2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠

連携強化加算

公開日2024/05/30

最終更新日

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連携強化加算の点数

連携強化加算
5点

算定上の注意点

特別調剤基本料Aを算定する保険薬局の場合、その不動産取引等その他の特別な関係を有している保険医療機関が以下の両方に当てはまる場合は算定できない

  • 当該保険医療機関の処方箋による調剤の割合が50%超
  • 当該保険医療機関が外来感染対策向上加算(医科) or 感染対策向上加算(医科)の届出を行っている

特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない

関連項目

算定要件の要約

背景

  • 地域におけるかかりつけ機能を有した薬局が、平時のみならず災害や新興感染症発生時といった状況においても、医療提供を継続できるようにすることで地域の中核機能を担うことを求められていることが背景にある。
  • 薬剤師法第一条にもあるように「公衆衛生」を司るものとしての機能を果たすことを示した加算とも言える。

2024年度調剤報酬改定において、算定要件に多くの変更が加えられた。ポイントは以下の通りである。

  • 新興感染症発生時や災害発生時に対応できる薬局の評価として要件が見直された。
  • 中でも都道府県知事への届出を要する「第二種協定指定医療機関」については、令和6年4月1日施行の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で規定されている。
  • 従来は地域支援体制加算の加算であったが、今回改定から地域支援体制加算とは切り離され調剤基本料の加算として算定できるようになった。

要点

連携強化加算は、以下の施設基準を満たしている場合に算定できる。

  1. (1)

    感染症法第六条第十七項に規定する第二種協定指定医療機関である

  2. (2)

    災害の発生時等において、他の保険薬局等との連携により非常時における対応につき必要な体制整備されている、

  3. (3)

    オンライン服薬指導を行う体制が整備されている。

弊社サービス「kakari」には、オンライン服薬指導の機能が搭載されています。
以下ページよりお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
https://kakari.medpeer.jp/

算定要件の詳細

施設基準

体制要件

  1. 1.

    都道府県知事より第二種協定指定医療機関の指定を受けており、次に掲げる体制が整備されていること。

    1. 感染症に係る最新の科学的知見に基づいた適切な知識を習得することを目的とした研修の実施、または、外部の機関が実施する研修への参加(年1回以上)。

    2. 新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症(=新型インフルエンザ等感染症等)に係る医療の提供に当たっての訓練の実施、または、外部の機関が実施する訓練への参加(年1回以上)。

    3. 新型インフルエンザ等感染症等の発生時等において、都道府県知事からの要請を受けて、自宅療養者等に対して、調剤 / オンライン or 訪問による服薬指導 / 薬剤等の交付(配送による対応を含む。)等の対応を行う体制。

    4. 個人防護具の備蓄

    5. 新型インフルエンザ等感染症等の発生時等において、要指導医薬品及び一般用医薬品 / 感染症に係る体外診断用医薬品(検査キット) / マスク等の感染症対応に必要な衛生材料等の提供ができる体制を新型インフルエンザ等感染症等の発生等がないときから整備・提供。

  2. 2.

    災害の発生時等において他の保険薬局等(同一薬局グループ以外の薬局を含む。)との連携に係る体制として、次に掲げる体制が整備されていること。

    1. 医薬品の提供施設として薬局機能を維持。自治体からの要請に応じて、避難所・救護所等における医薬品の供給、または調剤所の設置に係る人員派遣等の協力等を行う体制の整備。

    2. 災害の被災状況に応じた対応を習得する研修を薬局内で実施、または、地域の協議会、研修もしくは訓練等に参加するよう計画を作成し、実施。

      • 協議会、研修又は訓練等には、年1回程度参加することが望ましい。
    3. 災害の発生時等において、地方公共団体や地域の薬剤師会等と協議の上で、当該保険薬局のみ、または当該保険薬局を含む近隣の保険薬局と連携して、夜間、休日等の開局時間外であっても調剤・在宅業務に対応できる体制の整備。

  3. 3.

