2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠

調剤後薬剤管理指導料

公開日2024/05/30

最終更新日

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調剤後薬剤管理指導料の点数

調剤後薬剤管理指導料1(糖尿病)
60点/月1回まで
調剤後薬剤管理指導料2(心不全)
60点/月1回まで

算定上の注意点

  • 服薬情報等提供料併算定不可である。
  • 特別調剤基本料を算定している場合は一部を除き、算定不可能である。
    • A:情報提供先が特別な関係を有する医療機関である場合は算定不可能
      • つまり敷地内薬局→敷地内医療機関への情報提供の場合は不可能
    • B:いずれの場合においても算定不可能

算定要件の要約

背景

  • インスリン等の糖尿病治療薬の適正使用を推進する観点から、調剤後も副作用の有無の確認や服薬指導等を行い、医療機関と薬局が連携して対応することを評価するものとして2020年度改定で薬局における対人業務の評価の充実の一環として、「調剤後薬剤管理指導加算」新設された。2019年の改正薬機法で「服薬期間中のフォローアップ」が義務化されたが、これに準ずる行為が健康保険法でも評価内容として組み込まれた先駆的な加算の一つであった。
  • そして2024年度改定では、薬剤師による服薬期間中のフォローアップの貢献度が高いことから、服薬管理指導料加算ではなく、調剤後薬剤管理指導料として評価されることとなった。
  • さらに、医科の地域包括診療料に係る対象疾患である糖尿病・慢性心不全患者が算定対象範囲となり、2024年度改定により薬剤師の服薬期間中のフォローアップは今以上に中核業務となっていくこととなる。

要点

  • 2024年度(令和6年度)調剤報酬改定で「加算」から「料」に格上げされ、インスリンとSU剤のみという限定が撤廃された。また、心不全の患者も算定対象として拡大された。
  • 地域支援体制加算の算定が必須
  • 医師の指示or疑義照会が必須
  • 敷地内薬局は一部を除き算定できない。

算定要件の詳細

施設基準

体制要件

区分番号00に掲げる調剤基本料の注5に規定する施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局(つまり地域支援体制加算の要件満たす薬局

施設基準以外の算定要件

算定上限回数

月1回に限り算定可能である。

算定対象患者

1について

糖尿病患者であって、別に厚生労働大臣が定めるもの

  • 新たに糖尿病用剤が処方されたもの
  • 糖尿病用剤に係る投薬内容の変更が行われたもの

2について

  • 心疾患による入院の経験がある患者であって
  • 作用機序が異なる循環器官用薬等の複数の治療薬の処方を受けている慢性心不全のものに対して

算定条件

以下すべてを満たすこと

  • 患者又はその家族等の求めがあること
  • 保険薬剤師が必要性を認めること
  • 医師の了解を得た場合又は保険医療機関の求めがあった場合
  • 当該患者の同意
  • 調剤後に次に掲げる業務等の全てを行うこと
    • 調剤後に当該薬剤の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について当該患者へ電話等により確認すること(当該調剤と同日に行う場合を除く。)。
    • 必要な薬学的管理及び指導を継続して実施すること。
    • 処方医へ必要な情報を文書により提供すること。
  • 服薬情報等提供料は算定できない

    ただし、地域支援体制加算の「服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務」(注1)に該当する。

注釈

注1 地域支援体制加算の「服薬情報等提供料が併算定不可となっているもので、相当する業務」とは

(参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 厚生労働省 令和6年3月5日

地域包括診療料の対象疾患である「心不全」についてもフォローアップの貢献度が高いことから単独算定できる「料」として評価対象となりました。
また、「1」の対象としてインスリンとSU剤の限定がなくなり、算定対象が広がりました。

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調剤後薬剤管理指導料についての原文

他年度の改定内容

監修者のご紹介

小川 拓哉(おがわ たくや)

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。

執筆者のご紹介

山田 輝(やまだ ひかる)

執筆者:山田 輝(やまだ ひかる)

メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師

新卒時は、調剤のみならず地域住民の生活全体を捉えたくドラッグストアに入職。OTCに加え日用品や介護用品を身近に感じながら、調剤をメインに薬局業務に従事した。今後の薬局の在り方として「DXによるかかりつけ化」は切り離せないものと感じ、メドピア株式会社へキャリアチェンジ。店舗管理業務やレセプト請求業務の経験を活かし、現在は「やくばと」や「kakari」の営業職として、日々医療機関及び薬局法人を相手に業務を遂行している。

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