2024年度(令和6年度)調剤報酬改定の内容に準拠
調剤基本料
公開日2024/05/30
最終更新日
調剤基本料の点数
- 調剤基本料1
- 45点
- 調剤基本料2
- 29点
- 調剤基本料3
- イ
- 24点
- ロ
- 19点
- ハ
- 35点
- 特別調剤基本料A
- 5点
- 特別調剤基本料B
- 3点
減算となるケース
- 複数の保険医療機関から交付された処方箋を同時に受け付けた場合、受付が2回目以降の調剤基本料は、処方箋の受付1回につき所定点数の80/100に相当する点数により算定する。(小数点以下第一位を四捨五入)
- 調剤基本料の「注4」のただし書きで規定する薬局の場合、処方箋の受付1回につき所定点数の50/100に相当する点数により算定する。(小数点以下第一位を四捨五入)
関連項目
算定要件の要約
背景
2024年度(令和6年度)改定では、2022年度(令和4年度)改定に引き続き経営における効率性や損益率に応じた評価の見直しがなされた。主な変更点は以下の通りである。
- 調剤基本料「2」の対象範囲拡大として、本質的にはいわゆる医療モールと同様の立地環境にある薬局が対象として加わった。
- 特別調剤基本料については区分が細分化され、関連する諸加算の減算または算定そのものができないなどの厳格化となった。
- 加えて、いわゆる敷地内薬局を有する医療機関においても特定の条件下で処方箋料の減算が生じるようになっており、医療機関と薬局の関係性の在り方について問われた改定となった。
要点
算定要件の概要は以下の画像で示す通りである。

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2024年度改定により、本質的にはいわゆる医療モールと同様の環境下にある薬局の調剤基本料を見直すこととなった。
薬局近隣の同一区画内等に開設される複数の医療機関から処方箋を応需する薬局はこれまで
①
処方箋集中率が低く、
②
同一建物内ではなく処方箋受付回数が合算されない
といった理由から調剤基本料2の要件には該当せず、全体の受付回数が月4,000回を超えたとしても、調剤基本料1(旧 42点)または調剤基本料3ハ(旧 32点)で評価されていた。
しかし、2024年度改定により調剤基本料2の算定対象となる薬局に、1月における処方箋の受付回数が4,000回を超え、かつ、処方箋受付回数が多い上位3の医療機関の処方箋による調剤の割合の合計が7割を超える薬局が加えられることになった。そのため、例えば以下の図表のように、薬局近隣の同一区画内等に開設される複数の医療機関から処方箋を応需する場合は、新しい評価軸に該当するケースが多い。

注:スマホ・タブレットの方はズームしてご覧ください。
算定要件の詳細
施設基準
実績要件
調剤基本料1の施設基準
調剤基本料2、調剤基本料3、特別調剤基本料Aのいずれにも該当しない保険薬局であり、調剤基本料に係る届出を行う保険薬局であること。(=特別調剤基本料Bにも該当しない )
- ただし、後述の調剤基本料の注1のただし書きで規定する薬局(「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局)は、特例的に調剤基本料1を算定する。
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
調剤基本料の注1のただし書きで規定する薬局の施設基準
以下の全ての要件を満たす保険薬局であること
1.
「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」(注1)に所在する保険薬局であり、地方厚生(支)局長に対して、調剤基本料の施設基準に係る届出を行っている保険薬局である。
2.
当該保険薬局が所在する「特定の区域内の保険医療機関」(注2)(歯科医療のみを担当するものを除く。)の許可病床数が200床未満であり、その数が10以下である。
- ただし、当該保険薬局が所在する特定の区域外の保険医療機関であっても、当該薬局で当該医療機関の処方箋による調剤の割合が70%以上の場合は、「特定の区域内の保険医療機関」とみなす
3.
