2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
服薬管理指導料
公開日2024/05/30
最終更新日
服薬管理指導料の点数
- 1 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者に対して行った場合
- 45点
- 2 1の患者以外の患者に対して行った場合
- 59点
- 3 介護老人福祉施設等に入所している患者に訪問して行った場合
- 45点
- 4 情報通信機器を用いた服薬指導(オンライン服薬指導)を行った場合
- イ 原則3月以内に再度処方箋を提出した患者に対して行った場合
- 45点
- ロ イの患者以外の患者に対して行った場合
- 59点
- 服薬管理指導料の特例
- 13点
算定上の注意点
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者の場合、患者の薬学的管理指導計画に係る疾病と別の疾病又は負傷に係る臨時の処方箋によって調剤を行った場合に限り算定できる、服薬管理指導料を算定できる。
- 特別調剤基本料Bを算定している保険薬局は算定できない。
関連項目
算定要件の要約
背景
- 2022年度改定では調剤業務の一連の工程を「対物業務」と「対人業務」に分けて評価できるよう抜本的な構造改革が行われた。
- 服薬管理指導料は調剤業務の一連の流れにおける調剤した医薬品の薬剤情報提供、服薬指導、薬剤の交付、薬剤使用状況の継続的な把握・指導が評価された点数である。
- 従前の「薬剤服用歴管理指導料」を汲む算定要件であるが、2019年の改正薬機法で義務化されたいわゆる「服薬期間中のフォローアップ」についても要件に明記された。
- 薬剤師の中核業務に据えられたこともあり、来局された対面での対応のみに留まらず、患者の日常にも介入し、患者の健康に寄与していくことが健康保険法上でも求められている。
また、同じく2019年の薬機法改正で解禁されたオンライン服薬指導についても、通常の対面服薬指導と同等の評価体系となっている。 - オンライン服薬指導と対面服薬指導が同等の評価になったのは点数のみではない。対象となる処方箋の限定条件が撤廃されたことに加え、算定回数の上限も撤廃された。
- 2024年度改定では、患者の療養生活様式の多様化に伴い、介護保険施設における適切な薬剤提供や服薬管理等を推進するため、ショートステイを含めた介護老人福祉施設入所者に係る評価が見直された。
要点
- 「服薬管理指導」を行うことが要件であるが、そのポイントは薬剤の服用に関する基本的な説明、患者への薬剤の服用等に関する必要な指導、継続的服薬指導(フォローアップ)の3つである。
- 服薬期間中のフォローアップについては、薬剤師が「その必要性を個別に判断した上で」と記載があるため、すべての患者に行う必要性はないものの、その判断については薬歴に記録することが重要である。
算定要件の詳細
施設基準
なし
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
- 処方箋受付1回につき1回算定可能である。
- 服薬管理指導料「3」は、月に4回に限り算定する。
算定条件
服薬管理指導料の全区分共通
算定に当たっては、薬学管理料の通則(4)(調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省)の薬剤服用歴等を活用して必要な情報提供及び指導を行うものであり、指導後は、その要点を薬剤服用歴等に速やかに記載する必要がある。
服薬管理指導料「1」
3月以内に再度処方箋を持参し、手帳を提示した患者に「服薬管理指導」を行なった場合に算定できる。
- 原則3月以内に再度処方箋を持参した患者でも、お薬手帳を持参していない場合は「区分2(= 59点)」で算定する。
服薬管理指導料「2」
以下のいずれかに該当する患者に対して「服薬管理指導」を行なった場合に算定できる。
- 初めて処方箋を持参した患者
- 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
- 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示しない場合
服薬管理指導料「3」
以下のいずれかに該当する患者や当該患者の薬剤を管理している当該施設の職員等に対して対面により「服薬管理指導」を行った場合に算定できる。
保険薬剤師が介護老人福祉施設等の患者
介護老人福祉施設等の患者とは、次に記載する患者のことである。
- 地域密着型介護老人福祉施設もしくは介護老人福祉施設に入所している患者
- 短期入所生活介護もしくは介護予防短期入所生活介護を受けている患者(ショートステイ)
- 介護医療院又は介護老人保健施設に入所している患者であって、医師が高度な薬学的管理を必要とする薬剤に係る処方箋を発行した患者のみ
(出典:令和6年度診療報酬改定の概要(調剤) 厚生労働省 令和6年3月5日版)
- 上記患者に対してオンラインで「服薬管理指導」を行った場合も服薬管理指導料「3」を算定する。服薬管理指導料「4」は算定できない。
- 業務に要した交通費は、患家の負担とする
服薬管理指導料「4」
情報通信機器を用いた「服薬指導管理」を行った場合(オンライン服薬指導を行った場合)に以下の区分により算定する。
服薬管理指導料「4のイ」
3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示したもの
服薬管理指導料「4のロ」
以下のいずれかに該当する患者