    災害や新興感染症発生時における対応可能な体制を確保していることについて、当該保険薬局・同一グループのほか、地域の行政機関、薬剤師会等のウェブサイトで広く周知していること。

  4. 4.

    災害や新興感染症発生時における薬局の体制や対応について、それぞれの状況に応じた手順書等を作成し、当該保険薬局の職員に対して共有していること。

  5. 5.

    オンライン服薬指導を行うために以下の体制が整備されていること。

    1. オンライン服薬指導の実施要領の第4の(5)に基づき、薬局内の保険薬剤師に対して、必要な知識を習得させるための研修を実施する。

    2. サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行う。

      • 最新の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参照すること。
      • 「「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」及び「薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル~薬局・事業者向け~」等について」(令和5年10月13日付け医政参発1013第2号・医薬総発1013第1号医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官・医薬局総務課長通知)の別添1、別添2及び別添4を活用するなどして、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと。

    弊社サービス「kakari」には、オンライン服薬指導の機能が搭載されています。
    以下ページよりお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
    https://kakari.medpeer.jp/

  6. 6.

    要指導医薬品及び一般用医薬品を販売していること。

    • ただし、要指導医薬品等は単に最低限の品目を有していればいいものではなく、購入を希望して来局する者が症状等に応じて必要な医薬品が選択できるよう、新型インフルエンザ等感染症等の発生時に必要となる様々な種類の医薬品及び検査キット(体外診断用医薬品)を取り扱うべきであること。
    • 取り扱う要指導医薬品等の選択に当たっては、健康サポート薬局の届出要件とされている48薬効群を参考にすること。
届出時の書式

別添2の様式87の3の4を用いること。

経過措置

令和6年3月31日時点で、現に連携強化加算の届出を行っている保険医療機関については、令和6年12月31日までの間に限り、都道府県知事より第二種協定指定医療機関の指定を受けているものとみなす。

補足

連携強化加算の周知に関して

連携強化加算の周知に関してですが、単に厚生局の届出のウェブサイトに掲載される一覧にリンクを張ったのみでは、行政機関・薬剤師会等が情報提供していることには該当しません。
令和6年4月12日に発出された疑義解釈資料の送付について(その2)厚生労働省では以下のように示されています。

連携強化加算の施設基準において求められる機能等について、

  • 地域の住民や行政機関
  • 保険医療機関
  • 訪問看護ステーション
  • 福祉関係者等

が当該情報を把握しやすいよう、市町村や地区の単位で整理し、周知することが求められるため、保険薬局においては、当該薬局の所在地の地域でこれらの対応を実施することになる行政機関または薬剤師会等と相談されたい。
また、このような情報は定期的に更新されている必要があり、さらに、都道府県単位で集約して周知されていることがより望ましい。
各加算に関して周知すべき情報としては、各加算の要件に基づき、例えば以下のようなものが考えられるが、これらに限らず地域にとって必要な情報を収集・整理すること。

  • 連携強化加算

    (当該加算で求めている周知すべき情報)

    • 災害や新興感染症における対応可能な体制に係る情報

    (具体的な項目例)

    • 改正感染症法に基づく第二種協定指定医療機関としての指定に係る情報
    • オンライン服薬指導の対応の可否
    • 要指導医薬品・一般用医薬品の取扱いに係る情報
    • 検査キット(体外診断用医薬品)の取扱いに係る情報

    疑義解釈資料の送付について(その2)厚生労働省を参考に弊社編集)

令和6年4月26日に発出された疑義解釈資料の送付について(その3)厚生労働省では、さらに以下のような見解が示されました。

地域の薬剤師会が会員のみを対象として当該情報を整理・収集して公表している場合、施設基準を満たしていることにはならない。連携強化加算を届け出る保険薬局が所在する地域において...地域の薬剤師会等の会員であるか非会員であるかを問わず、市町村や地区の単位で必要な情報を整理し、周知されている必要がある。

疑義解釈資料の送付について(その3)厚生労働省を参考に弊社編集)

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連携強化加算についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

林 亜紀(はやし あき)

執筆者:林 亜紀(はやし あき)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM

救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。

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