2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
地域支援・医薬品供給対応体制加算
公開日2026/05/28
最終更新日
地域支援・医薬品供給対応体制加算の点数
令和8年度改定において、従来の地域支援体制加算(地域におけるかかりつけ機能の評価)と後発医薬品調剤体制加算(後発医薬品の使用割合に応じた評価)を統合し、地域支援・医薬品供給対応体制加算として再編された。後発医薬品調剤体制加算は廃止され、後発医薬品の使用割合(85%以上)は本加算の基礎要件に組み込まれている。
| 区分 | 対象薬局 | 点数 |
|---|---|---|
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算1【新設】 | 全区分共通(医薬品安定供給の体制のみ) | 27点 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算2 | 調剤基本料1の薬局 | 59点 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算3 | 調剤基本料1の薬局 | 67点 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算4 | 調剤基本料1以外の薬局 | 37点 |
| 地域支援・医薬品供給対応体制加算5 | 調剤基本料1以外の薬局 | 59点 |
減算となるケース
- 特別調剤基本料Aを算定している薬局では、所定点数を100分の10にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
- 特別調剤基本料Bを算定している薬局は算定できない。
関連項目
算定要件の要約
背景
令和8年度改定では、後発医薬品の使用が定着しつつある一方で医薬品の供給不安により追加的な業務が生じている状況を踏まえ、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算を統合し、地域支援・医薬品供給対応体制加算として再編された。そのポイントは以下の通りである。
- 後発医薬品調剤体制加算(旧21点/28点/30点)を廃止し、後発医薬品の使用割合(85%以上)は本加算の基礎要件に組み込まれた。
- 加算1(27点)を新設し、医薬品の安定供給に資する体制(後発医薬品の調剤割合85%以上、他薬局への分譲実績、計画的な調達・在庫管理等)のみを独立して評価する区分が設けられた。これにより、調剤基本料の区分にかかわらず全ての薬局が算定可能な入口が用意された。
- 加算2~5は、従来の地域支援体制加算1~4の地域医療貢献に係る要件(実績要件+体制要件)に加え、加算1の要件(医薬品安定供給に資する要件)を重ねて満たすことが求められる二層構造となった。
- 実績要件の項目も一部変更されている。旧「重複投薬・相互作用等防止加算」が「調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算」に、旧「かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料」が「服薬管理指導料1のイ及び2のイ(かかりつけ薬剤師)」に、それぞれ変更された。旧「服用薬剤調整支援料」は実績要件の項目から廃止された。また、旧制度では体制要件として求められていた在宅薬剤管理の実績(単一建物診療患者が1人の場合)が、実績要件⑥として組み込まれた。
- 体制要件では、調剤室面積16㎡以上(令和8年6月以降に開設・改築・増築する場合のみ)、セルフメディケーション関連機器の設置(少なくとも3つ)、薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを提供していないこと等が追加された。
要点
加算の構造は以下の通りである。
| 新区分 | 対象薬局 | 実績要件(①~⑨) | 医薬品安定供給要件(加算1) | 旧制度との対応 |
|---|---|---|---|---|
| 加算1(27点)【新設】 | 全区分共通 | — | ○ | 新設(旧 後発医薬品調剤体制加算の機能を包含) |
| 加算2(59点) | 調剤基本料1 | ④を含む3項目以上 | ○ | 旧 地域支援体制加算1(32点)+加算1の要件 |
| 加算3(67点) | 調剤基本料1 | 7項目以上 | ○ | 旧 地域支援体制加算2(40点)+加算1の要件 |
| 加算4(37点) | 調剤基本料1以外 | ④⑥を含む3項目以上 | ○ | 旧 地域支援体制加算3(10点)+加算1の要件 |
| 加算5(59点) | 調剤基本料1以外 | 7項目以上 | ○ | 旧 地域支援体制加算4(32点)+加算1の要件 |
算定要件の詳細
施設基準
実績要件
地域支援・医薬品供給対応体制加算1の施設基準(医薬品安定供給に資する要件)と、加算2~5ごとに定められた実績要件、ならびに全区分共通の体制要件を満たすこと。
地域支援・医薬品供給対応体制加算1の施設基準【新設】
以下の全てを満たすこと。
イ 後発医薬品の調剤割合
当該保険薬局において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が85%以上であること。
【経過措置】令和8年3月31日において現に後発医薬品調剤体制加算1、2又は3に係る届出を行っている保険薬局については、令和9年5月31日までの間に限り、本要件(イ)に該当するものとみなす。
ロ 地域における医薬品の安定供給を確保するために必要な体制
1.
医薬品の安定供給に向けた計画的な調達や在庫管理を行うこと。
2.
