2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費
公開日2026/05/28
最終更新日
目次
居宅療養管理指導費(注1)、介護予防居宅療養管理指導費(注2)の単位
居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費は、介護報酬に基づく点数項目であり、介護保険の被保険者(要介護認定又は要支援認定を受けた者)に対して薬剤師が訪問して薬学的管理指導を行った場合に算定する。調剤報酬(医療保険)ではなく介護報酬であるため、令和8年度診療報酬改定による直接的な単位数の変更はない。
なお、単位数は令和6年度(2024年度)介護報酬改定に基づくものであり、次回の介護報酬改定は令和9年度(2027年度)に予定されている。
医療機関(病院又は診療所)の薬剤師が行う場合
| 区分 | 単位数 |
|---|---|
| 単一建物居住者(注3)1人に対して行う場合 | 566単位 |
| 単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合 | 417単位 |
| 上記以外の場合 | 380単位 |
薬局の薬剤師が行う場合
| 区分 | 単位数 |
|---|---|
| 単一建物居住者1人に対して行う場合 | 518単位 |
| 単一建物居住者2人以上9人以下に対して行う場合 | 379単位 |
| 上記以外の場合 | 342単位 |
オンライン服薬指導(情報通信機器を用いた服薬指導)を行う場合
| 区分 | 単位数 |
|---|---|
| 情報通信機器を用いた場合 | 46単位 |
情報通信機器を用いた場合の単位数は、対面による場合とは異なり、単一建物居住者の人数にかかわらず一律46単位である。なお、オンライン服薬指導の場合は加算の算定はできない。
算定上の注意点
- 対面の場合は月4回に限り算定する。ただし、末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回に限り算定できる。
- 情報通信機器を用いた場合は、対面と合わせて月4回に限り算定する(特例患者は対面と合わせて週2回かつ月8回)。
- 患者の介護保険被保険者証に要介護度の記載がある場合は、調剤報酬の在宅患者訪問薬剤管理指導料ではなく介護報酬(居宅療養管理指導費)を優先して算定する必要がある。
- 他の医療機関又は薬局の薬剤師が居宅療養管理指導を行っている場合は、算定できない(居住地の変更等によりサービスが受けられなくなった場合はこの限りでない)。
関連項目
算定要件の要約
背景
居宅療養管理指導は、介護保険制度に基づき、通院が困難な在宅の利用者に対して、薬剤師が医師又は歯科医師の指示に基づき利用者の居宅を訪問し、薬学的な管理指導を行うとともに、ケアマネジャーに対してケアプランの作成等に必要な情報提供を行った場合に算定できる。介護予防居宅療養管理指導費は、要支援認定を受けた者に対する同様のサービスであり、算定の仕組みは居宅療養管理指導費と基本的に同一である。
日本は少子高齢化による長寿社会になっていることに伴い、慢性疾患の患者割合が増加してきた。これらの患者は地域・家庭にて日常生活を送ることを望んでおり、加えて、医療資源の適正分配等の観点から在宅医療に関する施策が講じられてきた。居宅療養管理指導は介護報酬で定められるものであり、利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を営むことができるよう、多職種連携のもと療養生活の質の向上を図るものとされている。
令和6年度介護報酬改定では、オンライン服薬指導に係る医薬品医療機器等法のルール見直しを踏まえ、薬剤師によるオンラインでの居宅療養管理指導について見直しが行われた。
要点
- 介護保険の被保険者(要介護又は要支援認定を受けた者)が対象であり、医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料とは保険制度が異なる。要介護認定を受けている患者については、原則として介護報酬を優先して算定する。
- 薬局の薬剤師が医師又は歯科医師の指示に基づき、利用者の居宅を訪問し、薬学的な管理指導を行い、ケアマネジャーに対してケアプランの作成等に必要な情報提供を行った場合に算定する。
- 対面の場合、薬局の薬剤師が行うときは単一建物居住者の人数に応じて単位数が異なる(1人:518単位、2~9人:379単位、10人以上:342単位)。情報通信機器を用いた場合は一律46単位である。
- 令和8年度診療報酬改定による居宅療養管理指導費自体の単位数・算定要件の変更はない。ただし、調剤報酬側の変更(在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定間隔の見直し、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の廃止等)が介護報酬の運用に間接的に影響する場合がある。
算定要件の詳細
医療保険と介護保険の選択
在宅で療養を行っている患者に訪問薬剤管理指導を行う場合、患者の保険制度に応じて以下のように算定する。
