2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
在宅患者訪問薬剤管理指導料
公開日2026/05/28
最終更新日
在宅患者訪問薬剤管理指導料の点数
新旧対比表
| 区分 | 令和6年度(改定前) | 令和8年度(改定後) | 主な変更点 |
|---|---|---|---|
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料1 単一建物診療患者が1人の場合 | 650点 | 650点 | 点数の変更なし |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料2 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 | 320点 | 320点 | 点数の変更なし |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料3 単一建物診療患者が10人以上の場合 | 290点 | 290点 | 点数の変更なし |
| 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 | 59点 | 廃止 | 服薬管理指導料4のロ・ハに統合 |
※ 在宅患者訪問薬剤管理指導料1〜3共通の変更点として、月2回以上算定する場合の算定間隔が「中6日以上」から「週1回」に変更された。
令和8年度改定における重要変更点:令和6年度まで存在した「在宅患者オンライン薬剤管理指導料(59点)」は廃止され、服薬管理指導料の4のロ(在宅患者へのオンライン服薬指導)及び4のハ(在宅患者の緊急時のオンライン服薬指導)として統合された。在宅患者へのオンライン服薬指導については、服薬管理指導料のページを参照のこと。
算定上の注意点
- 算定回数:患者1人につき、服薬管理指導料4のロと合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者にあっては週2回かつ月8回)に限り算定する。
- 算定間隔:月2回以上算定する場合、算定日の間隔は週1回までとする。令和6年度までは「中6日以上」(=算定日の間隔を6日以上空ける)とされていたが、令和8年度改定で「週1回」に変更された。
- 保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1〜3及び服薬管理指導料4のロを合わせて週40回に限り算定できる。
- 同月に服薬管理指導料は算定できない(当該患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋による場合及び情報通信機器を用いた場合を除く)。
- 同月に外来服薬支援料1、服薬情報等提供料は算定できない。
- 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
- 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合は、特殊の事情があった場合を除き算定できない。
関連項目
算定要件の要約
背景
- 日本は少子高齢化による長寿社会になっていることに伴い、慢性疾患の患者割合が増加してきた。これらの患者は地域・家庭にて日常生活を送ることを望んでおり、加えて、医療資源の適正分配等の観点から在宅医療に関する施策が講じられてきた。
- 在宅医療が法律上明らかになったのは1992年の医療法であり、調剤報酬上は1994年度改定にて「在宅患者訪問薬剤管理指導料」が新設された。
- 年々、在宅医療の重要性は高まる一方であり、実施している医療機関、薬局数は増加の一途を辿っている。
- これらの背景から、薬局の機能として在宅医療への対応は強く求められており、地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件にも組み込まれ、地域を支える機能としてより重視される方向性が読み取れる。
要点
- 在宅で療養を行っている患者1人につき、服薬管理指導料4のロと合わせて月4回(末期の悪性腫瘍の患者、注射による麻薬の投与が必要な患者及び中心静脈栄養法の対象患者の場合は週2回かつ月8回)に限り算定できる。
- あらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、医師の指示に基づき、保険薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して薬学的管理指導を行い、医師に対して訪問結果について文書で情報提供を行った場合に算定できる。
- 患者の介護保険被保険者証に要介護度の記載がある場合は「介護保険(居宅療養管理指導費)を優先」して算定する必要がある。
算定要件の詳細
施設基準
あらかじめ在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨を、別紙様式3を用いて地方厚生局長等に届け出なければならない。
施設基準以外の算定要件
対象患者
在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものが対象である。「在宅での療養を行っている患者」とは、保険医療機関又は介護老人保健施設で療養を行っている患者以外の患者をいう。
少なくとも独歩で家族又は介助者等の助けを借りずに来局ができる者等は、来局が容易であると考えられるため、在宅患者訪問薬剤管理指導料は算定できない。
算定の流れ
1.
医師の指示を受ける
2.
保険薬剤師が薬学的管理指導計画を策定する
3.
患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況、薬剤保管状況及び残薬の有無の確認等の薬学的管理指導を行う
4.