- 初めて処方箋を持参した患者
- 3月を超えて再度処方箋を持参した患者
- 3月以内に再度処方箋を持参した患者であって、手帳を提示しない場合
オンライン服薬指導の実施について、以下の点にも留意する。
- オンライン服薬指導は、医薬品医療機器等法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)及び関連通知に沿って実施する。
- オンラインの場合も、原則として、手帳により薬剤服用歴等及び服用中の医薬品等について確認する。手帳には、医薬品等について一元的、継続的に確認できる情報を添付又は記載する。
- 情報通信機器の運用費用と医薬品等配送費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる。
- 薬剤を患者に配送する場合は、その受領の確認を行う。
通称0410事務連絡で規定する特例は2023年7月31日をもって終了となりました。
現在、下記画像③<現行>薬機法に基づくルールに沿ってオンライン服薬指導を実施する必要があります。
オンライン服薬指導の実施にあたり、厚生労働省が定めているオンライン服薬指導の実施要領について 厚生労働省 令和4年9月30日をご参照ください。

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
(「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤) 厚生労働省_」や「オンライン服薬指導における処方箋の取扱いについて」の改定について 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課 令和4年9月30日」を参考に弊社にて作成)
服薬管理指導料の特例(手帳の活用実績が少ない保険薬局)
適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局(注5)で「服薬指導管理」を行った場合に算定できる。
服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師(注6)が対応した場合)
かかりつけ薬剤師がやむを得ない事情により業務を行えない場合に、かかりつけ薬剤師と連携する他の保険薬剤師が、かかりつけ薬剤師と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で「服薬管理指導」を行った場合に算定できる。
以下の点を満たす必要がある。
- 当該保険薬局における当該患者の直近の調剤で、かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者について算定できる。
- 患者が希望する場合は、あらかじめ別紙様式2を参考に作成した文書で患者の同意を得ること。その場合、当該保険薬剤師の氏名について当該文書に記載する。
- かかりつけ薬剤師と連携する他の保険薬剤師は、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化及び当該患者の指導において注意すべき事項等の情報をかかりつけ薬剤師と共有する。
- かかりつけ薬剤師と連携する他の保険薬剤師が服薬指導等を行った場合は、かかりつけ薬剤師に必要な情報を共有する。
非かかりつけ薬剤師が服薬指導した際には、服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)を算定できます。2024年度改定により、その特定が適用される条件から「1名までの保険薬剤師に限る」が削除されました。
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 保医発0304第1号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和4年3月4日)
(出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日)
算定要件である「服薬管理指導」について
1.
薬剤の服用に関する基本的な説明
- 患者ごとに作成した薬剤服用歴等に基づいて、処方された薬剤の重複投薬、相互作用、薬物アレルギー等を確認する。
- 薬剤情報提供文書(注1)又は薬剤情報提供文書に準ずるもの(注2)によって説明を行う。
- 必要に応じて、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に基づく患者向け資材を活用する。
具体的には以下の点を説明する。
- 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
- 用法、用量、効能、効果
- 副作用及び相互作用
- 服用及び保管取扱い上の注意事項
- 調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報(注3)
- 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
- 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
- 医薬品リスク管理計画(RMP)については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のページが参考になります。
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0002.html
2.
