2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。
目次
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の点数
- 1 残薬調整に係るもの以外の場合
- 40点
- 2 残薬調整に係るものの場合
- 30点
算定上の注意点
調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算、服薬管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料を算定している患者については、算定しない。
算定要件の要約
背景
- 医薬品の適正使用の推進に向けて、薬局における疑義照会の評価の一環として2016年度改定で新設された。
- 2016年度改定では「重複投薬・相互作用防止加算」の算定対象の拡大に伴い、「重複投薬・相互作用等防止加算」と名称が変更され、併用薬との重複投薬や相互作用、残薬に加えて、その他薬学的観点から必要と認められる事項が算定対象になった。
- これに伴い、在宅患者についても同様に医師と連携して服用薬の減薬等に取り組んだことを評価するため「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」として新設された。
要点
薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に疑義照会を行い、処方に変更が行われた場合に算定する。処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
算定対象となるケース、算定対象外となるケースは以下の通りである。
- 重複投薬や相互作用の他、残薬の調整も当該加算の算定対象となる。
- 医薬品同士の相互作用のみならず、患者のアレルギー歴・副作用歴を踏まえての処方変更も当該加算の算定対象となる。
- 薬学的観点からの薬剤の追加、投与期間の延長も当該加算の算定対象となる。
- 同一医療機関、同一診療科の処方箋であっても算定対象となる。
- 薬局に在庫がないという理由での処方変更については薬学的観点とは認められず、算定対象外になることに注意。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
処方箋受付1回につき1回算定可能である。
- 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
算定対象患者
以下のいずれかに当てはまる患者に対して算定可能である。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者
- 在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者
- 指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準に規定する介護予防居宅療養管理指導費(薬局の薬剤師が行う場合に限る。)を算定している患者
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料はあくまで単一の調剤報酬であり、加算ではないため、介護保険(居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費)を算定している患者に対しても算定できます。
算定条件
薬剤服用歴等又は患者・患者家族等からの情報等に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
- 複数項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。
残薬調整に係るもの以外の場合
次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
(イ)
併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
(ロ)
併用薬、飲食物等との相互作用
(ハ)
そのほか薬学的観点から必要と認める事項(アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合や薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合等)
残薬調整に係るものの場合
残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
薬剤服用歴等への記載
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を記載する。
在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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