2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
服用薬剤調整支援料2
公開日2024/05/30
最終更新日
服用薬剤調整支援料2の点数
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において行った場合
- 110点
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において行った場合以外の場合
- 90点
算定上の注意点
重複投薬等の解消に係る提案を行い、服用薬剤調整支援料2を算定した後に、服用薬剤調整支援料1の要件を満たした場合も、服用薬剤調整支援料1は併算定不可である。
特別調剤基本料を算定している場合は一部を除き、算定不可能である。
A:
情報提供先が特別な関係を有する医療機関である場合は算定不可能
つまり敷地内薬局→敷地内医療機関への情報提供の場合は不可能
B:
いずれの場合においても算定不可能
関連項目
算定要件の要約
背景
- 薬局における減薬の取組に対する評価として2018年度改定で新設された。
- 算定にあたっては、いわゆるポリファーマシーの解消を薬局起点で行うことが求められており、患者の意向やアドヒアランス、副作用の確認等を行い、トータルでの薬学管理を行った上で、処方医への提案を行うことが求められる。
- 開設当初は「減薬に至った結果」をもって算定できるとされていた。しかし、2020年度改定では、減薬に至らずとも提案をきっかけに、後に重複投薬等が解消したという実態が示されたことで評価が見直され、減薬に至った症例には「服用薬剤調整支援料1」を、提案に留まった症例には「服用薬剤調整支援料2」を算定可能として評価が2段階に変更された。
- 薬剤師としての職能が活きる点数項目であり、充実した薬局機能を評価する地域支援体制加算においても算定実績が求められるなど、重要度の高い項目である。
- 本点数項目は患者の意向を踏まえるなど、深い信頼関係のもとで行われるものであり、対人業務として今後さらに重要性を増すものである。
要点
- 患者もしくはその家族等の求めに応じて、患者の服用薬を一元的に管理する必要がある。
- 重複投薬の状況や副作用の可能性等が確認された場合に、その解消のための取組をすることにより算定可能である。
- 提案を行った時点で服用薬剤調整支援料2の算定は可能だが、その提案による処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認する必要がある。

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算定要件の詳細
施設基準
実績要件
重複投薬等の解消に係る実績を有している場合に算定可能であり、具体的には以下のような場合を指す。
服用薬剤調整支援料1の算定要件に相当する実績があること。
- 服用薬剤調整支援料1を算定していなくても、重複投薬等の解消に係る提案及び実績について、薬剤服用歴の記録に記載するべきである。提案の記録については、提案文書の写しを薬剤服用歴の記録に添付する等の方法により保存することで差し支えない。
該当性の判断
前年5月1日から当年4月30日までの重複投薬等の解消に係る実績をもって該当性を判断する。
適用期間は、当年6月1日から翌年5月31日までである。
ただし、前年5月1日から当年3月末日までに新規指定された保険薬局の場合は、指定された日に属する月の翌月から、当年5月末までの実績をもって該当性を判断する。
届出に関する事項
特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はない。
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
3月に1回に限り算定可能である。
算定対象患者
複数の保険医療機関から内服薬が合計で6種類以上処方されている患者に対して算定可能である。
- 6種類以上の内服薬について、少なくとも1種類は当該保険薬局で調剤されている必要がある。
算定条件
①
患者もしくはその家族等の求めに応じて、
②
保険薬局の保険薬剤師が、重複投薬等の解消のための取組を全て行った場合に算定する。
- 提案を行った時点で服用薬剤調整支援料2の算定は可能だが、その提案による処方内容の見直し状況について患者の次回以降の来局時に確認する必要がある。
重複投薬等の解消のための取組とは
(イ)
患者の服用薬について、手帳の確認、患者への聞き取り又は他の保険薬局もしくは保険医療機関への聞き取り等により、一元的に把握する。同種・同効薬が処方されている場合は、必要に応じて処方の背景を処方医又は患者もしくはその家族等に確認する。
(ロ)
重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案(注1)を検討し、報告書を作成し、処方医に対して送付すること。
報告書は以下の内容を含むべきである。報告書の様式は調剤点数の別紙様式3又はこれに準ずるものを使用する。
- 受診中の保険医療機関、診療科等に関する情報
- 服用中の薬剤の一覧
- 重複投薬等に関する状況
- 副作用のおそれがある患者の症状及び関連する薬剤
- その他(残薬、その他患者への聞き取り状況等)
- 重複投薬等の解消に係る提案内容
- 重複投薬等の解消に係る提案を行う場合、患者の希望、かかりつけ医の有無及び処方開始日等について十分な聞き取りを行った上で、処方内容の見直しを依頼する処方医に対して報告書を送付する。
留意点
保険医療機関、患者又はその家族等への情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。
注釈
注1 「重複投薬等の解消に係る提案」とは
重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案をいう。この場合において、当該提案文書の写しを薬剤服用歴等に添付する等の方法により保存しておくこと。
補足
算定要件に記載されている「内服薬の種類」の考え方
錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
以下の薬剤は「当該内服薬の種類数」に含めない。
- 屯服薬
- 浸煎薬、湯薬
- 内服薬の服用を開始して4週間以内の薬剤
- 調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤や内服薬以外の薬剤への変更を保険薬剤師が提案したことで減少した場合は、減少した種類数に含めない。
服用薬剤調整支援料2についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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