2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
使用薬剤料
公開日2024/05/30
最終更新日
使用薬剤料の点数
算定上の注意点
特別調剤基本料を算定している薬局では、1処方につき7種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)の調剤を行った場合には、所定点数の90%に相当する点数により算定する。(※ 詳しくは後述の算定要件の詳細を参照)
算定要件の要約
背景
2024年度改定では、医療経済実態調査に基づく薬局の費用構造や損益率を踏まえ、いわゆる敷地内薬局での7種以上の内服薬多剤調剤時の薬剤料が減算されることとなった。
要点
使用薬剤料の算定は、内服薬、頓服薬、注射薬、外用薬、内服用滴剤のそれぞれについて以下の手順で行う。
①
所定単位ごとの薬価を点数に換算する。
②
所定単位ごとの点数に投与単位を掛ける。

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
「剤」の数え方については薬剤調製料のページで詳しく説明しています。ご参照ください。
算定要件の詳細
使用薬剤料の計算方法
①
所定単位ごとの薬価を点数に換算する。
保険診療で使用される薬剤の薬価は厚生労働省で定められており、薬価基準に収載されている。
(参考:薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和5年6月16日適用)厚生労働省)
調剤報酬の算定の際には、薬価基準の価格(円)をもとにして薬の代金(点数)を計算する必要がある。点数換算は以下のポイントをおさえて行う。
- 点数換算は「10円=1点」である。
- 「五捨五超入」という特殊な端数処理の方法が使われる。
注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
②
所定単位ごとの点数に投与単位を掛ける。
①で換算した点数に応じて、内服薬の場合は「1剤1日分の点数×日数分」、それ以外の場合は「1調剤分の点数×調剤数」で請求する点数を計算します。
注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
その他留意点
投薬時における薬剤の容器について
投薬時における薬剤の容器を交付する場合は、その実費を徴収できる。なお、患者に直接投薬する目的で製品化されている薬剤入りチューブ及び薬剤入り使い捨て容器のように再使用できない薬剤の容器については、患者に容器代金を負担させることはできない。
吸入器について
喘息治療剤の施用のため小型吸入器や、鼻腔・口腔内治療剤の施用のため噴霧・吸入用器具(散粉器)を交付した場合は、患者にその実費を負担させて差し支えない。患者が当該吸入器を返還した場合は当該実費を返還する。
薬品の紛失について
薬剤の持ち帰りの途中や、自宅において薬品を紛失したため、再交付された処方箋に基づいて、保険薬局が調剤した場合は、当該薬剤の費用は、被保険者の負担とする。
- 天災地変その他やむを得ない場合は除く。
内服用液剤について
内服用液剤を投与する際には常水(水道水、自然水)を使用するが、特に蒸留水を使用しなければならない理由があれば使用して差し支えない。
薬包紙、薬袋の費用
薬包紙、薬袋の費用は、別に徴収・請求することはできない。
多剤投与の場合の算定
処方につき7種類以上の内服薬の調剤を行なった場合、特別調剤基本料A/特別調剤基本料Bを算定している薬局では、所定点数の90%に相当する点数により算定する。
1回の処方箋受付のうち、内服薬(内服用滴剤を含む。以下、(イ)及び(ホ)について同じ。)についてのみ対象とする。この場合の「種類」については、次のように計算する。
(イ)
内服薬の種類に屯服薬は含めない。
(ロ)
錠剤、カプセル剤については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ハ)
散剤、顆粒剤、液剤、浸煎薬及び湯薬については、1銘柄ごとに1種類と計算する。
(ニ)
(ハ)の薬剤を混合して服薬できるよう調剤を行ったものについては、1種類とする。
(ホ)
複数の診療科を標榜する同一保険医療機関における異なる診療科の複数の保険医が発行する処方箋を同時に受け付けた場合は、内服薬の「種類」については、それぞれの処方箋の内服薬の「種類」を合計して計算する。
また、「所定点数」とは、1回の処方箋受付のうち、所定単位ごとの内服薬の薬剤料(単位薬剤料に調剤数量を乗じて得た点数)をいう。
使用薬剤料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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