| 患者の状態 | 算定する報酬 |
|---|---|
| 介護保険の被保険者証に要介護度の記載がある場合 | 介護報酬(居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費)を優先 |
| 医療保険のみの場合(要介護認定なし) | 調剤報酬(在宅患者訪問薬剤管理指導料) |
算定回数
対面による場合
月4回に限り算定する。ただし、末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては、週2回かつ月8回に限り算定できる。
情報通信機器を用いた場合
対面と合わせて月4回に限り算定する。特例患者については、対面と合わせて週2回かつ月8回に限り算定できる。情報通信機器を用いた服薬指導は、対面の居宅療養管理指導と同日に行う場合は算定できない。
情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合
薬局の薬剤師が情報通信機器を用いて服薬指導を行った場合は、単一建物居住者の人数にかかわらず一律46単位を算定する。令和6年度介護報酬改定により、以下の見直しが行われた。
- 初回からオンラインでの居宅療養管理指導の算定が可能となった。
- 訪問診療において交付された処方箋以外の処方箋によるオンラインでの居宅療養管理指導についても算定可能となった。
- 対面と合わせて上限回数まで算定可能となった。
算定できない場合
- 患者が医師若しくは薬剤師の配置が義務付けられている病院、診療所、施設等に入院若しくは入所している場合
- 現に他の保険医療機関又は保険薬局の保険薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている場合(居住地の変更等によりサービスが受けられなくなった場合はこの限りでない)
- 通院が可能な場合(独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる場合等)
調剤報酬との併算定関係
居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については、調剤報酬の以下の点数は算定できない。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料(同一月に併算定不可)
- 服薬情報等提供料(ただし、介護支援専門員への情報提供に係る服薬情報等提供料2のハについては、居宅療養管理指導費の注5に規定するケアマネジャーへの情報提供と趣旨が重複するため、同一月に併算定不可)
一方、以下の調剤報酬の点数は、介護報酬を算定している患者に対しても算定可能である。
- 調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算(調剤管理料の加算)
- 経管投薬支援料
注釈
注1 「居宅療養管理指導」とは
居宅要介護者について、病院、診療所又は薬局の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生労働省令で定めるものをいう。
(出典:介護保険法 第8条第6項)
注2 「介護予防居宅療養管理指導」とは
居宅要支援者について、その介護予防を目的として、病院、診療所又は薬局の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生労働省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生労働省令で定めるものをいう。
(出典:介護保険法 第8条の2第6項)
注3 「単一建物居住者」とは
当該利用者が居住する建物に居住する者のうち、当該指定居宅療養管理指導事業所の薬剤師が、同一月に指定居宅療養管理指導を行っているものをいう。
注4 「薬学的管理指導計画」とは
薬局の薬剤師が居宅療養管理指導を行う場合に、医師又は歯科医師の指示に基づき策定する計画であり、薬剤の管理方法、処方薬剤の特性(薬物動態、副作用、相互作用等)を確認した上で、実施すべき指導の内容、訪問回数、訪問間隔等を記載する。策定した計画書は薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存する。
居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:山田 輝(やまだ ひかる)
メドピア株式会社 医療機関支援プラットフォーム事業推進部 セールスグループ グループリーダー 薬剤師
6年制薬学部を卒業後、調剤現場を経験。「現場の外側から医療業界を支え、薬剤師の社会的地位向上に貢献したい」という考えからメドピア株式会社へ入社。入社当初より、「kakari」を通じて薬局運営に伴走。現在は病院向け予約システム「やくばと病院予約」を主軸に、医療アクセスの改善や医療機関の健全な経営支援に向き合っている。現場で培った薬剤師としての視点と感覚を糧に日々業務にあたっている。
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