2026年度(令和8年度)調剤報酬改定の内容に準拠
在宅移行初期管理料
公開日2026/05/28
最終更新日
在宅移行初期管理料の点数
在宅移行初期管理料は、令和6年度改定で新設された点数項目であり、在宅での療養に移行する予定の患者に対し、計画的な訪問薬剤管理指導を開始する前の段階で、保険薬剤師が患家を訪問して残薬の整理や服薬管理方法の検討等を行うことを評価するものである。令和8年度改定では点数・算定要件ともに変更なしである。
| 区分 | 改定前(令和6年度) | 改定後(令和8年度) | 主な変更点 |
|---|---|---|---|
| 在宅移行初期管理料 | 230点 | 230点 | 変更なし |
算定上の注意点
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の1(単一建物診療患者が1人の場合)等を初めて算定する月に1回に限り算定する。
- 在宅移行初期管理料を算定した日には、外来服薬支援料1は算定できない。
- 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
- 在宅移行初期管理に要した交通費は患家の負担とする。
関連項目
算定要件の要約
背景
在宅での療養に移行する患者にとって、退院直後や在宅療養の開始時は、処方内容の変更や服薬環境の変化などにより服薬管理上の問題が生じやすい時期である。こうした移行期において、計画的な訪問薬剤管理指導を開始する前の段階で保険薬剤師が患家を訪問し、多職種と連携しながら残薬の整理や薬剤調整等を行うことが、その後の在宅療養を円滑に進めるうえで重要である。令和6年度改定では、このような在宅移行初期の薬学的管理及び指導を評価する点数として在宅移行初期管理料が新設された。
要点
- 在宅療養へ移行が予定されている患者であって通院が困難なもののうち、服薬管理に係る支援が必要なものに対し、当該患者の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局の保険薬剤師が、患者又はその家族等の同意を得て、在宅療養を担う保険医療機関等と連携しながら在宅療養を開始するに当たり必要な指導等を行った場合に算定する。
- 対象は単一建物診療患者(又は単一建物居住者)が1人の場合に限定される。
- 計画的な訪問薬剤管理指導を実施する前であって別の日に患家を訪問して業務を実施した場合に算定する。
- 令和8年度改定では、本項目に関する点数・算定要件の変更はない。
算定要件の詳細
施設基準
なし(施設基準の届出は不要である。ただし、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出が前提として必要。)
施設基準以外の算定要件
算定回数
在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)を初めて算定する月に1回に限り算定する。
対象患者
以下のア及びイを満たす患者のうち、薬学的管理の観点から保険薬剤師が患家を訪問して特に重点的な服薬支援を行う必要性があると判断したものが対象となる。
ア
認知症患者、精神障害者である患者など自己による服薬管理が困難な患者、児童福祉法第56条の6第2項に規定する障害児である18歳未満の患者、6歳未満の乳幼児、末期のがん患者又は注射による麻薬の投与が必要な患者。
イ
在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)に係る医師の指示のある患者。
算定条件
計画的な訪問薬剤管理指導を実施する前であって別の日に患家を訪問し、以下に掲げる業務を実施した場合に算定する。
必要な薬学的管理及び指導の内容
薬物療法に係る円滑な在宅療養への移行及び在宅療養の継続の観点から、以下の業務を実施すること。
ア
患者及びその家族等から、服薬状況、居住環境、家族関係等の薬学的管理に必要な情報を収集すること。
イ
患家における残薬の確認及び整理並びに服薬管理方法の検討及び調整を行うこと。
ウ
日常の服薬管理を適切に行うことができるよう、ポリファーマシーへの対応や服用回数を減らすための観点も踏まえ、必要に応じて医師等と使用する薬剤の内容を調整すること。
エ
在宅での療養に必要な情報を当該患者の在宅療養を担う保険医療機関等の多職種と共有すること。
オ
退院直後の患者の場合は、入院していた医療機関と連携し、入院中の処方内容に関する情報や、患者の退院に際して実施された指導の内容などに関する情報提供文書を活用した服薬支援を実施することが望ましい。
薬剤服用歴等への記載・情報提供
実施した薬学的管理及び指導の内容等について薬剤服用歴等に記載し、必要に応じて、薬学的管理指導計画書を作成・見直しすること。また、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の医師及び居宅介護支援事業者の介護支援専門員に対して必要な情報提供を文書で行うこと。なお、この場合の文書での情報提供については、服薬情報等提供料を別途算定できない。
算定時期
在宅患者訪問薬剤管理指導料(単一建物診療患者が1人の場合に限る。)、居宅療養管理指導費及び介護予防居宅療養管理指導費(いずれも保険薬局の保険薬剤師が行う場合に限り、単一建物居住者が1人の場合に限る。)を初めて算定する月又はその前月に在宅移行に係る初期管理を実施した場合に、当該初回算定月に1回に限り算定する。
レセプト摘要欄への記載
患家を訪問して在宅移行に係る初期管理を実施した日付について、調剤報酬明細書の摘要欄に記載すること。
算定できない場合
- 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
- 在宅移行初期管理料を算定した日には、外来服薬支援料1は算定できない。
- かかりつけ薬剤師訪問加算を算定している場合は算定できない。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料の在宅協力薬局が業務を実施した場合は算定できない。
同日に算定できない点数
- 訪問薬剤管理医師同時指導料:在宅移行初期管理料に係る必要な指導等を同日に行った場合は算定しない
- 複数名薬剤管理指導訪問料:在宅移行初期管理料に係る必要な指導等を同日に行った場合は算定しない
在宅移行初期管理料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:山田 輝(やまだ ひかる)
メドピア株式会社 医療機関支援プラットフォーム事業推進部 セールスグループ グループリーダー 薬剤師
6年制薬学部を卒業後、調剤現場を経験。「現場の外側から医療業界を支え、薬剤師の社会的地位向上に貢献したい」という考えからメドピア株式会社へ入社。入社当初より、「kakari」を通じて薬局運営に伴走。現在は病院向け予約システム「やくばと病院予約」を主軸に、医療アクセスの改善や医療機関の健全な経営支援に向き合っている。現場で培った薬剤師としての視点と感覚を糧に日々業務にあたっている。
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