示に同意し、オンライン資格確認を通して患者の薬剤情報等を取得できたかどうかによって算定する点数が変わる。薬剤情報等を取得できなかった場合には、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算1」の3点を算定する。取得できた場合は「医療情報・システム基盤整備体制充実加算2」の1点を算定する。理由は後述するが、薬剤情報等が取得できなかった場合の方が算定する点数が高いことに留意いただきたい。

医療情報・システム基盤整備体制充実加算について周知する掲示物をご用意しました。患者さまにご留意いただきたい点をわかりやすくまとめています。是非ご活用ください。

算定する点数
算定する点数の表

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。

加えて2023年4月1日から同年12月31日までの9ヵ月間の特例措置として、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算1」の点数が4点となる。この9ヵ月間においては、マイナ保険証の利用がない場合、患者の自己負担額がさらに大きくなることになる。

特例措置
特例措置の表

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001048799.pdf

廃止された「電子的保健医療情報活用加算」では、オンライン資格確認で薬剤情報を取得できた方が高い点数が算定できたのに対し、新設された「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」では薬剤情報を取得できなかった場合の方が高い点数となる、逆向きの評価体系となっている。患者からみるとマイナ保険証を持参して診療情報・薬剤情報等の提供に同意すると自己負担額が下がる診療報酬となっている。つまり「電子的保健医療情報活用加算」が医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の基盤整備促進という観点で設計されていたのに対し、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」では、患者におけるマイナ保険証の利活用促進に狙いが変わったことを意味している。
当該加算については、医科側でも同様の趣旨での設定がされている。

算定要件の詳細

施設基準

体制要件

施設基準として、下記の3つの体制要件を満たす必要がある。なお、届出は不要

  1. 1.

    電子レセプトによる診療報酬請求を行っていること。

  2. 2.

    「オンライン資格確認」を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行う必要があることに留意すること。

  3. 3.

    次に掲げる事項について、当該保険薬局の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。

    1. (1)

      オンライン資格確認を行う体制を有していること

    2. (2)

      当該保険薬局に来局した患者に対し、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤等を行うこと

  • 医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係る取扱いについては、特に地方厚生(支)局長に対して届出を行う必要はない。

施設基準以外の算定要件

算定上限回数

6月に1回に限り算定

算定条件

前述の体制要件を満たし調剤を行った場合において、下記の点数を調剤管理料の加算として算定できる。

【オンライン資格確認による薬剤情報等の取得が出来なかった場合】
医療情報・システム基盤整備体制充実加算1 3点(6月に1回)

【オンライン資格確認による薬剤情報等の取得を行った場合】
医療情報・システム基盤整備体制充実加算2 1点(6月に1回)

経過措置

医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する施設基準として、電子レセプトによるオンライン請求を行っていることが要件とされている。オンライン請求を行っていない保険薬局においても、2023年12月31日までにオンライン請求を開始する旨の届出を行った場合、2023年12月31日までに限り当該要件を満たすと認められる。

詳細は、下記のリンクを参照。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00044.html

補足

オンライン資格確認の導入について

施設基準の1つでもあり、2023年4月から原則義務付けとなったオンライン資格確認の導入については、オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け)(厚生労働省)が参考になるので参照されたい。

また、2023年7月10日に発出された保発0710第1号「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について(厚生労働省)」では、オンライン資格確認を行うことができない場合の、窓口での対応や医療費の負担の取扱い等が明確化された。本対応は、オンライン資格確認を導入している全ての保険医療機関・薬局において適用されるものであり、日本医師会のサイトの下記のページで対応内容が分かりやすく掲載されている。
マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について(日本医師会 2023年7月18日)

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医療情報・システム基盤整備体制充実加算についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

林 亜紀(はやし あき)

執筆者:林 亜紀(はやし あき)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM

救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。

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