処方箋受付回数が1月に2,500回を超えない。
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式87の2を用いること。
- 当該保険薬局が所在する中学校区について、当該区域の地名がわかる資料を添付すること。
- 令和6年3月31日において、現に改正前の基本診療料施設基準通知の別添3の別紙2の「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局が、調剤基本料の注1ただし書に規定に係る届出を行っている場合は、令和8年5月31日までの間、なお効力を有するものとする。
調剤基本料2の施設基準
次のいずれかに該当する保険薬局であること
ア
処方箋集中率(注3)と処方箋の受付回数に基づく基準で判定する場合
(イ)
受付回数が多い上位3の医療機関の処方箋による調剤の割合の合計が70%超/月 + 処方箋の受付回数:4,000 回超/月
- 「処方箋受付回数が多い上位3の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合」は、上位3の保険医療機関それぞれの処方箋集中率を合計して得た値とする。
(ロ)
処方箋集中率:85%超 + 処方箋の受付回数:2,000 回超/月
(ハ)
処方箋集中率:95%超 + 処方箋の受付回数:1,800 回超/月
イ
特定の保険医療機関からの処方箋受付回数に基づく基準で判定する場合
(上記の「ア」に該当するものを除く。)(イ)
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(医療モールの場合は、医療モール内の全ての保険医療機関に係る処方箋の受付回数を合算した数)が4,000回超/月
(ロ)
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一グループ(注4)かつ処方箋集中率が最も高い保険医療機関が同一である他薬局の処方箋の受付回数を合算した数)が4,000回超/月
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
調剤基本料3の「イ」の施設基準
次のア、イのいずれかに該当する保険薬局で、調剤基本料に係る届出を行っている保険薬局であること
ア
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が35,000回超〜40,000回以下/月 + 以下のどちらかの場合
(イ)
処方箋集中率:95%超
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある
イ
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が40,000回超〜400,000回以下/月 + 以下のどちらかの場合
(イ)
処方箋集中率:85%超
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
調剤基本料3の「ロ」の施設基準
次のア、イのいずれかに該当する保険薬局であること
ア
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が400,000回超/月 + 以下のどちらかの場合
(イ)
処方箋集中率:85%超
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある
イ
同一グループ薬局の数が300以上 + 以下のどちらかの場合
(イ)
処方箋集中率:85%超
(ロ)
特定の保険医療機関との間で不動産の賃貸借取引がある
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
調剤基本料3の「ハ」の施設基準
次のア、イのいずれかに該当する保険薬局であること
ア
同一グループ薬局の処方箋受付回数の合計が400,000回超/月 + 処方箋集中率:85%以下
イ
同一グループ薬局の数が300以上 + 処方箋集中率:85%以下
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
特別調剤基本料Aの施設基準
保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局(注5)であって、処方箋集中率が50%超(当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合(注6)を除く)であること。
【届出に関する事項】
- 施設基準に係る届出は、別添2の様式84を用いること。
特別調剤基本料Bの施設基準
地方厚生(支)局長に対して、調剤基本料の施設基準に係る届出を行っていない保険薬局であること。
調剤基本料の「注4」のただし書きで規定する薬局(調剤基本料の減算対象となる薬局)の施設基準
以下のいずれかに該当する保険薬局である場合、調剤基本料を50/100に減算する。
(詳細な施設基準については、「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(令和6年3月5日保医発0305第6号)(厚生労働省)を参照)
ア
医療用医薬品の取引価格の妥結率が50%以下であること。
イ
医療用医薬品の取引価格の妥結率、医療用医薬品の取引に係る状況、流通改善に関する取組状況について、地方厚生(支)局長に報告していない保険薬局であること。
ウ
薬剤師のかかりつけ機能に係る基本的業務を1年間実施していない保険薬局であること。
(処方箋の受付回数が1月に600回以下の保険薬局である場合を除く。)
施設基準以外の算定要件
算定上限回数
患者等が提出する処方箋の枚数に関係なく処方箋受付1回につき1回算定可能である。
同一患者から同一日に複数の処方箋(リフィル処方箋を含む。)を受け付けた場合
【受付回数1回と数えるケース】
(1)
同一保険医療機関の同一医師によって交付された処方箋
(2)
同一の保険医療機関で一連の診療行為に基づいて交付された処方箋
【別受付として数えるケース】
(1)
同一の保険医療機関でも、歯科以外の処方箋と歯科の処方箋が交付された場合
例:A総合病院の耳鼻科、内科、歯科の処方箋3枚を受け付けた場合、受付回数は2となる。
(2)
複数の保険医療機関が交付した同一患者の処方箋を同時にまとめて受け付けた場合
- (2)の場合は、処方箋受付1回目は調剤基本料の所定点数を算定し、2回目以降は調剤基本料の所定点数の80/100の点数を算定する。(ただし、分割調剤に関してはその限りではない。)
注釈
注1 「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」とは
基本診療料施設基準通知の別添3の別紙2で規定されている「医療を提供しているが、医療資源の少ない地域」に所在する保険薬局のことである。
(参照:基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第5号 厚生労働省 令和6年3月5日)
注2 「特定の区域内」とは
学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第5条第2項に基づき、就学すべき中学校の指定をする際の判断基準として、市町村(特別区を含む。)の教育委員会があらかじめ設定した区域(中学校区)のことである。
歯科医療のみを担当する保険医療機関は含めないが、医科歯科併設の保険医療機関は含まれる。
