2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠

外来服薬支援料2

公開日2024/05/30

最終更新日

各SNSでシェアする

  • LINE
  • X
  • Facebook

外来服薬支援料2の点数

42日分以下の場合
投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数
43日分以上の場合
240点

算定上の注意点

関連項目

算定要件の要約

背景

  • 2022年度改定では「対物業務」と「対人業務」が明確に分けられる構造改革が行われた。
  • それまで「対物業務」の側面が強かった「調剤料」に関する加算として「一包化加算」があったが、製剤特性や患者背景を踏まえた判断を伴うなど、対人業務の側面を含むことから「外来服薬支援料2」として明確に対人業務のカテゴリに加えられた。
  • 一包化の調剤のみならず、これについて必要な服薬指導を行うことが要件に加わっていることから、対人業務として扱われている。

要点

  • 多種類の薬剤を投与されている患者や被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、内服薬の服用時点ごとの一包化(注1)を行い、必要な服薬指導と服薬管理の支援をした場合に算定可能である。一包化とは、「2”剤”以上」の内服用固形剤もしくは「1”剤”で3種類以上」の内服用固形剤を服用時点ごとに一包として患者に投与することであり、実施にあたって医師の指示もしくは疑義照会(了解)が必要である。
  • 対人業務として扱われている点は非常に重要であり、服薬指導に加え、服薬期間中のフォローアップ(必要と判断した場合)についても必須であることに注意する。

算定要件の詳細

施設基準

なし

施設基準以外の算定要件

算定上限回数

処方箋受付1回につき1回算定可能である。

算定対象患者

以下のいずれかの患者に対して算定可能である。

  • 多種類の薬剤を投与されている患者
  • 心身の特性により、被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者
  • 単純に患者の「面倒だから」という理由では算定不可能

算定条件

上記の算定対象患者に対して、

  1. 当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、

  2. 2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化を行い、

  3. 必要な服薬指導と服薬管理の支援をした場合に、

当該内服薬の投与日数に応じて算定する。

調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。

  • 錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋受付1回につき1回に限りしか算定できないので注意する。

【薬剤服用歴等への記載】
薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を薬剤服用歴等に記載する。

「剤」の数え方については薬剤調製料のページで詳しく説明しています。ご参照ください。

留意点

薬剤の一包化による服薬支援の目的は、薬剤の飲み忘れや飲み誤りの防止と、心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者への配慮である。
そのため、治療上の必要性が認められる場合に行うものである点に留意する。

注釈

注1 「一包化」とは

以下の内服用固形剤が処方されている時に、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。

  • 服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤
  • 1剤であっても3種類以上の内服用固形剤

なお、一包化に当たって、錠剤等は被包から取り出した後行う。

(出典:保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日

補足

分割調剤における調剤管理料の算定方法

【調剤基本料の「注9」の薬剤の保存が困難である等の理由による分割調剤 /「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤の場合】
同一薬局で同一処方箋を分割調剤した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。

各SNSでシェアする

  • LINE
  • X
  • Facebook

外来服薬支援料2についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

林 亜紀(はやし あき)

執筆者:林 亜紀(はやし あき)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM

救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。

お問い合わせについてのご案内

当サイトでは調剤報酬に関する直接のお問い合わせには対応しておりません。調剤報酬算定に関する詳細な情報や具体的な質問については、厚生労働省またはお近くの地方厚生局に直接お問い合わせいただくようお願い申し上げます。

免責事項:当サイトに掲載されている情報の正確性には万全を期しておりますが、解釈に幅があるもの、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性がございます。利用者が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について、当社は責任を負いません。

>