2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
調剤時残薬調整加算
公開日2026/05/28
最終更新日
調剤時残薬調整加算の点数
令和8年度改定において、従来の重複投薬・相互作用等防止加算(イ 残薬調整に係るもの以外 40点 / ロ 残薬調整に係るもの 20点)及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を廃止し、残薬調整に係る評価と薬学的有害事象防止に係る評価をそれぞれ独立した加算として新設した。本加算は、このうち残薬調整に係る評価を担うものである。
旧制度では、残薬調整に係る処方変更は一律20点で評価されていた。令和8年度改定では、在宅患者やかかりつけ薬剤師が実施した場合を50点と高く評価し、それ以外の場合も30点に引き上げることで、実効性の高い残薬対策を推進する方針が示された。
| 区分 | 条件 | 点数 | 旧制度との対応 |
|---|---|---|---|
| 調剤時残薬調整加算 イ | 在宅患者へ処方箋交付前に処方医に相談し、提案が反映された処方箋を受け付けた場合 | 50点 | 旧 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料(残薬調整 20点)の機能を包含・増点 |
| 調剤時残薬調整加算 ロ | 在宅患者に対して実施した場合(イを除く) | 50点 | 同上 |
| 調剤時残薬調整加算 ハ | かかりつけ薬剤師により調剤日数の変更が行われた場合(イ・ロを除く) | 50点 | 旧 重複投薬・相互作用等防止加算 ロ(残薬調整 20点)の機能を包含・増点 |
| 調剤時残薬調整加算 ニ | イからハまで以外の場合 | 30点 | 同上 |
算定上の注意点
- 調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
- 適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局(服薬管理指導料の特例(13点)を算定する保険薬局)は算定できない。
- 複数の処方について実施した場合であっても、処方箋受付1回につき1回のみ算定可能である。
関連項目
算定要件の要約
背景
残薬問題は、患者の服薬アドヒアランス低下や医療費の無駄の観点から、長年にわたり薬剤師の介入による解消が期待されてきた。従来は「重複投薬・相互作用等防止加算 ロ(残薬調整に係るもの)」として20点で評価されていたが、令和8年度改定では以下の観点から抜本的な見直しが行われた。
- 残薬調整に特化した独立の加算として新設:旧制度では重複投薬・相互作用の防止と残薬調整が1つの加算にまとめられていたが、残薬対策の実効性を高めるため、調剤時残薬調整加算として独立させた。
- 在宅患者・かかりつけ薬剤師による実施を高評価:在宅患者に対する残薬調整(イ・ロ:50点)及びかかりつけ薬剤師による残薬調整(ハ:50点)を通常の場合(ニ:30点)より高く評価することで、在宅訪問やかかりつけ機能を通じた残薬対策の実践を促進する。
- 処方箋交付前の事前提案を評価:在宅患者について、処方箋が交付される前に薬剤師が処方医に残薬状況を情報提供し、処方内容の調整を提案できる仕組みが加算イとして評価された。
- 処方箋様式の変更:処方箋に「調剤する薬剤を減量した上で、保険医療機関へ情報提供」の欄が新設され、処方医が残薬量を勘案した減数調剤を指示できるようになった。これにより、処方医の事前指示に基づく減数調剤も本加算の算定対象となっている。
要点
- 薬剤服用歴等や患者又はその家族等から収集した情報等に基づき、残薬が確認された患者において、処方医の指示又は処方医への照会の結果に基づき、7日分以上相当の調剤日数の変更が行われた場合に算定する。
- 6日分以下相当の調剤日数変更であっても、薬剤師が患者の服薬状況等により必要性があると判断した場合は、その理由を調剤報酬明細書に記載することで算定可能である。ただし、機械的な調整や合理的な理由のない調整は算定不可である(詳細は「算定要件の詳細」を参照)。
- 残薬調整の結果、調剤する医薬品の調剤日数又は数量を「0」とすることはできない。必要な場合は従前のとおり処方医への事前の照会を行うこと。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
処方箋受付1回につき1回算定可能である。
- 複数の処方について実施した場合であっても、処方箋受付1回につき1回のみ算定可能とする。
算定条件(疑義照会による場合)
薬剤服用歴等や患者又はその家族等から収集した情報等に基づき、残薬の外形状態・保管状況その他の残薬の状況が確認された患者において、処方医に対して照会を行い、7日分以上相当の調剤日数の変更が行われた場合に算定する。
調剤日数の変更は、患者が次回受診日等を考慮して意図的に残薬を生じさせているのかなど、残薬調整の必要性を患者又はその家族等に確認してから行うこととし、単に7日分以上の残薬があったことをもって機械的に行ってはならない。
算定条件(減数調剤の指示による場合)
処方箋の「調剤する薬剤を減量した後、保険医療機関へ情報提供」の欄にその旨の指示がある場合、薬剤服用歴等や患者又はその家族等から収集した情報等に基づき残薬の状況が確認された患者においては、7日分以上相当の減数調剤を行った場合に算定する。
