2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
無菌製剤処理加算
公開日2024/05/30
最終更新日
無菌製剤処理加算の点数
- 中心静脈栄養法用輸液
- 69点(6歳未満 137点)
- 抗悪性腫瘍剤
- 79点(6歳未満 147点)
- 麻薬
- 69点(6歳未満 137点)
関連項目
算定要件の要約
背景
- 超高齢社会において在宅医療は浸透してきている。在宅療養中の患者は無菌調剤を必要とする場合も多く、評価が見直されてきた。
- 在宅医療の進展に伴い、医療用麻薬の調製において希釈せずに使用する症例が増加している。これに伴い2024年度改定では、希釈せずに調製していた例(原液調製)においても算定できるように要件の対象範囲が拡大された。
要点
- 無菌室、クリーンベンチ、安全キャビネット等の無菌環境下で、無菌化した器具を使用し、無菌製剤処理(注1)を行うこと。
- 次に示す注射薬を無菌的に製剤した場合に、1日分製剤するごとに加算を行う。
- 2以上の注射薬を混合して中心静脈栄養法用輸液を無菌的に製剤する場合
- 抗悪性腫瘍剤を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)抗悪性腫瘍剤を無菌的に製剤する場合
- 麻薬を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)無菌的に麻薬を製剤する場合
- 麻薬の注射薬を無菌的に充填し製剤する場合
- 無菌製剤処理を行うための無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネットを備えているなどの施設基準の届出が必要である。他薬局の無菌調剤室を共同利用することも可能だが、他薬局のクリーンベンチ、安全キャビネットの共同利用は認められない。

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算定要件の詳細
施設基準
体制要件
- 薬局であること。
- 2名以上の保険薬剤師(うち1名以上が常勤の保険薬剤師)がいること。
- 無菌製剤処理を行うための無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネットを備えていること。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和 36 年厚生省令第1号)第11条の8第1項のただし書の規定に基づき無菌調剤室(薬局に設置された高度な無菌製剤処理を行うことができる作業室をいう。)を共同利用する場合は、この限りでない。
- 無菌製剤処理を行うための必要な体制が整備されていること。
届出に関する事項
届出に際して以下の要件を満たす必要がある。
- 様式88を用いること。
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
1日分製剤するごとに1回算定可能である。
同一日の使用のために製剤した場合、組み合わせて1つの注射剤として製剤した場合は、主たるものの所定点数のみ算定するものとする。
算定条件
- 次に示す注射薬を無菌的に製剤した場合に、1日分製剤するごとにそれぞれ次に示す点数を所定点数に加算する。
- 2以上の注射薬を混合して中心静脈栄養法用輸液を無菌的に製剤する場合
- 抗悪性腫瘍剤を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)抗悪性腫瘍剤を無菌的に製剤する場合
- 麻薬を含む2以上の注射薬を混合して(生理食塩水等で希釈する場合を含む。)無菌的に麻薬を製剤する場合
- 麻薬の注射薬を無菌的に充填し製剤する場合
- 抗悪性腫瘍剤として無菌製剤処理加算の対象になる薬剤は、悪性腫瘍等に対して用いる細胞毒性を有する注射剤として独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)第4条第6項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が指定した医薬品(医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品等(平成16年厚生労働省告示第185号)に掲げる医薬品等)をいう。
- 無菌製剤処理を伴わない調剤であって、患者が施用時に混合するものについては、無菌製剤処理加算は算定できない。
- 無菌調剤室を共同利用する場合に当たっては、「薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(平成24年8月22日薬食発0822第2号)を遵守し適正に実施すること。なお、この場合の費用については両者の合議とする。
注釈
注1 「無菌製剤処理」とは
無菌室・クリーンベンチ・安全キャビネット等の無菌環境の中で、無菌化した器具を使用し、無菌的な製剤を行うこと
無菌製剤処理加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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