2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠

後発医薬品調剤体制加算・減算

公開日2024/05/30

最終更新日

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後発医薬品調剤体制加算・減算の点数

後発医薬品調剤体制加算1
21点
後発医薬品調剤体制加算2
28点
後発医薬品調剤体制加算3
30点
減算
-5点

減算となるケース

特別調剤基本料を算定している薬局ではそれぞれの点数の100分の80に相当する点数を算定する。
特別調剤基本料Aを算定している薬局では後発医薬品調剤体制加算の所定点数を10/100にし、小数点以下第一位を四捨五入した点数を算定する。
特別調剤基本料Bを算定している薬局は算定できない。

関連項目

算定要件の要約

背景

  • 膨張する医療費の抑制の観点から後発医薬品の使用促進は薬局のみならず、医科も含めて医療業界全体の最重要課題のひとつである。
  • 更なる使用促進のため、使用率が高い薬局への点数が高まり、さらに使用が進んでいない薬局に対する減算措置の対象が拡大した。
  • この流れについては今後も加速する一方であると考えられ、後発医薬品の使用促進の中核を担う薬局は国民の理解を得るために継続努力が求められる。
  • 2024年度調剤報酬改定では、点数、調剤割合に変更は無かった。しかし、特別調剤基本料の薬局においては減算もしくは算定不可になるなど厳しい改定となった。

要点

  • 後発医薬品の調剤数量割合(= 後発品置換率)に応じた点数を「後発医薬品調剤体制加算」として算定できる。
  • 後発品置換率が低い薬局は調剤基本料から5点を減算しなければならない。ただし、以下の場合は除く。
    • 処方箋受付回数が1月に600回以下の場合
    • 直近1か月の処方箋の受付回数のうち先発医薬品の変更不可の記載がある処方箋の受付回数が50%以上の場合

補足

後発医薬品調剤体制加算・減算の算定における重要語句の説明

● 後発品置換率

「後発医薬品の調剤数量割合(= 後発品置換率)」は、後発医薬品のある先発医薬品と後発医薬品を合算した規格単位数量のうち、後発医薬品の規格単位数量の占める割合のこと

後発品置換率

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。

● カットオフ値

「カットオフ値」は、当該保険薬局において調剤した薬剤の規格単位数量うち、後発医薬品のある先発医薬品と後発医薬品を合算した規格単位数量の占める割合のこと

カットオフ値

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。

薬価基準に収載されている品目は約1万3千程度あります。
そのうち、新しい効能や効果を有し、臨床試験等によりその有効性や安全性が確認され、承認された医薬品を「先発医薬品」と呼び、先発医薬品の特許が切れた後に、先発医薬品と成分や規格等が同一で、治療学的に同等であるとして承認される医薬品を「後発医薬品」(= ジェネリック医薬品)と呼んでいます。

各先発医薬品の後発医薬品の有無は、薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年5月22日適用)(厚生労働省)をご参照ください。

後発医薬品調剤体制加算の算定要件の詳細

施設基準

実績要件

直近3月間の後発品置換率を翌月に判断し、同月内に必要な届出を行った上で、翌々月から当該加算の区分に基づく所定点数を算定可能である。

後発医薬品調剤体制加算1
  1. (1)

    後発品置換率が80%以上であること。

  2. (2)

    カットオフ値が50%以上であること。

  3. (3)

    後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨薬局の内側と外側の見えやすい場所に掲示すること。後発医薬品調剤体制加算を算定している旨薬局の内側の見やすい場所に掲示していること。

後発医薬品調剤体制加算2
  1. (1)

    後発品置換率が85%以上であること。

  2. (2)

    カットオフ値が50%以上であること。

  3. (3)

    後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨薬局の内側と外側の見えやすい場所に掲示すること。後発医薬品調剤体制加算を算定している旨薬局の内側の見やすい場所に掲示していること。

後発医薬品調剤体制加算3
  1. (1)

    後発品置換率が90%以上であること。

  2. (2)

    カットオフ値が50%以上であること。

  3. (3)

    後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨薬局の内側と外側の見えやすい場所に掲示すること。後発医薬品調剤体制加算を算定している旨薬局の内側の見やすい場所に掲示していること。

届出に関する事項

様式87を用いること。

後発医薬品減算の算定要件の詳細

施設基準

実績要件

直近3月間の後発品置換率を翌月判断し、同月内に必要な届出を行った上で、翌々月から調剤基本料を減算する。

次のいずれかに該当する場合調剤基本料の減算を行う。

  1. (1)

    後発品置換率が50%以下である。

  2. (2)

    後発品置換率について、毎年7月1日現在で届出書の記載事項について行う報告等を通じ、直近1年間に地方厚生(支)局長への報告していない。

    • 報告を行えば、報告を行った翌月より減算しなくて良い。

ただし、以下の場合は減算の対象外とする。

  • 処方箋受付回数が1月に600回以下の場合
  • 直近1か月の処方箋の受付回数のうち先発医薬品の変更不可の記載がある処方箋の受付回数が50%以上の場合。(処方箋受付回数は、調剤基本料の施設基準に定める処方箋受付回数に準じて取り扱う。)

補足

「後発医薬品の規格単位数量の割合を算出する際に除外する医薬品」について

後発品置換率やカットオフ値の計算に際して、「後発医薬品の規格単位数量」を算出する時に除外する医薬品は、以下のとおりである。

  1. ア 

    経腸成分栄養剤

    エレンタール配合内用剤、エレンタールP乳幼児用配合内用剤、エンシュア・リキッド、エンシュア・H、ツインラインNF配合経腸用液、ラコールNF配合経腸用液、エネーボ配合経腸用液、ラコールNF配合経腸用半固形剤及びイノラス配合経腸用液

  2. イ 

    特殊ミルク製剤

    フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」及びロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合散「雪印」

  3. ウ 

    生薬(薬効分類番号510)

  4. エ 

    漢方製剤(薬効分類番号520)

  5. オ 

    その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品(薬効分類番号590)

(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日

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後発医薬品調剤体制加算・減算についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

林 亜紀(はやし あき)

執筆者:林 亜紀(はやし あき)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM

救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。

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