患者への薬剤の服用等に関する必要な指導
以下のことを行う。
- 薬剤服用歴等を参照しつつ、患者又はその家族等と対話することにより、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化、残薬の状況等の情報を収集し、それを踏まえて、投与される薬剤の適正使用のために必要な服薬指導を行うこと。
- 副作用に係る自覚症状の有無の確認に当たって、特に重大な副作用が発現するおそれがある医薬品については、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(厚生労働省)等を参考とすること。
具体的には、薬をそろえる前に以下の事項を確認する。
- 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
- 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
- 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
- 服薬状況(残薬の状況を含む。)
- 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
他にも、指導に際して以下のことを行う。
【手帳を用いる場合】
調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項(注4)等を患者の手帳に経時的に記載する。【残薬がある場合】
残薬が確認された場合はその理由も把握する。
患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供する。また、残薬が相当程度認められると判断される場合には、処方医に対して連絡し、投与日数等の確認を行う。
残薬の状況の確認に当たり、患者又はその家族等から確認できなかった場合には、次回の来局時には確認できるよう指導し、その旨を薬剤服用歴等に記載する。【他保険薬局との連携】
患者が日常的に利用する保険薬局があれば、その名称及び保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を手帳に記載するよう患者に促す。【後発医薬品について】
一般名処方が行われた医薬品については、原則として後発医薬品を調剤する。後発医薬品の有効性、安全性や品質について適切に説明した上で、後発医薬品を調剤しなかった場合は、その理由を調剤報酬明細書の摘要欄に記載する。【抗微生物薬の適正使用推進】
「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省結核感染症課)を参考に、必要な服薬指導を行う。また、服薬指導を円滑に実施するため、抗菌薬の適正使用が重要であることの普及啓発に資する取組を行っていることが望ましい。【ポリファーマシーへの対策】
「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考とする。
また、必要に応じて、患者に対してポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うこと。その際、日本老年医学会及び日本老年薬学会が作成する「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」等を参考にする。
なお、ここでいうポリファーマシーとは、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」をいう。3.
継続的服薬指導
薬剤交付後においても、当該患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について、継続的な確認のため、必要に応じて指導等を実施することであり、具体的には以下のことを行う。
- 薬剤の特性や患者の服薬状況等に応じてその必要性を個別に判断した上で適切な方法で実施する。
- 電話等により、「2. 患者への薬剤の服用等に関する必要な指導」に記載の事項を確認し、必要な指導等を実施する。情報通信機器を用いた方法により実施して差し支えないが、患者等に電子メールを一律に一斉送信すること等をもって対応することは、継続的服薬指導を実施したことにはならない。
- 「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」(日本薬剤師会)等を参考とする。
オンライン服薬指導における資格確認方法
令和6年12月2日施行の療担規則等の改正により、保険薬局における資格確認方法の一部が変更された。オンライン服薬指導における資格確認は、以下の①〜③のいずれかの方法で行う。
①
処方箋による確認
保険医療機関等が交付した処方箋により確認を行う。
②
オンライン資格確認システムを活用した確認
居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムを活用して資格確認を行う。
【オンライン資格確認の手順】
1.
保険医療機関または保険薬局において、「マイナ在宅受付WEB」のURLまたは二次元コードをあらかじめ生成・取得する。
2.
患者が自身のモバイル端末等を用いて、URL等から「マイナ在宅受付WEB」にアクセスする。
3.
マイナンバーカードによる本人確認を行う。
4.
