2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
服薬情報等提供料2
公開日2026/05/28
最終更新日
服薬情報等提供料2の点数
| 区分 | 内容 | 令和6年度(改定前) | 令和8年度(改定後) | 主な変更点 |
|---|---|---|---|---|
| 服薬情報等提供料2のイ | 保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合 | 20点 | 20点 | 点数の変更なし |
| 服薬情報等提供料2のロ | リフィル処方箋による調剤後、処方医に必要な情報を文書により提供した場合 | 20点 | 20点 | 点数の変更なし |
| 服薬情報等提供料2のハ | 介護支援専門員に必要な情報を文書により提供した場合 | 20点 | 20点 | 点数の変更なし |
算定上の注意点
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料又は訪問薬剤管理医師同時指導料を算定している患者については、算定しない。
- 服薬情報等提供料1、2、3をそれぞれ同一月に1回算定することは可能だが、同一の情報を同一保険医療機関に対して提供した場合は算定できない。
- 特別調剤基本料を算定している場合は、以下の制限がある。
- 特別調剤基本料A:情報提供先が不動産取引等その他特別な関係を有する保険医療機関である場合は算定不可(つまり敷地内薬局→敷地内医療機関への情報提供の場合は不可)
- 特別調剤基本料B:いずれの場合においても算定不可
令和8年度改定における変更点:令和6年度までは「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」を算定している場合は服薬情報等提供料が包括されていたため算定できなかったが、令和8年度改定でこれらの点数は廃止され、服薬管理指導料に統合された。そのため、服薬管理指導料1のイ・2のイ(かかりつけ薬剤師が指導した場合)を算定している患者であっても、服薬情報等提供料2を別途算定できる。ただし、地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件のカウント上の取扱いについては同加算のページを参照のこと。
関連項目
算定要件の要約
背景
- いわゆる「トレーシングレポート」に係る業務が評価される点数項目であり、本行為は一連の調剤・薬学的管理の中で算定されるものであるという整理から2012年度改定で旧来の点数が統合され「服薬情報等提供料」として新設された。
- 以降、医療機関からの求めに応じての情報提供のみならず、薬剤師の必要性の判断での算定も可能になるなど、対人業務領域での薬剤師の職能発揮が期待される項目の一つである。
- 服薬情報等提供料は「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の実績要件にも組み込まれており、薬局に求められる機能として、処方箋調剤時のみならず日常への介入を評価する項目となっている。
- また、調剤報酬(健康保険法)のみならず、薬機法でも「地域連携薬局」の認定にはトレーシングレポートについての実績要件が求められており、薬剤師の対人業務の中核の一つと言える。
- 令和6年度改定において、多職種連携の推進のため、介護支援専門員やリフィル処方箋調剤に伴う医療機関への情報提供を評価すべく、服薬情報等提供料2の算定対象がイ・ロ・ハの3区分に拡大された。薬局のみにとどまらず、地域包括ケアシステムの推進に向けた地域との連携が今後も評価されていくことが窺える。
要点
- 服薬情報等提供料2は、保険薬剤師がその必要性を認めた場合に算定する点数であり、保険医療機関の求めが起点となる服薬情報等提供料1とは算定のトリガーが異なる。
- 情報提供先として保険医療機関(イ)、リフィル処方箋に係る処方医(ロ)、介護支援専門員(ハ)の3区分がある。
- 情報提供先として「患者又はその家族等」は含まれないため、患者からの電話相談に対応しただけでは算定できない。電話相談後に医療機関又は介護支援専門員に文書で情報提供した場合は算定可能である。
服薬情報等提供料1、2、3の比較は以下の通りである。
| 項目 | 服薬情報等提供料1 | 服薬情報等提供料2 | 服薬情報等提供料3 |
|---|---|---|---|
| 点数 | 30点 | 20点 | 50点 |