当該指示を行った医師に対して訪問結果について文書で情報提供を行う
単一建物診療患者の人数
「単一建物診療患者の人数」とは、当該患者が居住する建築物に居住する者のうち、当該保険薬局が訪問薬剤管理指導料を算定する者の人数をいう。
ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所については、それぞれのユニットにおいて在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する人数を、単一建物診療患者の人数とみなすことができる。
「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する特殊なケース:
- 1つの患家に在宅患者訪問薬剤管理指導料の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合(例:夫婦のどちらにも算定する場合は「1人の場合」の点数×2人で算定可能)
- 単一の建築物において、当該保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が、当該建築物の戸数の10%以下の場合
- 当該建築物の戸数が20戸未満であって、当該保険薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する者の数が2人以下の場合
薬剤服用歴等への記載事項
在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定した場合は、薬剤服用歴等に少なくとも次の事項について記載しなければならない。
- ア 訪問の実施日、訪問した薬剤師の氏名
- イ 処方医等から提供された情報の要点
- ウ 訪問に際して実施した薬学的管理指導の内容(薬剤の保管状況、服薬状況、残薬の状況、投薬後の併用薬剤等の情報確認、患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の確認、実施した指導等の内容等)
- エ 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
- オ 処方医以外の医療関係職種との間で情報を共有している場合にあっては、当該医療関係職種から提供された情報の要点及び当該医療関係職種に提供した訪問結果に関する情報の要点
- カ 在宅協力薬局の保険薬剤師が訪問薬剤管理指導を行った場合には、在宅協力薬局に関する所定の事項
留意事項
- 当該保険薬局の調剤した薬剤の服用期間内に、患者の同意を得て実施する。
- 調剤を行っていない月に訪問薬剤管理指導を実施した場合は、調剤年月日及び投薬日数を調剤報酬明細書の摘要欄に記入する。
- 在宅療養を担う保険医療機関の保険医と連携する他の保険医の求めにより、患家を訪問して必要な薬学的管理指導を行った場合は、当該保険医に加え、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医にも必要な情報提供を文書で行うこと。
- 業務に要した交通費は、患家の負担とする。あらかじめ患者又はその家族等に対して説明の上、文書(これらの事項が記載された薬袋を含む)により交付すること。
- やむを得ない事由により、患者又はその家族等からの電話等による問い合わせに応じることができなかった場合は、速やかに折り返しの連絡を行うこと。
- 在宅患者緊急時等共同指導料を算定する場合は、在宅患者訪問薬剤管理指導料は別に算定できない。
在宅協力薬局による訪問薬剤管理指導
あらかじめ患者又はその家族等の同意を得た上で、在宅基幹薬局に代わり、連携する在宅協力薬局の保険薬剤師が訪問薬剤管理指導を行うことができる。この場合、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定する。在宅協力薬局が訪問薬剤管理指導を行った場合は、在宅基幹薬局に対して訪問結果を文書により報告し、在宅基幹薬局の保険薬剤師は当該報告の内容を確認するとともに、処方医に対して必要な情報提供を文書で行うこと。
他の点数との併算定関係
| 項目 | 併算定可否 |
|---|---|
| 服薬管理指導料 | 原則不可(臨時処方・情報通信機器の場合を除く) |
| 外来服薬支援料1 | 不可 |
| 服薬情報等提供料 | 不可 |
| 調剤時残薬調整加算 | ○ |
| 薬学的有害事象等防止加算 | ○ |
| 調剤後薬剤管理指導料 | ○ |
| 服用薬剤調整支援料1 | ○ |
| 服用薬剤調整支援料2 | ○ |
| 訪問薬剤管理医師同時指導料【新設】 | 同一日に別に算定可(詳細は同項目を参照) |
| 複数名薬剤管理指導訪問料【新設】 | ○(在宅患者訪問薬剤管理指導料1を算定する場合) |
在宅患者訪問薬剤管理指導料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 医師プラットフォームメディア推進部 ドクターエンゲージメントグループ 薬剤師
薬剤師としての実務経験を活かし、かかりつけ薬局アプリ「kakari」の企画/開発を担う。現在は、専門医のための臨床研鑽アプリ「ClinPeer」の普及拡大ならびにコンテンツ企画を担当。各領域の専門医と協力し、集合知を形成することで最新医療が臨床に適用されていくサイクル(プラクティスチェンジ)を促進し、医療への貢献に邁進している。その他、埼玉県薬剤師会青年部部会長や保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
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