医療情報等の提供について同意登録を行うことができる。
【留意事項】
- マイナ保険証の電子証明書の有効期限が過ぎた場合でも、3か月間は資格確認が可能である。ただし、この場合、医療情報の閲覧は不可となる。
- オンライン資格確認を行えなかった場合は、以下のいずれかの方法で資格確認を行う。
- マイナンバーカードおよび資格情報のお知らせの画面上への提示
- マイナンバーカードおよびマイナポータル画面(PDF含む)の画面上への提示
③
資格確認書等の画面上への提示
次に掲げるいずれかの方法により資格確認を行うこと。
- 資格確認書の画面上への提示
- 令和6年12月2日時点で有効な被保険者証(有効期限内または令和7年12月1日までのもの)の画面上への提示
注釈
注1 「薬剤情報提供文書」とは
調剤を行った全ての薬剤の情報が一覧できるような文書のこと。
- 複数の薬袋に入れ交付する場合は、薬袋ごとに一覧できる文書とする。
効能、効果、副作用及び相互作用に関する記載は、患者等が理解しやすい表現によるものとする。
提供する情報の内容については正確を期すこととし、文書において薬剤の効能・効果等について誤解を招く表現を用いることや、調剤した薬剤と無関係の事項を記載しない。
抗悪性腫瘍剤や複数の異なる薬効を有する薬剤等、特に配慮が必要と考えられるものについては、情報提供の前に処方箋発行医に確認する等慎重に対応する。
注2 「薬剤情報提供文書に準ずるもの」とは
ボイスレコーダー等への録音、視覚障害者に対する点字その他のものをいう。
注3 「後発医薬品に関する情報」とは
以下の情報のことである。
①
該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無
②
該当する後発医薬品のうち、自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品の名称及びその価格(当該薬局において備蓄しておらず、かつ、支給もできない場合はその旨)
- 後発医薬品の情報に関しては、可能であれば一般的名称も併せて記載することが望ましい。
注4 「服用に際して注意すべき事項」とは
重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
また、薬学管理料やその加算を算定する場合に、患者等への確認内容、指導の要点等について手帳への記載が求められている場合には、当該内容を簡潔に記載する。
注5 「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」とは
3月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数うち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合が50%以下である保険薬局であること。算定回数の割合は小数点以下を四捨五入して算出する。
- 該当性は、前年5月1日〜当年4月30日までの服薬管理指導料の実績をもって判断する。適用期間は、当年6月1日〜翌年5月31日までである。
- 年度途中で、直近3月間における割合が 50%を上回った場合には、その翌月より「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとする。
- 当該特例を算定する場合は、調剤管理料及び服薬管理指導料の加算は算定できない。
注6 「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」とは
あらかじめ患者が選定した当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師のことであり、以下の要件を満たす。
(1)
保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること。
なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる。(2)
当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること。
(3)
当該保険薬局に週32時間以上(時短勤務の場合は週24時間以上かつ週4日以上)勤務していること。
(4)
薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
(5)
医療に係る地域活動の取組に参画していること。
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
留意点
服薬管理指導料の算定において、「手帳」の提示の有無が算定点数に大きく関わってくる。
また、適切な「服薬指導」を行うことが要件において重要な部分となっている。
この2つの概念を正しく理解するにあたって、「調剤報酬点数表に関する事項」に基づく以下の内容に留意する。
「手帳」について
「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の①から④までに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
①
患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
②
患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
③
患者の主な既往歴等疾患に関する記録
④
患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
以下「手帳」について留意すべきこと
- 患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供する。
- 患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴等に記載する。
- 手帳の持参を忘れたこと等により提示できない患者に対しては、次回以降は手帳を提示するよう指導する。
- 手帳の持参を忘れたこと等により提示できない患者に対しては、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明し、患者が次回以降に手帳を提示した場合は、文書が貼付されていることを確認する。
- 手帳への記載は調剤を行った全ての薬剤について行う。
- 保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。
- 患者が複数の手帳を所有している場合、患者の意向を確認した上で1冊にまとめる。1冊にまとめなかった場合は、その理由を薬剤服用歴等に記載する。
- 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)については、患者の意向を踏まえて提供する媒体を判断する。
- 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供する場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるようにするなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施できるよう対応すること。
- 電子版の手帳については、「電子版お薬手帳ガイドラインについて」(令和5年3月 31日薬生総発第0331第1号)の「2.運営事業者等が留意すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。その際、保険薬局においては、同通知の「3.提供施設が留意すべき事項」を満たす必要がある。
(出典:保医発0305第4号 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 厚生労働省 令和6年3月5日)
kakariは、2023年7月にマイナポータル連携機能をリリースしました。
電子版お薬手帳ガイドラインとして「実装すべき機能」を全て満たしていることを公表しています。
(参考:電子版お薬手帳ガイドラインに係るチェックシート確認結果の公表)
今後の薬局機能の充実化に課題をお持ちでしたら、以下ページよりお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
https://kakari.medpeer.jp/
服薬管理指導料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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