この場合も、単に7日分以上の残薬があったことをもって機械的に行ってはならず、残薬調整の必要性を患者又はその家族等に確認してから行うこと。
なお、残薬を確認した結果、減数調剤を行うに当たって、調剤する医薬品の調剤日数又は数量を「0」とすることはできない。必要な場合には従前のとおり、処方医への事前の照会を行うこと。
区分ごとの算定要件
| 区分 | 対象患者 | 具体的な算定場面 | 点数 |
|---|---|---|---|
| 調剤時残薬調整加算 イ | 在宅患者(在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者) | 処方箋の交付前に処方しようとする医師へ処方に係る提案を行い、当該提案に基づく処方内容の処方箋を受け付けた場合 | 50点 |
| 調剤時残薬調整加算 ロ | 在宅患者(同上) | 上記の疑義照会による場合又は減数調剤の指示による場合を実施した場合(イの場合を除く) | 50点 |
| 調剤時残薬調整加算 ハ | 服薬管理指導料「1のイ」又は「2のイ」を算定する患者(かかりつけ薬剤師が指導を行った場合) | 上記の疑義照会による場合又は減数調剤の指示による場合を実施した場合(イ及びロの場合を除く) | 50点 |
| 調剤時残薬調整加算 ニ | 上記イからハまで以外の患者 | 上記の疑義照会による場合又は減数調剤の指示による場合を実施した場合 | 30点 |
「7日分以上相当」の考え方
- 内服薬等(日数単位で処方される医薬品):調剤日数を7日分以上減じた場合
- 屯服薬:7回分以上減じた場合
- 外用薬:1回使用量に鑑みて7回分以上の使用量を減じた場合
- 隔日投与等の指示により患者が服用しない日がある医薬品:実際に服薬する日数によるものとする
6日分以下の調剤日数変更の取扱い
6日分以下相当の処方日数の変更であっても、薬剤師が患者の服薬状況等により必要性があると判断し、処方医の指示又は処方医への照会の結果に基づき調剤日数の変更を行う場合は、以下の条件を全て満たすことで算定可能である。
1.
残薬が7日分を超えないにもかかわらず調整する必要性を調剤報酬明細書に記載すること。
2.
次回受診日(調剤日)を患者又はその家族等に確認した上で、残薬が7日分を超えないにもかかわらず調整する必要性を患者又はその家族等に説明すること。
3.
これらの概要を薬剤服用歴に記録すること。
算定できない場合:
- 認知機能に問題がない患者等について、継続的に同じような内容の処方箋の発行を受けているため残薬が7日分を超えるまで待つことが合理的な状況において、6日分以下相当の処方日数の変更を行う場合
- 処方医が同意していることのみをもって6日分以下相当の処方日数の変更を行う場合
6日分以下相当の処方日数変更を行う理由の例:がん化学療法薬等の高額な医薬品であるため患者負担等の軽減する必要が特に高いこと、又は薬学的専門的な観点によること。
残薬調整時の実施事項
残薬が確認され、調剤する医薬品の数量を減らした場合は、以下の事項を実施すること。
(ア)
保険医療機関への情報提供
患者の残薬の状況、その理由及び実際に患者へ交付した薬剤の投与量、患者への説明内容等について、原則、翌営業日までに当該減数調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供すること。なお、電子処方箋管理サービスのコメント機能に当該内容を記載することにより、処方医が当該情報を確認できる場合には、当該記載をもって処方医への情報提供に代えることができる。
(イ)
患者への受診時報告の促し
患者に対して次回受診時に処方医へ残薬の状況を報告することを促すこと。
(ウ)
手帳への記載
手帳を用いて服薬管理指導を行う場合には当該手帳に記載すること。
(エ)
薬剤服用歴等への記載
処方医に連絡・確認した内容の要点、変更した医薬品の品目名と数量等を、薬剤服用歴等に記載すること。
(オ)
残薬の理由分析と情報提供
当該加算を算定する場合においては、残薬が生じる理由を分析するとともに、処方医に対して連絡・確認する際に必要に応じてその理由を処方医に情報提供すること。
算定できない場合
- 調剤管理料を算定していない場合
- 適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局(服薬管理指導料の特例を算定する保険薬局)
調剤時残薬調整加算についての原文
監修者のご紹介

監修者:山田 輝(やまだ ひかる)
メドピア株式会社 医療機関支援プラットフォーム事業推進部 セールスグループ グループリーダー 薬剤師
6年制薬学部を卒業後、調剤現場を経験。「現場の外側から医療業界を支え、薬剤師の社会的地位向上に貢献したい」という考えからメドピア株式会社へ入社。入社当初より、「kakari」を通じて薬局運営に伴走。現在は病院向け予約システム「やくばと病院予約」を主軸に、医療アクセスの改善や医療機関の健全な経営支援に向き合っている。現場で培った薬剤師としての視点と感覚を糧に日々業務にあたっている。
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