2022年度(令和4年度)調剤報酬改定に準拠
退院時共同指導料
公開日2023/07/05
最終更新日
本ページの内容は、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定の内容に基づいています。
最新の情報は、目次にある「他年度の改定内容」からご参照ください。
退院時共同指導料の点数
- 退院時共同指導料
- 600点
算定要件の要約
背景
- 退院時における円滑な情報共有や支援の評価の一環として、2008年度改定で新設された。
- 入院中の患者の退院時における円滑な情報共有を進めるため、入院中の医療機関の医師と、地域での在宅療養を担う医師や患者に対する診療等を行う医療関係職種の者が共同して指導を行った場合に算定できる項目である。
- 2022年度改定では、他職種連携の重要性が見直され、算定要件上の職種が拡大し、医師、看護師等のみだったところから、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士もしくは社会福祉士も加わった。
- さらに昨今のデジタル活用の推進も加味され、それまで医療資源が少ない地域でのみ算定対象だったが、撤廃され、オンラインでの実施も算定対象に広がった。退院時共同指導料は訪問参加が算定要件であったため、薬局から離席することが困難な場合は算定が難しかったが、オンライン対応が解禁されたことで算定ハードルは下がった。
要点
- 保険医療機関に入院中の患者に対して、退院後の訪問薬剤管理指導を担う薬剤師が患者の同意を得て、入院中の医療機関の医師、在宅療養医、患者に対する診療等を行う医療関係職種の者と共同して指導を行った場合算定可能である。
- 薬剤師は患者の入院医療機関での訪問指導の他、オンラインによる指導も可能である。
- 患者に対して、指導内容についての情報を文書提供する必要がある。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
当該入院中1回に限り算定する。
- 別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、当該入院中2回に限り算定できる。
別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者
1.
末期の悪性腫瘍の患者(在宅がん医療総合診療料を算定している患者を除く。)
2.
①であって、②又は③の状態である患者
①
以下のいずれかを受けている。
- 在宅自己腹膜灌流指導管理
- 在宅血液透析指導管理
- 在宅酸素療法指導管理
- 在宅中心静脈栄養法指導管理
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
- 在宅人工呼吸指導管理
- 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
- 在宅自己疼痛管理指導管理
- 在宅肺高血圧症患者指導管理
- 在宅気管切開患者指導管理
②
ドレーンチューブ又は留置カテーテルを使用している状態
③
人工肛門又は人工膀胱を設置している状態
3.
在宅での療養を行っている患者であって、高度な指導管理を必要とするもの
- 上記「2.」の①に挙げる指導管理をいずれか2つ以上受けている状態のことを指す。
算定対象患者
保険医療機関に入院中の患者に対して算定可能である。
- 入院の定義については、医科点数表の第1章第2部通則5を参照。
算定対象外の患者
以下に挙げる患者に対しては算定できない。
- 退院後に他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院・入所する患者
- 死亡退院した患者
算定条件
1.
退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が指導を行う。
2.
原則として患者の入院保険医療機関に赴き、患者の同意を得る。
3.
入院保険医療機関の保険医又は看護師等、薬剤師、管理栄養師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士もしくは社会福祉士と共同して、在宅での療養に必要な薬剤に関する説明・指導を行う。
- 患者本人だけではなく、患者の家族等、退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる。
4.
患者に対して、指導内容について文書により情報提供する。
共同指導へのオンライン参加について
- 薬剤師が、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能。
- 患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。
- 保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
薬剤服用歴等への記載事項等
- 入院保険医療機関において当該患者に対して行った服薬指導等の要点を記載する。
- 患者又はその家族等に提供した文書の写しを薬剤服用歴等に添付する。
退院時共同指導料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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