2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の点数
- 在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算
- 250点
算定上の注意点
麻薬管理指導加算は併算定不可である。
関連項目
算定要件の要約
背景
- 在宅医療の多様化、高度化に伴い、2022年度改定で新設された。
- 医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対しては、処方提案や特定保健医療材料、医療機器の使用説明に加えて、疼痛状況の確認等の特別な在宅薬学管理が必要であり、新たな評価として加わった。
- 薬剤師の役割が薬局内に留まらず、退院時カンファレンスを始めとした多職種連携等の外部への拡大がより期待されるものである。
要点
- 麻薬投与の患者が対象であるため「麻薬管理指導加算」との併算定は不可である。
- 【施設基準】麻薬小売業者の免許と高度管理医療機器の販売業の許可が必要である。
- 在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、必要な薬学的管理指導を行い、処方医に対して情報提供を行う。
- 薬剤服用歴等を記載する。(詳しい記載事項は後述)
算定要件の詳細
施設基準
体制要件
- 麻薬及び向精神薬取締法第三条の規定による麻薬小売業者の免許を受けていること。
- 医薬品医療機器等法第三十九条第一項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。
届出に関する事項
様式89を用いること。
施設基準以外の算定要件
算定対象患者
在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者
算定条件
以下に挙げることを全て行った場合に算定できる。
1.
患家を訪問し、麻薬の投与状況、残液の状況、保管状況について確認する。
2.
残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導を行う。
3.
麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無を確認する。
4.
薬学的管理及び指導を行う。
5.
処方医に対して必要な情報提供を行う
- 必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても情報提供を行う。
6.
患者が麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講じる。
薬剤服用歴等への記載
以下に挙げる全ての事項を記載する。
1.
2.
各指導料の算定にあたって定められている事項
【在宅患者訪問薬剤管理指導料の場合】
「調剤報酬点数表に関する事項」の「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」の1の(10)(厚生労働省 令和4年3月4日)にある事項【在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の場合】
「調剤報酬点数表に関する事項」の「区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の(7)(厚生労働省 令和4年3月4日)にある事項【在宅患者緊急時等共同指導料の場合】
「調剤報酬点数表に関する事項」の「区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料」の(6)(厚生労働省 令和4年3月4日)にある事項3.
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の算定に関係する以下の事項
- 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容
具体的には以下の事項等を記載する。- 麻薬の保管管理状況
- 投与状況
- 残液の状況
- 併用薬剤
- 疼痛緩和等の状況
- 麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
- 訪問に際して行った患者又はその家族等への指導の要点
具体的には以下の事項等を記載する。- 麻薬に係る服薬指導
- 残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等
- 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報
具体的には以下の事項等を記載する。- 麻薬の投与状況
- 疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況
- 服薬指導の要点等
- 患者又はその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
- 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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