他の保険薬局に医薬品を分譲した実績(同一グループは含めない)があること。
- 分譲に係る伝票、医療用医薬品の譲渡書又は別紙様式4-1を用いて行い、分譲後2年間保存すること。
3.
医薬品供給不安等により、迅速な医薬品入手が困難な場合は、入手可能な保険薬局を探し、在庫を確認の上、患者を紹介する、又は処方医に処方変更の可否を照会する等適切な対応をすること。
- 患者を他の保険薬局に案内する場合は、別紙様式4-2を用いること。受け取った保険薬局は2年間これを保存すること。
4.
重要供給確保医薬品のうち内用薬及び外用薬であるものは1ヶ月程度の備蓄をするよう努めること。
5.
原則として、単品単価交渉の実施をしていること。
6.
卸売販売業者への頻回配送・休日夜間配送・急配に係る過度な依頼を慎むこと。
7.
温度管理を要する医薬品や在庫調整を目的とした卸売販売業者への医薬品の返品は慎むこと。
8.
地域の保険医療機関や保険薬局、医療関係団体と連携し、取り扱う医薬品の品目についての情報共有や、事前の取り決めを行っておくことが望ましい。
地域支援・医薬品供給対応体制加算2の実績要件
- 調剤基本料1を算定していること
- 加算1の施設基準を満たすこと
- 以下の①~⑨の実績要件のうち、④を含む3項目以上を満たすこと
地域支援・医薬品供給対応体制加算3の実績要件
- 調剤基本料1を算定していること
- 加算1の施設基準を満たすこと
- 以下の①~⑨の実績要件のうち、7項目以上を満たすこと
地域支援・医薬品供給対応体制加算4の実績要件
- 調剤基本料1以外(特別調剤基本料Bを除く)を算定していること
- 加算1の施設基準を満たすこと
- 以下の①~⑨の実績要件のうち、④及び⑥を含む3項目以上を満たすこと
地域支援・医薬品供給対応体制加算5の実績要件
- 調剤基本料1以外(特別調剤基本料Bを除く)を算定していること
- 加算1の施設基準を満たすこと
- 以下の①~⑨の実績要件のうち、7項目以上を満たすこと
実績要件の詳細(加算2~5共通の項目)
①~⑧は当該保険薬局における直近1年間の処方箋受付回数1万回当たりの年間回数。⑨は当該保険薬局当たりの直近1年間の実績。
| No. | 要件 | 調剤基本料1の薬局(加算2・3) | 調剤基本料1以外の薬局(加算4・5) |
|---|---|---|---|
| ① | 夜間・休日等の対応実績(時間外等加算及び夜間・休日等加算の算定回数の合計) | 40回以上 | 400回以上 |
| ② | 麻薬の調剤実績(麻薬等加算で、麻薬を調剤した場合に加算される点数の算定回数) | 1回以上 | 10回以上 |
| ③ | 調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算の算定実績(旧:重複投薬・相互作用等防止加算) | 20回以上 | 40回以上 |
| ④ | 服薬管理指導料1のイ及び2のイ(かかりつけ薬剤師)の算定実績(旧:かかりつけ薬剤師指導料及び包括管理料) | 20回以上 | 40回以上 |
| ⑤ | 外来服薬支援料1の実績 | 1回以上 | 12回以上 |
| ⑥ | 単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績※在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費の算定回数を合計(オンラインの場合を除く) | 24回以上 | 24回以上 |
| ⑦ | 服薬情報等提供料に相当する実績(併算定不可となっているもので相当する業務を行った場合を含む) | 30回以上 | 60回以上 |
| ⑧ | 小児特定加算の算定実績 | 1回以上 | 1回以上 |
| ⑨ | 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議への出席 | 1回以上 | 5回以上 |
体制要件
加算2~5共通の体制要件
以下の全てを満たすこと。(加算1は医薬品安定供給に係る要件のみで算定可能であり、下記の体制要件は加算2~5に適用される。)
(1) 地域における医薬品等の供給拠点としての対応
1.
保険調剤に係る医薬品として1,200品目以上の医薬品を備蓄していること。また、当該備蓄品目について地域の保険医療機関及び保険薬局に周知していること。
2.
薬局間連携による医薬品の融通等を行っていること。地域の保険医療機関又は保険薬局(同一グループの保険薬局を除く)に対して在庫状況の共有、医薬品の融通を行うこと。
3.
医療材料及び衛生材料を供給できる体制を有していること。
4.
麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得していること。
5.
当該保険薬局において取り扱う医薬品について、一般名、剤形、規格、製剤の特徴、緊急安全性情報、安全性速報、医薬品・医療機器等安全性情報、回収情報等を随時提供できる体制を有していること。
6.
