2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
調剤管理料
公開日2024/05/30
最終更新日
調剤管理料の点数
- 調剤管理料1
内服薬の場合(内服用滴剤、浸煎薬、湯薬、屯服薬を除く)
※ 1剤につき算定- 7日分以下の場合
- 4点
- 8日分以上14日分以下の場合
- 28点
- 15日分以上28日分以下の場合
- 50点
- 29日分以上の場合
- 60点
- 調剤管理料2
- 内服薬以外の場合
- 4点
算定上の注意点
調剤管理料1と調剤管理料2は併算定不可である。
隔日投与等の指示により患者が服用しない日がある場合、実際の投与日数により算定する。
関連項目
算定要件の要約
背景
- 2022年度改定では調剤業務の一連の工程を「対物業務」と「対人業務」に分けて評価できるよう抜本的な構造改革が行われた。
- 調剤管理料は対人業務の評価に分類され、調剤工程の前段階で行われる、患者情報等の分析・評価、処方内容の薬学的分析、調剤設計(その他、疑義照会等を含む)に加え、服薬指導後の薬歴・調剤録の作成を評価するものとして位置づけられた。
- 重複投薬・相互作用等防止加算の算定対象が薬剤服用歴管理指導料→調剤管理料になった点も、調剤管理料が対人業務として扱われた象徴である。
- 2024年度改定では、薬剤師が調剤時に薬剤服用歴や医薬品リスク管理計画(RMP)等の情報に基づき薬学的分析・評価を行うことが算定要件に加えられた。
2024年度改定の詳細については、令和6年度診療報酬改定の概要 (調剤) 厚生労働省の、医薬品リスク管理計画(RMP)に基づいた薬学的管理のページをご参照ください。
要点
- 調剤管理料には「内服薬(調剤管理料1)」と「内服薬以外(調剤管理料2)」で算定できる点数が異なる。
- これらの2つの点数は併算定はできず、どちらか一方となる点に注意
- 患者又はその家族等からの服薬状況等の情報収集、必要な薬学的分析、薬剤服用歴への記録その他の管理を行った場合に算定可能である。
- 従前の「調剤料」同様に処方日数比例の点数であり、医薬品の調剤・調製での算定のように見えるが、薬剤服用歴・調剤録作成が要件にあるため、必然的に服薬指導を伴わなければ算定できない点数である。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
内服薬の場合:処方箋受付1回につき3剤まで算定可能である。
- 服用時点が同一である内服薬は、投与日数にかかわらず、1剤として扱う。
- 隔日投与等の指示により患者が服用しない日がある場合における調剤管理料1は、実際の投与日数により算定する。
- 「1剤」の数え方に関しては薬剤調製料のページの「1剤とは」を参照。
内服薬以外の場合:処方箋受付1回につき1回算定可能である。
算定条件
患者又はその家族等から収集した当該患者の
- 投薬歴
- 副作用歴
- アレルギー歴
- 服薬状況等の情報
- 手帳
- 医薬品リスク管理計画((医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第135号)第2条第3項に規定するものをいう。以下同じ。)に基づき製造販売業者が策定した医薬品に限る。)
- 薬剤服用歴等
に基づき、受け付けた処方箋の処方内容について、薬学的分析・評価を行った上で、患者ごとに薬剤服用歴への記録その他必要な薬学的管理を行った場合に算定できる。
「薬剤服用歴の記載」が要件として組み込まれているため、記載できない場合は算定対象外であることに留意してください。
補足
分割調剤における調剤管理料の算定方法
【調剤基本料の「注9」の薬剤の保存が困難である等の理由による分割調剤 /「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の場合】
同一薬局で同一処方箋を分割調剤した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
【調剤基本料の「注11」の医師の指示による分割調剤の場合】
2回目以降の調剤を行う場合には、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。また、処方医に対して情報提供した内容を薬剤服用歴等に記載する。
次に掲げる事項を記載する。
- 残薬の有無
- 残薬が生じている場合はその量及び理由
- 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
- 副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
調剤管理料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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