2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠

在宅薬学総合体制加算

公開日2026/05/28

最終更新日

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在宅薬学総合体制加算の点数

本加算は、調剤報酬点数表の調剤基本料「注12」(加算1)及び「注13」(加算2)に規定される。令和8年度改定では、加算1の点数が引上げられるとともに、加算2について個人宅への在宅訪問時の評価が新設された。

区分改定前(令和6年度)改定後(令和8年度)主な変更点
在宅薬学総合体制加算115点30点+15点(倍増)
在宅薬学総合体制加算2 イ(個人宅)50点(イ、ロ区分なし)100点個人宅(単一建物1人)を新区分として分離し増点
在宅薬学総合体制加算2 ロ(施設等)50点(イ、ロ区分なし)50点イ以外の場合。点数は変更なし

令和8年度改定の重要変更点:在宅薬学総合体制加算2について、単一建物診療患者が1人又は単一建物居住者が1人の場合(個人宅への在宅訪問時)の評価として100点のイが新設された。施設等への訪問(イ以外)は従来どおり50点のロを算定する。個人宅への訪問は施設訪問と比較して移動時間・対応の個別性が高いことを踏まえた評価の充実である。

算定上の注意点

  • 特別調剤基本料Aを算定している保険薬局においては、所定点数の100分の10に相当する点数を算定する(加算1:30点→3点、加算2イ:100点→10点、加算2ロ:50点→5点)。
  • 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
  • 在宅協力薬局が処方箋を受け付けて、訪問薬剤管理指導又は居宅療養管理指導を行った場合は、当該加算を届け出ている在宅協力薬局に限り算定できる。

当該加算の対象となる点数区分

算定対象患者

以下の処方箋を受け付けて調剤を行った場合に算定できる。

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定している患者
  • 在宅患者緊急時等共同指導料を算定している患者
  • 介護保険における居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者

算定要件の要約

背景

在宅医療の需要が高まる中、在宅患者に対する薬学的管理及び指導を行う体制を有する薬局を適切に評価し、在宅訪問業務の充実を図ることが本加算の目的である。

令和8年度改定では、在宅訪問を十分に行うための体制を整備する薬局を実績に基づきより高く評価するとともに、個人宅への訪問に対する評価を新設した。

要点

  • 在宅薬学総合体制加算1(30点)は、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出をしており、直近1年間に48回以上の在宅業務の実績を有するなど、必要な体制が整備されている薬局が対象。
  • 在宅薬学総合体制加算2(イ:100点 / ロ:50点)は、加算1の要件に加え、高度な薬学的管理及び指導に係る十分な実績(個人宅への訪問実績240回以上かつ在宅全体に占める割合2割以上、又は480回以上かつ1割以上)を有し、常勤換算で3名以上の薬剤師が勤務している等、より高い体制を有する薬局が対象。

算定要件の詳細

施設基準

在宅薬学総合体制加算1の施設基準

  1. (1)

    地方厚生(支)局長に対して在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っている保険薬局であること。

  2. (2)

    直近1年間に、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費(情報通信機器を用いるものを除く。)及び介護予防居宅療養管理指導費(情報通信機器を用いるものを除く。)についての算定回数の合計が48回以上であること。在宅協力薬局として連携した場合(同一グループ薬局に対して業務を実施した場合を除く。)及び同等の業務を行った場合を含む。

  3. (3)

    緊急時等の開局時間以外の時間における在宅業務に対応できる体制が整備されていること。在宅協力薬局の保険薬剤師と連携して対応する方法を講じている場合も含む。

  4. (4)

    地域の行政機関、保険医療機関、訪問看護ステーション及び福祉関係者等に対して、急変時等の開局時間外における在宅業務に対応できる体制に係る周知を自局及び同一グループで十分に行っていること。また、地域の行政機関又は薬剤師会等を通じて十分に周知していること。

  5. (5)

    在宅業務の質の向上のため、研修実施計画を作成し、在宅業務に関する研修を実施するとともに、定期的に外部の学術研修を受けさせていること。認知症、緩和医療、意思決定支援等に関する事項が含まれていることが望ましい。

  6. (6)

    医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。また、患者に在宅患者訪問薬剤管理指導を行っている保険薬局に対し保険医療機関から衛生材料の提供を指示された場合は、原則として衛生材料を当該患者に供給すること。なお、当該衛生材料の費用は、当該保険医療機関に請求することとし、その価格は保険薬局の購入価格を踏まえ、保険医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。

  7. (7)

    麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。

  8. (8)

    服薬管理指導料の「注1」に規定する服薬管理指導(かかりつけ薬剤師が行う服薬管理指導)を行う旨の届出を行っていること。

在宅薬学総合体制加算2の施設基準

  1. (1)

    加算1の基準を全て満たすこと。

  2. (2)

    次のア又はイのいずれかを満たすこと(個人宅への訪問実績要件)。

    • 直近1年間における在宅患者訪問薬剤管理指導料の1、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、単一建物居住者が1人の場合の居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも情報通信機器を用いるものを除く。)の算定回数の合計が240回以上であり、かつ直近1年間における在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費の算定回数(いずれも情報通信機器を用いた場合を除く。)の合計に占める割合が2割を超えること。在宅協力薬局として連携した場合(同一グループ薬局に対して業務を実施した場合を除く。)及び同等の業務を行った場合を含む。
    • 上記アと同様の算定回数の合計が480回以上であり、かつ同様の在宅訪問全体の算定回数(情報通信機器を用いた場合を除く。)に占める割合が1割を超えること。
  3. (3)

    次のア、イ又はウのいずれかを満たすこと(高度な在宅業務の実績要件)。

    • 直近1年間における在宅業務に係る麻薬管理指導加算(在宅患者訪問薬剤管理指導料の注3、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注2及び在宅患者緊急時等共同指導料の注2に規定する加算)、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算(在宅患者訪問薬剤管理指導料の注4、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料の注3及び在宅患者緊急時等共同指導料の注3に規定する加算)、居宅療養管理指導費の注3及び注7に規定する加算並びに介護予防居宅療養管理指導費の注3及び注7に規定する加算の算定回数の合計が10回以上(外来で算定する服薬管理指導料の麻薬管理指導加算は含まない。)
    • 直近1年間における無菌製剤処理加算の算定回数が1回以上
    • 直近1年間における小児在宅患者に対する乳幼児加算及び小児特定加算の算定回数の合計が6回以上
  4. (4)

    常勤換算で3名以上の保険薬剤師が勤務していること。また、原則として開局時間中は2名以上の薬剤師が保険薬局に常駐し、常態として調剤応需及び在宅患者の急変等に対応可能な体制をとっていること。

  5. (5)

    医薬品医療機器等法第39条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。

届出に関する事項

  • 届出様式様式87の3の5
  • 実績の判定:施設基準に適合するとの届出をした後は、加算1の(2)、加算2の(2)及び(3)については、前年5月1日から当年4月末日までの実績により判定し、当年6月1日から翌年5月末日まで所定点数を算定できる。

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在宅薬学総合体制加算についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 医師プラットフォームメディア推進部 ドクターエンゲージメントグループ 薬剤師

薬剤師としての実務経験を活かし、かかりつけ薬局アプリ「kakari」の企画/開発を担う。現在は、専門医のための臨床研鑽アプリ「ClinPeer」の普及拡大ならびにコンテンツ企画を担当。各領域の専門医と協力し、集合知を形成することで最新医療が臨床に適用されていくサイクル(プラクティスチェンジ)を促進し、医療への貢献に邁進している。その他、埼玉県薬剤師会青年部部会長や保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

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