2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
外来服薬支援料1
公開日2024/05/30
最終更新日
外来服薬支援料1の点数
- 外来服薬支援料1
- 185点
算定上の注意点
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。
- 他の保険医療機関又は保険薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている患者についても算定不可である。
- 外来服薬支援料2は併算定不可である。
- 特別調剤基本料を算定している場合は一部を除き、算定不可能である。
A:
情報提供先が特別な関係を有する医療機関である場合は算定不可能
つまり敷地内薬局→敷地内医療機関への情報提供の場合は不可能
B:
いずれの場合においても算定不可能
関連項目
算定要件の要約
背景
- 患者への適切な服薬支援を行うために、持参薬の一包化や服薬カレンダーによる整理を行うことで算定できる処方箋調剤に依らない点数項目である。
- 服薬において自己管理が難しい患者においては、残薬が発生する事例が取り上げられ、持参してもらうことで残薬解消を推進したブラウンバック運動の取り組みが評価され、2016年度改定より持参薬の整理においても当該点数の算定対象となった。
要点
- 要否の判断は薬剤師が行うが、算定にあたっては処方医に必要性の了解を得るか、服薬管理の結果を処方医に情報提供しなければならない点に注意する。
- 単に服薬指導を行っただけでは算定できず、一包化(注1)や服薬カレンダー等の活用により薬剤を整理し、日々の服薬管理が容易になるよう支援する必要がある。
- 在宅患者(医療保険、介護保険ともに)の場合は、在宅関連の点数項目にこれらの支援が含まれているため、算定できない点に注意する。
- 他の調剤報酬や加算は処方箋調剤が前提であるが、外来服薬支援料1はその薬局でその患者の処方箋調剤をしている必要はない。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
月1回に限り算定可能である。
算定対象患者
自己による服薬管理が困難な外来患者
算定条件
外来服薬支援料1を算定できるのは、「処方医の了解を得た上で行う服薬支援の場合」と、「服薬支援後に処方医に情報提供を行う場合」である。
処方医の了解を得た上で服薬管理を支援した場合
①
自己による服薬管理が困難な患者もしくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、
②
患者が服薬中の薬剤について、処方医に当該薬剤の治療上の必要性と服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、
③
患者の服薬管理を支援した場合が該当する。
以下のことを行う必要がある。
- 患者が他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤を服用していないか確認し、それらの薬剤も含めて一包化や服薬カレンダー等の活用により整理する。
- 他の保険薬局や保険医療機関で調剤・処方された薬剤の重複投薬、相互作用等の有無を確認し、処方医に必要な照会を行い、適切な措置を講じる。
- 結果として、他の保険薬局で調剤された薬剤又は保険医療機関で院内投薬された薬剤のみについて服薬支援を行うこととなった場合(当該保険薬局で調剤を受けていない患者が持参した、他の保険薬局で調剤された薬剤や保険医療機関で院内投薬された薬剤について服薬支援を行う場合を含む。)でも算定できる。
患者が持参した服用薬の服薬管理を支援し、処方医に情報提供をした場合
①
自己による服薬管理が困難な患者もしくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、
②
患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、
③
その結果を保険医療機関に情報提供した場合
患者又はその家族等に対して、保険薬局へ服用中の薬剤等を持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋等を提供し、患者等が薬剤等を持参することで服薬管理を行う取組(いわゆるブラウンバッグ運動)を周知しておく。
算定要件である服薬管理の支援(= 服薬支援)とは
服薬中の薬剤について、治療上の必要性と服薬管理に係る支援の必要性を判断した上で、一包化や服薬カレンダー等の活用により薬剤を整理し、日々の服薬管理が容易になるよう支援すること。
また、当該支援が必要となった背景、理由等を分析し薬学的管理を実施するとともに、同様の支援が今後必要とならないように努めること。
- 単に服薬指導を行っただけでは算定できない。
- 薬剤の一包化を行った場合でも、調剤技術料は算定不可である。
「服薬中の薬剤」に関する服薬支援を評価している点数であることに注意してください。新たに受け付けた処方箋の薬剤に関して服薬支援を行なった場合は算定できません。
患家を訪問した場合
保険薬剤師が患者を訪問して服用薬の整理等を行った場合でも算定できる。
- 訪問に要した交通費(実費)は患家の負担とする。
薬剤服用歴等への記載
- 服薬支援に係る薬剤の処方医の了解を得た旨又は情報提供した内容
- 当該薬剤の名称
- 服薬支援の内容及び理由
留意点
薬剤の一包化による服薬支援の目的は、薬剤の飲み忘れや飲み誤りの防止と、心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者への配慮である。
そのため、治療上の必要性が認められる場合に行うものである点に留意する。
注釈
注1 「一包化」とは
以下の内服用固形剤が処方されている時に、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。
- 服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤
- 1剤であっても3種類以上の内服用固形剤
外来服薬支援料1についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
お問い合わせについてのご案内
当サイトでは調剤報酬に関する直接のお問い合わせには対応しておりません。調剤報酬算定に関する詳細な情報や具体的な質問については、厚生労働省またはお近くの地方厚生局に直接お問い合わせいただくようお願い申し上げます。
免責事項:当サイトに掲載されている情報の正確性には万全を期しておりますが、解釈に幅があるもの、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性がございます。利用者が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について、当社は責任を負いません。