| 情報提供の契機 | 保険医療機関の求め | 保険薬剤師が必要性を認めた場合 | 入院前の患者に係る保険医療機関の求め |
| 情報提供先 | 保険医療機関 | イ:保険医療機関 ロ:処方医(リフィル処方箋調剤後) ハ:介護支援専門員 | 保険医療機関 |
| 算定回数 | 月1回 | 月1回 | 3月に1回 |
| 患者同意 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 持参薬の整理 | — | — | 必要に応じて実施 |
算定要件の詳細
施設基準
体制要件
特別調剤基本料を算定している場合は、以下の制限がある。
- 特別調剤基本料A:情報提供先が不動産取引等その他特別な関係を有する保険医療機関である場合は算定不可(つまり敷地内薬局→敷地内医療機関への情報提供の場合は不可)
- 特別調剤基本料B:いずれの場合においても算定不可
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
月1回に限り算定可能である。
ただし、介護支援専門員に対して服薬情報等を提供し服薬情報等提供料2のハを算定した場合であって、処方箋を発行した保険医療機関の医師又は歯科医師に対しても同様の服薬情報等の提供を行った場合には、服薬情報等提供料2のイを別に算定できる。この場合、情報提供の内容については相手方に応じたものとすること。
算定条件
算定にあたって、以下の条件を全て満たす必要がある。
(1) 保険薬剤師が情報提供の必要性を認めること
服薬情報等提供料2は「保険薬剤師がその必要性を認めた場合」に算定する。情報提供の理由として「患者や患者家族等の求め」は算定のトリガーとならない(令和6年度改定で削除された)。薬剤師による専門的判断が求められる。
(2) 患者又はその家族等の同意
患者の同意に関しては、「本人の同意」の考え方を参照のこと。
(3) 調剤後における患者の服用薬及び服薬状況の把握(フォローアップ)
薬剤の使用が適切に行われるよう、調剤後も当該患者の服用薬の情報等について把握すること。
(4) 保険医療機関又は介護支援専門員に対する文書による情報の提供
情報提供先に応じた区分で算定する。各区分の詳細は以下の通り。
各区分の詳細
服薬情報等提供料2のイ(保険医療機関への情報提供)
保険薬局の保険薬剤師が薬剤服用歴等に基づき患者の服薬に関する情報提供の必要性を認めた場合であって、患者の同意を得て、現に患者が受診している保険医療機関に対して、当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定する。
具体的には以下のケースが含まれる。
- 保険薬局において患者の服用薬の残薬、副作用の発現状況等を確認し、処方箋を発行した保険医療機関に対して情報提供を行った場合
- 現に歯科医療機関を受診している患者について、当該歯科医療機関に対して他の医療機関の処方に基づく当該患者の服用薬、服薬状況等の情報提供を行った場合
服薬情報等提供料2のロ(リフィル処方箋に基づく調剤後の情報提供)
保険薬局の保険薬剤師がリフィル処方箋に基づく調剤後、処方医に対して当該患者の服薬状況等について文書等により提供した場合に算定する。
服薬情報等提供料2のハ(介護支援専門員への情報提供)
保険薬局の保険薬剤師が薬剤服用歴等に基づき患者の服薬に関する情報提供の必要性を認め、以下の全てに該当する場合に算定する。
- 介護支援専門員が関与する要介護又は要支援認定を受けた患者であること
- 居宅療養管理指導を同一月に算定していないこと
- 患者の同意を得ていること
- 当該患者の介護支援専門員に対して、患者の服薬状況等を踏まえた薬学的な分析に基づき、特に必要な情報を文書等により提供すること
なお、介護支援専門員からの情報提供の求めがあった場合においても、保険薬局の保険薬剤師が情報提供の必要性を認めた上で要件を満たせば算定することができる。
情報提供の内容
保険医療機関に対する情報提供の内容は次のとおりとする。
- ア 当該患者の服用薬及び服薬状況
- イ 当該患者に対する服薬指導の要点
- ウ 服薬期間中の患者の状態の変化等、自覚症状がある場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
- エ 当該患者が容易に又は継続的に服用できるための技術工夫等の調剤情報
なお、エの「技術工夫等の調剤情報」については、処方箋の記入上の疑義照会等では算定できない。