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
注3 「処方箋集中率」とは
特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合のことである。
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で割って得た値とする。
特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数と当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数に、以下の処方箋の受付回数は含めない。
- オンライン服薬指導を行った場合の処方箋
- 同一グループの保険薬局の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員)とその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居または生計を一にする者)の処方箋
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
注4 「同一グループの保険薬局」とは
同一グループの保険薬局とは、次のいずれかに該当する保険薬局のことである。
①
保険薬局の事業者の最終親会社等
②
保険薬局の事業者の最終親会社等の子会社等
③
保険薬局の事業者の最終親会社等の関連会社等
④
①から③までに掲げる者と保険薬局の運営に関するフランチャイズ契約を締結している者
詳しい定義は特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日を参照。
注5 「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは
次の(1)から(4)までのいずれかに該当するものであること。(当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合は該当しない)
(1)
当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
(2)
当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を利用して開局している保険薬局である場合
(3)
当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している保険薬局である場合
(4)
当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
詳しい定義は( 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)を参照。
注6 「当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合」とは
保険薬局と複数の保険医療機関が一つの建築物に所在している場合のこと。外観上分離されておらず、また構造上も外壁、床、天井または屋根といった建築物の主要な構造部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続しているものは一つの建築物とみなされる。
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
処方箋受付回数について
実績の判定期間
前年5月1日〜当年4月30日までの1年間の処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当年6月1日〜翌年5月31日まで適用する。
【前年5月1日以降に新規に保険薬局に指定された薬局の扱い】
- 前年5月1日〜当年1月31日までの間に新規に指定された保険薬局
指定の日の属する月の翌月1日〜当年4月末日までの処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当年6月1日〜翌年5月31日まで適用する。 - 当年2月1日以降に新規に指定された保険薬局
指定の日の属する月の翌月1日〜3か月間の処方箋受付回数の実績によって施設基準の適合性を判断する。
当該3か月の最終月の翌々月1日〜翌年5月31日まで適用する。
- 処方箋受付回数の実績が判断されるまでは、調剤基本料1に該当しているものとして取り扱う。(ただし、特別調剤基本料の施設基準に適合する薬局と調剤基本料3の「イ」、「ロ」、「ハ」の施設基準に適合する薬局は除く)
【開設者の変更または薬局の改築等の理由により医薬品医療機器等法上の薬局の開設許可を取得し直した場合の取り扱い】
新たな開設許可日までの遡及指定が認められる場合は、遡及指定後も当該許可の日より前の調剤基本料の状況を引き継ぐ。
遡及指定を受けた翌年度の調剤基本料については、当該許可日より前の処方箋受付回数の実績も含めて判定を引き継ぐ。
(ただし、特別調剤基本料の施設基準に適合する薬局と調剤基本料3の「イ」、「ロ」の施設基準に適合する薬局は除く)
(出典:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第6号 厚生労働省 令和6年3月5日)
受付回数に数えない処方箋
受付回数に数えない処方箋は以下のとおりとする。
- 薬剤調製料の時間外加算、休日加算、深夜加算または夜間・休日等加算を算定した処方箋
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料または在宅患者緊急時等共同指導料の基となる調剤に係る処方箋。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン薬剤管理指導料を除く。)の処方箋については、単一建物診療患者が1人の場合は受付回数の計算に含める。
- 居宅療養管理指導費または介護予防居宅療養管理指導費の基となる調剤に係る処方箋。
- 単一建物居住者が1人の場合の処方箋については受付回数の計算に含める。
調剤基本料の施設基準に該当するか否かの取扱い
処方箋受付回数の合計が、調剤基本料の施設基準で定められている回数に、受付回数を計算した月数を乗じて得た回数を超えるか否かで判定する。
調剤基本料についての原文
他年度の改定内容
監修者のご紹介

監修者:小川 拓哉(おがわ たくや)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 薬剤師
「kakari」の企画/開発を担い、現在は営業活動を通じて薬局の支援に邁進している。行政情報を中心とした「kakariセミナー」の講師として、最新の情報の発信も担当。薬剤師としては、管理薬剤師、在宅医療、薬薬連携構築の他、エリアマネージャーや管理部門など幅広い経験を有している。また薬局における保険指導薬剤師を担うなど、薬剤師として知見を活かした活動も継続している。
執筆者のご紹介

執筆者:林 亜紀(はやし あき)
メドピア株式会社 事業本部 医療機関支援PF事業推進部 PdM
救急医療機関にて診療報酬請求業務を担当した後、医療DXに携わりたいとの考えからエンジニアとしてメドピア株式会社へ参画。「kakari」「やくばと」のサーバーサイドエンジニアとして開発/運用を担当。現在は「kakari調剤報酬事典」の企画開発の責任者を務める。
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