調剤室の面積が16平方メートル以上確保されていること。(令和8年6月以降に開設・改築・増築する場合のみ適用)
(2) 休日、夜間を含む薬局における調剤・相談応需体制
1.
平日は1日8時間以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ週45時間以上開局していること。
2.
休日、夜間を含む開局時間外であっても自局もしくは連携薬局により調剤及び在宅業務に対応できる体制を整備していること。地域医療の確保の観点から、救急医療対策の一環として設けられている輪番制に参加している場合も含まれる。
3.
当該薬局を利用する患者やその家族等からの相談等に対応できる体制を整備していること。夜間・休日を含む時間帯での対応体制、患者への連絡先等の文書交付、外側への連絡先掲示等を行うこと。
4.
夜間・休日の調剤、在宅対応体制(地域の輪番体制含む)について、地域の行政機関、保険医療機関、訪問看護ステーション、福祉関係者等に対して周知していること。
(3) 在宅医療を行うための関係者との連携体制等の対応
1.
在宅療養の支援に係る診療所又は病院及び訪問看護ステーションとの円滑な連携を行っていること。
2.
介護支援専門員(ケアマネジャー)、社会福祉士等の他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者との連携体制を有していること。
3.
在宅患者に対する薬学的管理・指導の実績が直近1年間で24回以上であること。(薬局当たりの年間回数。オンラインの場合を除く。在宅協力薬局として連携した場合も含む。)
4.
在宅患者訪問薬剤管理指導を行う届出を行い、体制を整備していること。在宅に係る研修を実施していること。
(4) 医療安全に関する取組の実施
1.
PMDAメディナビへの登録・情報収集を行い、保険薬剤師に周知していること。
2.
プレアボイド事例の把握・収集に関する取組を「有」として直近1年以内に都道府県に報告していること。
3.
副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること。
(5) かかりつけ薬剤師に係る届出
- 服薬管理指導料の注1に規定する服薬管理指導(かかりつけ薬剤師が行う服薬管理指導)を行う旨の届出を行っていること。
(6) 患者毎の服薬指導の実施、薬剤服用歴の作成
- 患者ごとに薬剤服用歴等を作成し、調剤に際して必要な薬学的管理を行い、調剤の都度必要事項を記入し、当該記録に基づく指導を行っていること。
(7) 管理薬剤師要件
- 管理薬剤師は以下の基準を満たすこと。
- 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験があること。
- 当該保険薬局に週31時間以上勤務していること。
- 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。
(8) 研修計画の作成と研修の実施
- 調剤従事者等の資質の向上を目的とした定期的な研修計画の作成と研修の実施。薬学的管理指導・医薬品の安全・医療保険等に関する外部の学術研修への参加。
- 保険薬剤師に対して、研修認定の取得、学会等への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。
(9) 患者のプライバシーへの配慮
- パーテーション等で区切られた独立したカウンター又は個室を設け、患者のプライバシーに配慮していること。
- 高齢者に配慮し、椅子に座った状態で服薬指導を受けられる体制を確保していること。
(10) 地域医療に関連する取組の実施
1.
要指導医薬品及び一般用医薬品を販売していること。品目の選定にあたっては、健康増進支援薬局の届出要件とされている48薬効群を参考に、購入者が症状等に応じて必要な医薬品を選択できるよう、様々な種類の医薬品を取り扱うこと。
2.
栄養・食生活、運動、休養、喫煙等の生活習慣全般に係る健康相談の実施。
3.
緊急避妊薬の調剤又は販売を含む女性の健康に係る対応を行う体制を整備していること。
4.
当該保険薬局の敷地内における禁煙の取扱い。
5.
たばこの販売禁止(併設する医薬品店舗販売業の店舗を含む)。
6.
セルフメディケーション関連機器の設置(少なくとも3つ)。以下から選択する。
- ①体重計 ②体温計 ③血圧測定器 ④体組成計(体脂肪率、BMI等を含むもの) ⑤血中酸素飽和度測定器(パルスオキシメータ) ⑥握力計 ⑦骨密度測定器
7.
薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを提供していないこと。
届出に関する事項
地域支援・医薬品供給対応体制加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 医師プラットフォームメディア推進部 ドクターエンゲージメントグループ 薬剤師
薬剤師としての実務経験を活かし、かかりつけ薬局アプリ「kakari」の企画/開発を担う。現在は、専門医のための臨床研鑽アプリ「ClinPeer」の普及拡大ならびにコンテンツ企画を担当。各領域の専門医と協力し、集合知を形成することで最新医療が臨床に適用されていくサイクル(プラクティスチェンジ)を促進し、医療への貢献に邁進している。その他、埼玉県薬剤師会青年部部会長や保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
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