2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
分割調剤(長期投薬)
公開日2026/05/28
最終更新日
分割調剤(長期投薬)の点数
本分割調剤は、調剤報酬点数表の調剤基本料「注9」に規定されるものであり、14日分を超える投薬に係る処方箋受付において、薬剤の保存が困難であること等の理由により分割して調剤を行った場合に適用される。
調剤基本料の算定
| 区分 | 改定前(令和6年度) | 改定後(令和8年度) |
|---|---|---|
| 分割調剤1回目 | 通常の調剤基本料 | 通常の調剤基本料(変更なし) |
| 同一薬局での2回目以降 | 5点 | 5点(変更なし) |
| 異なる薬局での2回目以降 | 各薬局で通常の調剤基本料 | 各薬局で通常の調剤基本料(変更なし) |
薬剤調製料・調剤管理料・外来服薬支援料2の算定
同一保険薬局で同一処方箋を分割調剤した場合の薬剤調製料・調剤管理料・外来服薬支援料2は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
算定上の注意点
- 2回目以降の調剤の場合、調剤管理料及び外来服薬支援料2を除いて、点数表の「第2節 薬学管理料」に該当する点数は算定できない。
- 他の分割調剤との重複算定はできない。複数の分割調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合は、調剤基本料「注11」の医師指示による分割調剤の点数により算定する。
- 「注9」の長期保存の困難性等の理由による分割調剤の2回目以降の調剤と「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の2回目の調剤を同一の保険薬局において同一日に行う場合は、いずれか一方の分割調剤に係る点数のみを算定する。
関連項目
算定要件の要約
背景
医薬品によっては患者自身の管理では長期保存が困難な場合がある(例:シロップ剤、坐剤、点眼剤等)。そのため、医薬品の品質保持や患者自身の服薬管理を踏まえて、投薬日数を分割して調剤することが可能となっている。本制度は2004年度(平成16年度)の調剤報酬改定により導入された。
令和8年度改定においても、分割調剤(長期投薬)の基本的な枠組みに変更はない。
要点
- 14日分を超える投薬において、処方薬の長期保存の困難その他の理由により分割して調剤する必要がある場合に適用できる。
- 要件上、患者の同意等は求められておらず、薬剤師の判断で処方医に照会することで実施可能である。
- 分割調剤の総量は処方箋に記載された用量を超えてはならない。
分割調剤の種類の比較
3種類の分割調剤(長期投薬、後発医薬品、医師指示)及びリフィル処方との主な相違点は以下の通りである。
| 項目 | 分割調剤(長期投薬)注9 | 分割調剤(後発医薬品)注10 | 分割調剤(医師指示)注11 | リフィル処方 |
|---|---|---|---|---|
| 根拠 | 薬剤の保存困難等 | 後発医薬品の試用 | 医師の分割指示 | 医師の処方(リフィル可) |
| 処方箋 | 通常の処方箋 | 後発品への変更可能な処方箋 | 分割指示に係る処方箋 | リフィル処方箋 |
| 回数制限 | なし | 2回限り | 指示回数 | 最大3回 |
| 調剤基本料(1回目) | 通常の調剤基本料 | 通常の調剤基本料 | 合算÷分割回数 | 通常の調剤基本料 |
| 調剤基本料(2回目以降・同一薬局) | 5点 | 5点 | 合算÷分割回数 | 通常の調剤基本料 |
| 薬学管理料(1回目) | 通常どおり算定 | 通常どおり算定 | 合算÷分割回数(服薬情報等提供料を除く) | 通常どおり算定 |
| 薬学管理料(2回目以降) | 調剤管理料・外来服薬支援料2のみ | 調剤管理料・服薬管理指導料・外来服薬支援料2 | 合算÷分割回数(服薬情報等提供料を除く) | 通常どおり算定 |
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定条件
対象となる処方箋
14日分を超える投薬に係る処方箋であって、処方薬の長期保存の困難その他の理由により分割して調剤する必要がある場合に適用する。
処方元への対応
処方箋の受付時に、当該処方箋を発行した医療機関等に対し照会を行うとともに、分割理由等の必要な事項を調剤録等に記入すること。
分割調剤の流れ
(1) 処方箋への必要事項の記入
分割調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、処方箋に以下の事項を記入する。
- 薬剤師法(昭和35年法律第146号)第26条に規定する事項
- 分割理由等の必要な事項
(2) 調剤録等の作成
調剤録等を作成する。調剤録には、薬剤師法第28条及び薬剤師法施行規則第16条に規定する事項を記載する。
(3) 処方箋の返却
調剤済みとならない場合は、処方箋を患者に返却する。
2回目以降の調剤量の上限
分割調剤においては、その総量は処方箋に記載された用量を超えてはならない。また、第2回以後の調剤においては、以下の計算式により交付可能な日数の上限が定まる。
交付可能日数 =(用量の日数 + 使用期間の日数※)- 第1回調剤日から起算して当該調剤の直前の調剤日までの日数
※使用期間の日数は、処方箋交付の日を含めて4日を超える場合は4日とする。
具体例:
4月3日交付、使用期間4日間、用量10日分の処方箋の場合を考える。4月4日に5日分を調剤し、次に4月10日に来局した場合は(10+4)-7=7であるから、残りの5日分を全部交付できる。一方、4月13日に来局した場合は(10+4)-10=4となるため、4日分しか交付できない。
分割調剤に係る処方箋への「注3」の不適用
「注3」(複数の保険医療機関からの処方箋の同時受付に係る80/100の規定)は、「注9」から「注11」までの分割調剤に係る処方箋には適用しない。
分割調剤(長期投薬)についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 医師プラットフォームメディア推進部 ドクターエンゲージメントグループ 薬剤師
薬剤師としての実務経験を活かし、かかりつけ薬局アプリ「kakari」の企画/開発を担う。現在は、専門医のための臨床研鑽アプリ「ClinPeer」の普及拡大ならびにコンテンツ企画を担当。各領域の専門医と協力し、集合知を形成することで最新医療が臨床に適用されていくサイクル(プラクティスチェンジ)を促進し、医療への貢献に邁進している。その他、埼玉県薬剤師会青年部部会長や保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
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