2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
調剤管理加算
公開日2024/05/30
最終更新日
調剤管理加算の点数
- 初めて処方箋を持参した場合 (注1)
- 3点
- 2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合(注2)
- 3点
関連項目
算定要件の要約
背景
- 多剤併用患者においてはその安全性や期待する効果を判断するにあたり、薬学的分析等が高度化することから、対人業務の一環として2022年度改定から新設された。
- 6剤以上になると、6剤未満と比較し、服薬指導時間等の対人業務で要する時間が増加傾向という調査結果が示され、これを評価することとして加わった。
要点
【施設基準(実績要件)】
多剤併用については適正使用の判断のみならず、ポリファーマシー解消についても薬剤師が取り組むべき課題である。よって、服用薬剤調整支援料の算定実績がない限り、当該加算を算定することはできない。
【算定対象患者】
複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬が処方されている患者に対して算定する。
【算定条件】
患者本人かその家族等に対して、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行った場合に算定可能であり、具体的に以下のことを行う。
①
患者が服用中の薬剤について重複投薬、相互作用等の有無を確認
②
薬剤情報、特定健診等情報、薬剤服用歴等、服薬状況等の情報等に基づき、情報を一元的に把握
③
必要な薬学的分析
④
服薬状況等の情報と薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載
⑤
調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握
⑥
必要に応じ処方医に情報提供
算定要件の詳細
施設基準
実績要件
重複投薬等の解消に係る取組の実績を有している保険薬局であること。
- 「重複投薬等の解消に係る取組の実績」とは過去1年間に服用薬剤調整支援料を1回以上算定した実績のことを指す。
適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局(注3)では算定不可である。
届出に関する事項
基準を満たしていれば、地方厚生(支)局長に対して届出不要
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
処方箋受付1回につき1回算定可能である。
算定対象患者
複数の保険医療機関から6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者
- 服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的管理を行うのは患者本人だけではなく家族に対してでも良い。
【内服薬の種類数の計算について】
以下の点に留意して内服薬の種類数を計算する。
- 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
- 錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
算定条件
患者本人かその家族等に対して、
①
患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認
②
手帳やオンライン資格確認等システムを活用して得た診療情報、薬剤情報等の情報、薬剤服用歴等、服薬状況等の情報等に基づき、情報を一元的に把握
③
必要な薬学的分析
を行った場合に算定可能である。
服薬状況等の情報と薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。
留意点
患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
注釈
注1 「初めて処方箋を持参した場合」とは
薬歴に記録が残っていない場合か、記録があっても直近から3年以上経過している場合のことである。
注2 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは
薬剤服用歴等が保存されている患者に対して調剤している内服薬について以下のどちらかを行った場合のことである。
①
処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合
②
内服薬の種類数が1種類以上増加した場合
- 調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、「内服薬の種類が変更した場合」に含めない。
注3 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは
3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。 算定回数の割合は小数点以下を四捨五入して算出する。
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
調剤管理加算についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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