残薬に係る情報提供に関しては、単に確認された残薬の状況を記載するだけではなく、その後の残薬が生じないために必要な内容を併せて記載するとともに、情報提供後の当該患者の服薬状況を継続して把握しておくこと。
情報提供書の様式
- 保険医療機関への情報提供:別紙様式1-1、別紙様式1-2又はこれに準ずる様式の文書等に必要事項を記載し、患者が現に診療を受けている保険医療機関に交付する。
- 介護支援専門員への情報提供:「多職種連携推進のための在宅患者訪問薬剤管理指導ガイド」(令和4年度・令和5年度厚生労働科学研究費補助金 長寿科学政策研究事業)別添の報告書様式及び薬学的評価シートを参考に、当該患者の生活様式を踏まえた薬学的分析を行い、介護支援専門員が理解しやすい表現で情報提供を実施すること。
留意点
服薬期間中の体調の変化等の患者の訴えや自覚症状がある場合
患者の自覚症状が薬剤の副作用によるものか否かに関する分析結果を踏まえて服薬指導し、当該分析及び指導の要点を情報提供する。また、患者に対する服薬指導は、当該分析結果を踏まえたものとする。患者の自覚症状の分析に当たっては、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とすることが望ましい。
併算定に関する留意事項
- 特定薬剤管理指導加算2及び吸入薬指導加算の算定時に行う保険医療機関への文書による情報提供については、服薬情報等提供料は算定できない。同様に、調剤後薬剤管理指導料の算定時の情報提供についても、服薬情報等提供料は別に算定できない。
- 処方箋を発行していない保険医療機関の医師又は歯科医師に対して服薬情報等の提供を行った場合は、必要に応じて処方箋を発行した医療機関の医師又は歯科医師に対して同様の服薬情報等を提供すること。この場合においては、当該保険医療機関の医師又は歯科医師ごとに月1回に限り算定できる。
地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件としての取扱い
服薬情報等提供料の算定回数は、地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件の一つに組み込まれている。加算2・3(調剤基本料1の薬局)では処方箋受付回数1万回当たり30回以上、加算4・5(調剤基本料1以外の薬局)では60回以上の実績が求められる。
なお、当該回数には、服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務を行った場合(特定薬剤管理指導加算2及び吸入薬指導加算(文書により情報提供した場合に限る)、調剤後薬剤管理指導料、服用薬剤調整支援料2)の回数も含めることができる。ただし、特別調剤基本料Aを算定している保険薬局において、不動産取引等その他特別な関係を有している保険医療機関へ情報提供を行った場合は除く。
補足
「本人の同意」の考え方
個人情報保護法により、個人情報の第三者への提供は「本人の同意」が原則義務付けられているため、服薬情報提供にあたっても患者の同意が必要となる。以下の場合に「本人の同意」があったものと考えることができる。
(1)
適切な医療サービスを提供する目的において個人情報の利用範囲を施設内への掲示している場合
患者側から特段明確な反対・留保の意思表示がない場合には、個人情報の利用について同意が得られているものと考えられる。
(2)
要配慮個人情報を書面又は口頭等により本人から適正に直接取得する場合
本人が情報を提供したことをもって、当該情報を取得することについて本人の同意があったものと解される。
服薬情報等提供料2についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:山田 輝(やまだ ひかる)
メドピア株式会社 医療機関支援プラットフォーム事業推進部 セールスグループ グループリーダー 薬剤師
6年制薬学部を卒業後、調剤現場を経験。「現場の外側から医療業界を支え、薬剤師の社会的地位向上に貢献したい」という考えからメドピア株式会社へ入社。入社当初より、「kakari」を通じて薬局運営に伴走。現在は病院向け予約システム「やくばと病院予約」を主軸に、医療アクセスの改善や医療機関の健全な経営支援に向き合っている。現場で培った薬剤師としての視点と感覚を糧に日々業務にあたっている。
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