2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠

麻薬管理指導加算

公開日2024/05/30

最終更新日

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麻薬管理指導加算の点数

服薬管理指導料 / かかりつけ薬剤師指導料 / 在宅患者オンライン薬剤管理指導料 / 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料
22点
在宅患者訪問薬剤管理指導料 / 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 / 在宅患者緊急時共同指導料
100点

算定上の注意点

在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算については、麻薬管理指導加算を算定している患者については算定できない。

関連項目

算定要件の要約

背景

  • 麻薬についてはその使用目的から適正管理が重要である。
  • また、在宅医療の推進に伴い、麻薬の調剤機会も増加傾向にあるほか、地域支援体制加算などの施設基準にも麻薬に関する項目が設定されており、薬剤師に求める麻薬の適正使用に係る管理は重要性を増すばかりである。
  • 2024年度改定では、疼痛緩和の評価等の実施にあたり、参考となる緩和ケアに関するガイドラインを示すとともに、薬剤交付後のフォローアップの方法を明確にするなど、よりアウトカムに繋がりやすい評価項目として見直された。

要点

  • 服薬指導のみならず、電話等により定期的に服薬状況残薬の状況、保管状況、副作用の有無等を確認することが求められている。
  • 麻薬管理指導の要点を薬剤服用歴等に記載する必要がある。
  • なお、点数については在宅医療に係る場合は100点と通常より高く設定されているが、オンラインで対応した場合は通常と同様の22点になるため、注意が必要である。
  • 薬剤調製料の麻薬等加算の併算定は可能。

算定要件の詳細

施設基準

なし

施設基準以外の算定要件

算定対象患者

麻薬の投薬が行われている患者

算定条件

服薬管理指導料 / かかりつけ薬剤師指導料の場合

以下に掲げることを全て行うこと。

  • 当該患者又はその家族等に対して、電話等により定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認
  • 残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導
  • 麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認
  • 必要な薬学的管理指導
  • 指導の要点は、薬剤服用歴等に記載

電話等による確認方法については、電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは継続的服薬指導を実施したことにはならないため、個々の患者の状況等に応じた必要な対応を行うこと。

麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化の有無の確認等に当たっては、「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版がん緩和ケアガイドブック」(日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参照して実施すること。

在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料)/ 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 (在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料)/ 在宅患者緊急時等共同指導料の場合

以下に掲げることを全て行う必要がある。

  • 定期的に、投与される麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況について確認
  • 残薬の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関し必要な指導
  • 麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無の確認
  • 必要な薬学的管理指導
  • 処方箋発行医に対して必要な情報提供
  • 当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医に対して必要な情報提供
  • 薬剤服用歴等の記載

麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化の有無の確認等に当たっては、「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版がん緩和ケアガイドブック」(日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参照して実施すること。

薬剤服用歴等への記載内容
  1. 1.

  2. 2.

    各指導料毎に定められている事項

    「在宅患者訪問薬剤管理指導料」の場合の記載事項:
    「区分15 在宅患者訪問薬剤管理指導料」1の(10)

    「在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の場合の記載事項:
    「区分15の2 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料」の(8)

    「在宅患者緊急時等共同指導料」の場合の記載事項:
    「区分15の3 在宅患者緊急時等共同指導料の(6)

  3. 3.

    麻薬管理指導加算の算定に必要な事項

    • 麻薬に係る薬学的管理指導の内容(麻薬の保管管理状況、服薬状況、残薬の状況、麻薬注射剤等の併用薬剤、疼痛緩和等の状況、麻薬の継続又は増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無などの確認等)
    • 患者・家族への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残薬の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
    • 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報(麻薬の服薬状況、疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、服薬指導の要点等に関する事項を含む。)の要点
    • 患者又は家族から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)

    (出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

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麻薬管理指導加算についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

林 亜紀(はやし あき)

執筆者:林 亜紀(はやし あき)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM

救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。

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